《 説明・指示は短くはっきりと 》
もっとも基本的な技術の一つが「説明・指示は短いほどよい」。
長い説明は有害で、かえって定着度を下げる。よい授業は教師の話が短くテンポがよい。
その視点で授業を見てほしい。
また、説明・指示は、余分なものがつくほどわかりにくくなる。
「え~」「ま~」などもNG。気になると、内容が頭に入らなくなる。
「教師の発話とその功罪」について、文部科学省のサイトから引用する。
①「ちょっと」
ア 授業冒頭の「ちょっと」
例 「ちょっと、これからね、CD聴いて、その後みんなでちょっと話し合って…」
+ 学習者の緊張をほぐす。必要以上に構えさせない。
- 指導言の内容や価値を的確に判断するのを妨げる。
イ 授業終末の「ちょっと」
例 「じゃあ、ちょっとこっちを見て。」「くん、ちょっと読んでみてくれる?」
+(積極的なプラスはない)
- 授業終了のかたちを一応整えればよいのだなと受け止め、身を入れた学習にならない。
(終了時は、むしろ要点をしっかり確認する話し方をしなければならない。)
②「はい」(中断のよびかけ(強い指示))
例 「はい、じゃあ鉛筆を置いて。」
+ 学習活動にはっきりした切れ目を持たせながら、計画通りに進行させやすい。
- 理解や作業に時間のかかる学習者を置き去りにしかねない。
③「さあ」(=ゆるやかな呼びかけ)
例 「さあ、書くのを止めて。顔を上げて。」
+ 学習者の受ける圧迫感を軽減する。
-(明らかなマイナスはない)
④「じゃあ/じゃ」
例 「じゃあ、さんの発表を聞いてね。」
+「じゃあ、今のことについて……」
先行する活動や発言を、次の段階に結び付けることになる。
(「じゃあ」の源は「では」であり、そこまでの結果を踏まえて転換する意味だから)
- 多用すると、学習活動が目まぐるしく変わっていく印象を与える。
この発想で、自分の言葉を見直してほしい。授業を録音して聴いてみよう。
前回紹介した、「話し方」の動画も見ていただきたい。