河合小市／ものづくり中部の革新者たちⅢ

2022-10-17 06:40:59 | ものづくり・まちづくり

ものづくり中部の革新者たちⅢ　より　河合小市を紹介します。

去る2022（令和４）年９月10日（土）に名古屋都市センター（金山南ビル内）　11階「まちづくり広場・企画展示コーナー」で行われた、第17回パネル展での学びを振り返ります。

ここから　http://csih.sakura.ne.jp/panerutenn.html

今回は、河合小市　発明小市、多くの人々に良いピアノをーピアノの一般家庭への普及と浸透を目指すー　

ものづくり中部の革新者たち Ⅱ

河合小市 (1886~1955)　発明小市、多くの人々に良いピアノをーピアノの一般家庭への普及と浸透を目指すー

■修業時代、そして発明小市へ
河合小市は、 1886(明治19)年、静岡県浜松上新町 (現在の菅原町) の腕のいい車大工、河合谷吉の長男として生まれたが、尋常小学校卒業間近の
頃、小市の父親は急死した。このため、小市は小学校を卒業するとすぐに働きに出ることになった。

1896(明治29)年、11歳の河合小市は山葉風琴製造所の山葉寅楠の住み込みの弟子となった。山葉寅楠は小市を我が子のようにかわいがり、小市
も寅楠を「師匠、師「匠」と慕ったという。
翌年、山葉風琴製造所は日本楽器製造株式会社となった。
河合小市は、山葉寅楠のもとで、ピアノアクションの開発やオルガン用のストップ「カップラー」にも取り組み、その後も卓上ピアノやハーモニカの弁の簡易取付機の考案等をし、「発明小市」と呼ばれた。

■独立、そして世界へ羽ばたく
山葉寅楠 (1916年没)の亡き後、河合小市は技術部門の責任者となったが、 1912 (大正15)年に起きた労働争議のあおりを受け、小市は日本楽器製造株式会社を去ることとなった。
そして、1927(昭和2)年、愛弟子の7人とともに、浜松市寺島町の自宅に河合楽器研究所を設立し、「昭和「型」と名付けられたアップライトピアノを誕生させた。
翌年には早くもグランドピアノを完成させ、やがて85鍵のアップライトピアノも製作して、会社は順調に伸びて1929(昭和4)年には河合楽器製作所とななった。日本楽器製造株式会社と並ぶ楽器会社に成長していくのであった。
河合小市は、ピアノのアクションの発明や画期的といわれたピアノ響板の発明など、 20件余りの特許を取得し、浜松の楽器工業の発達に大きな功績を残した。
河合小市は1955(昭和30)年に亡くなるが、彼の意志は娘婿の河合滋に継承され、世界のカワイへとさらに発展を続けることになった。
(漢人省三)

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