昨年の秋にオープンした城内町の飲食店「0258」では、対面式のカウンターで店主さんと思案しながら寸法を決めていきました。
螺旋階段と大きな対面カウンターが特徴の「0258」の店舗内
まだ椅子が入らない状態ですが、こんな感じです
0258について詳しはこちらへ・・
対面カウンターの断面計画
(これは計画途中の図なので、実際の寸法は少し違います)
厨房側と客席側のフロアーを平らにした場合、カウンターの高さは厨房側のシンクが基本となります。カウンターはシンクよりも20センチ以上高くしないとお客さんに作業している所が見えてしまう。カウンターは1mの高さとなり、それに合わせた椅子が必要となります。
調理して料理を出す場合、手の届く範囲は限られてくるので、カウンターの幅も決まってきます。
あとは出す料理による微妙な寸法の差となってきます。「カクテルを出す」とか「食器はぐるっと回って客席側から片づける」・・など、使う側の配慮が影響してきます。
課題としては・・
1.背の高い椅子
2.シンクの使い勝手(20センチの中に水栓金具を入れる)
があげられます。
1に関しては、座面が70センチという椅子にはロクなものがなく、特注で揃えなければならない
という問題になります。解決策としては、厨房の床面を20センチほど下げて、客席には普通の高さの椅子(40センチくらい)のモノを使う方法があります。40センチの座面の椅子は色々なデザインのモノが出回っています。(この場合は排水・・特に冷蔵庫の排水が問題になります。また、厨房と客席との段差の問題が付きまといます。)
椅子に対しては、地元の家具屋さんに特注で制作してもらう事で(しかも地元の広葉樹材を使った「茂岱さん」に作ってもらった事で)解決しました。
残るは2ですが・・・
このカウンター寸法を実現するには、シンクと蛇口の関係が一番の課題となりました。
通常ならば、シングルレバー混合水栓を使ってお湯と水の調節が楽になるのですが、20センチというカウンターとのスペースの制約で断念。2ハンドル式の混合水栓もこのスペースでは入りきらず、最終的に横ハンドル式の蛇口を二本(水とお湯を分ける)設置しました。
高さ20センチの中に蛇口を入れています
横から見ると自作した台木に蛇口を取り付ける苦肉の策です。
ハンドルも横方から操作して、お湯と水の2本です。
通常のシンクの場合はシングルレバーハンドルが設置でき、操作も楽です。
今にして思えば、フットスイッチや自在パイプを使えば、もう少し便利にはなりそうでした。いろいろと経験するたびに提案できる要素が増えてきます。
システムキッチンを考える