すずか*ぜ便り

季節の花や風景、美味しいものなど、日々の暮らしで見つけたものを気ままに撮っています。

「伊勢崎神社」・意外な歴史と銘仙柄の御朱印 ~故郷の春・4

2020-05-01 | 街歩き

 

 

 

帰省の折時々参拝していた伊勢崎神社。

今回は御朱印をいただきました。

 

 

左が伊勢崎神社の御朱印。

(右は亀有香取神社のもの)

 

伊勢崎銘仙柄なんですよ。

素敵だし

伊勢崎らしさ満載が素晴らしい~。

 

・・・ん?

右下の飛行機って、なに?

なんで神社に飛行機?

 

神社に似つかわしくない飛行機の絵が

あまりに気になり調べてみたら

わかったのは衝撃の事実!?でした。

 

 

今まで全然気づかなかったのですが、

本殿には「渡航安全」「航空安全」祈願の木製プロペラが奉納されています。

このプロペラは戦前航空機メーカーが製造した「九〇式三号水上偵察機」のもの。

生産数が20に満たない飛行機の、

プロペラだけでも現存しているのは貴重だとか。

御朱印の飛行機の絵はこの水上偵察機なんです。

 

少し長くなりますが、

以下、神社とプロペラ、そして飛行機との関係を。

 

かつて伊勢崎市の隣・太田市には航空機を製造する

「中島飛行機」の工場がありました。

(太田市は創設者の出身地)

戦時中には生産が追いつかず

伊勢崎市に2つの工場を開設、

‘隼’‘疾風’‘零戦’などの航空機部品が作られ、

伊勢崎は航空機製造の一大拠点であったそうなのです。

 

その中島飛行機の社員が奉納したのが

伊勢崎神社にある木製プロペラとのこと。

 

伊勢崎神社は現在も航空安全の神社として

プロペラ形のお守りもあるそう。

御朱印にばかり気をとられ

お守りは見もしなかったのが悔やまれます

 

神社に、故郷にこのような物語があったことは

学校からも親からも聞いたことがなく、

初めて知る故郷の歴史に驚くとともに

御朱印を通じて

故郷の奥深さに感動した次第です。

 

さて。

戦後はGHQより航空機の研究、製造を禁じられ

中島飛行機は富士重工業伊勢崎製造所へと変わりました。

ちなみに、伊勢崎工場から生まれたのが

‘てんとう虫’の愛称で親しまれた「スバル360」という軽自動車です。

 

現在、あるショッピングモールの片隅に工場のレンガ壁が移築されていて

なぜこんな所に?といつも思っていたのですが、

富士重工の工場跡地であるからと知り、

これからは買い物に寄るたび

レンガ壁をしみじみ見てしまいそうです。

 

 

神社に咲いていたのは

椿と塀際の小さな枝垂れ梅だけでした。

絵的には寂しい神社ですが、

面白さは大きな神社だったのですね。

 

飛行機などに興味がありましたら

ぜひ訪れてみてください。

 

 

(伊勢崎銘仙の御朱印帳もあります)

 

<3月22日 伊勢崎市・「伊勢崎神社」にて>