べんりや日記

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栗石地業

2007-04-20 12:00:01 | 長岡市深沢町 山の木


長岡市深沢町W邸の基礎工事がはじまっています。
地盤は地山を切土しただけあって、掘削すると手のひら大の石がごろごろと出て、地耐力も良好。これなら、掘削後に鉄筋を並べてコンクリートを打ち込んでも十分というくらいです。

でも、それでは面白くないので、その上に割栗石(わりぐりいし)を全面に敷き詰め、ダメ押しのベタ基礎にします。

長岡市は信濃川の中流に位置し、石の大きさも手頃な物がそろいます。
また、川砂も適度な粒度で、コンクリートにも最適な材料が手に入る地の利があります。
ここよりも下流では砂が細かかったり、塩分を含んでいたりして、コンクリートも強度不足になってしまう。
上流では、砂の粒や石の大きさが大きすぎたりします。

割栗石は大きさが12センチくらいの石で、平べたく、これを縦にして地面に突き刺すように並べていきます。
一個一個手で並べていくので、手間のかかる作業です。
ここの基礎で120㎡(約35坪)を全面並べるのに2~3日かかっています。

砕石を12センチくらいユンボで敷き詰めれば簡単なのでしょうが、砕石は地震の時に流れて、その上の基礎が中空に浮いた状態になるか、不当沈下してしまう。
栗石は横にごろごろと揺れるだけなので、上の基礎はそのままの状態を保てます。

昔の布基礎はこの栗石を並べたものですが、最近は簡素化されて、砕石を敷き込むか地盤改良してその上に直接ベースにする手法がとられています。
栗石は手間がかかるということで、なかなか採用されない工法ですが、地震を思えばこちらのほうが強い。わざわ地盤調査をして地盤改良をするお金をかけるのならば、金額的にも安いし、かえって鉄筋の量も増やせます。

割り栗石+ベタ基礎は本来、田んぼを埋め立てたところや、長岡よりも下流側の蒲原平野地域で採用する方法です。
蒲原平野は昔は海で信濃川の土砂が長年に渡って堆積した場所で、杭を何m打っても、硬い層に到達しない。
そんなところで表層を崩して改良しても、ほとんど意味がありません。
かえって、建物や基礎をバランスよい形状にしたほうが有利で、安価です。
伝統構法ならば、建物部分で耐震性があるので、基礎が下がっても修正できるように定着しておけば将来的にも対応できる・・

基礎一つとっても、いろいろな経験や技術が満杯なのが我が社の家づくりです。

割り栗石を並べた後は、砕石をその間に詰め込んで、転圧し、防湿シートを敷いて捨てコンクリートを打ちます。
その後に鉄筋、ベースコンクリート打ちとなります。
連休前に立ち上げが打てるかどうか微妙なところですが・・




   左官屋さんが一個一個並べています


   並べ終わると、こんな感じ


  ユンボの運転手も手伝ってます
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