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ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 作品93【ベーム&VPO】(スコア付き)

2023-11-08 06:30:03 | 音楽雑感&関連サイト

ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 作品93【ベーム&VPO】(スコア付き)

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン: 交響曲第8番ヘ長調 作品93 (スコア付き) 作曲年代:1812年 指揮:カール・ベーム 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

00:00 第1楽章 Allegro vivace e con brio (ヘ長調) 09:56 第2楽章 Allegretto scherzando (変ロ長調) 14:18 第3楽章 Tempo di Menuetto (ヘ長調) 19:18 第4楽章 Allegro vivace (ヘ長調)

《交響曲第8番へ長調 作品93》は、40代を迎えたベートーヴェンが作曲した8番目の交響曲である。第7交響曲の完成直後の1812年の夏から、ボヘミアの温泉療養地で約4か月の短期間で作曲された。この年代にベートーヴェンは人生最大の恋愛をしていたと考えられるが、その相手には諸説あり、「不滅の恋人」と呼ばれている。そんな折に書かれた《交響曲第8番》は、全曲を通して明るく、「不滅の恋人」を思いながら作曲したのは容易に想像がつく。一方で、耳の疾患は既に筆談が必要な状況であり、社会情勢はナポレオンがロシア侵攻し・敗戦するなど、激動の人生に変わりなかった。 この交響曲は、ベートーヴェンが最も愛した交響曲としても知られる。これは、1814年2月27日に《交響曲第7番》などとともにこの交響曲が初演された際のベートーヴェンのことば、「この曲が聴衆に受け入れられないのは、この曲があまりに優れているからだ」からも分かる。ベートーヴェンの9つの交響曲の中で最も短く、劇的な展開もないこの交響曲は、聴衆の受けも良くなかったようだが、ベートーヴェンにとっては思い出深い作品なのかもしれない。 小規模で古典的な印象も与える《交響曲第8番》にも、革新的な要素に溢れている。一定のリズムが刻まれる第2楽章は、当時発明されたばかりのメトロノームに着想を得たとされる。難聴者であるベートーヴェンにとってメトロノームは、視覚的にテンポを得るうってつけの道具であったと考えられ、これ以降のベートーヴェンの作品や、過去の一部の作品にはメトロノーム表記が書き込まれた。これは同時に、テンポが絶対的に指定される時代の幕開けとなった。 ティンパニについては、新しい交響曲を発表するたびに新しいアイデアを盛り込んできたベートーヴェンであるが、《交響曲第8番》では第4楽章でF音のオクターブで調律したティンパニを用いた。この手法は《交響曲第9番》で、さらに応用されることになる。ホルンについても、第3楽章の中間部 (16:42) でポストホルン(郵便馬車が到着した際に鳴らすメロディ)に着想を得た牧歌的なメロディを奏で、旋律楽器としてのホルンの使用がより顕著となっている。転調も効果的に用いられており、第4楽章終盤 (25:21) の嬰ヘ短調への転調は意表を突く。 なお、9つの交響曲の中で、この交響曲は第1楽章が弱音で終止する唯一の交響曲であり、第3楽章にメヌエットが置かれた唯一の交響曲でもある。


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