池田篤三郎／ものづくり中部の革新者たちⅢ

2022-10-26 06:40:18 | ものづくり・まちづくり

ものづくり中部の革新者たちⅢ　より　池田篤三郎を紹介します。

去る2022（令和４）年９月10日（土）に名古屋都市センター（金山南ビル内）　11階「まちづくり広場・企画展示コーナー」で行われた、第17回パネル展での学びを振り返ります。

ここから　http://csih.sakura.ne.jp/panerutenn.html

今回は、池田篤三郎　日本初の活性汚泥法　-名古屋上下水道の基盤を築いたー　

ものづくり中部の革新者たち
　3 基盤の革新者 (2)

池田篤三郎 (1890~1963)　日本初の活性汚泥法　-名古屋上下水道の基盤を築いたー

池田篤三郎 (1890-1963)は、大阪府泉南郡に生まれる。 1914年東京帝国大学工科大学土木工学科を卒業、北海道炭鉱汽船に入社した。後に大阪市水道局、岡山市水道主任技師となる。名古屋市は1923年に東京帝国大学草間偉と東京市水道局米本晋一を上下水道の顧問に委嘱した。米本は名古屋市長田阪千助から拡張水道の主任担当技師に優秀有能な人物を引き抜いて欲しいと頼まれた。池田を1925年岡山市から名古屋市に迎えた。

■水道事業は人口100万都市を目指した
名古屋の給水開始は1914年、普及率は1.9%に過ぎなかった。 1921年隣接16町村が市に編入された人口は約62万人の大都市となる。給水を必要とする地域に配水管の拡張が急がれた。 1922年の「上水道拡張計画大綱」は、給水人口100万人を目指した。大綱を基に第3期拡張事業案は計画され、 19
25年水道拡張事務所を開設した。池田は工務課長、水道拡張事務所長初代水道部長、初代水道局長を歴任した。池田は厳格さで仕事や技術については一歩も譲らず、多くの人材を育てた。部下には上下水道各方面の仕事に経験を積ませ、将来に何れの方面に役立つ水道技術家の養成に心掛けた。 1939年水道局長を辞任し、各種水道関係の役職を経て日本鋼管の技術顧問となり、 1963年逝去した。池田は多くの功績・発明・考案など残した。

■日本初の活性汚泥法の実用化に着手
名古屋は堀川、新堀川への下水放流で衛生上から放置できない状態となる。熱田抽水場構内に活性汚泥法実験施設で成功をおさめた。
活性汚泥法とは、下水に空気を送り微生物の働きで、汚れを分解して浄化する方法で、英国で開発された。 1928年、活性汚泥法の採用は堀留と熱
田処理場に、次に露橋、熱田東分場に実施した。

■水道の鉛管製造方法を発明
給水工費の節減と自給自足を目的に鉛管製造1932年から始めた。高所の配水池からの高水圧を利用し、最も経済的に鉛管を製作する方法を池田が考案し特許を得た。家庭の鉛管を回収は1957年まで続き、給水の進捗に貢献した。

■管路の流量変化の公式を発見
鳥居松沈澱池より鍋屋上野浄水場に至る長大な新旧鋳鉄管路や市内の新旧大小の配水管内の通水量を詳細に測定した。各種材料の管路の使用年数に応じて、管路内に錆瘤が出来たことで流量が減ずることを拾集し管の流量公式を1933年発見し、今も使用されている。
(大橋公雄)

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