ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」序曲 (スコア付き)
ヨハン・シュトラウス2世: 喜歌劇「こうもり」序曲 (スコア付き) 作曲年代:1874年 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 《喜歌劇「こうもり」》はロデリヒ・ベンディックスの喜劇『牢獄』に基づいて、アンリ・メイヤックとリュドヴィック・アレヴィが書いた喜劇『夜食』を基に1874年に作曲されたオペレッタ(喜歌劇)である。ウィンナー・オペレッタの最高峰に位置付けられ、大晦日のウィーン国立歌劇場で毎年上演される人気作品である。 【簡単なあらすじ】 役人を殴った罪で禁固刑が命じられたアイゼンシュタイン(主役)であったが、旧友ファルケ博士からの舞踏会の誘いを受けて舞踏会へ。そんな中アイゼンシュタインの妻ロザリンデのもとに元彼のアルフレードが現れ、ちょうどその時に警察がやってくる。ロザリンデは刑務所に行かずに浮かれている夫を懲らしめようと復讐劇を企み、アルフレードをアイゼンシュタインの身代わりとして刑務所に送る。舞踏会にはロザリンデは仮面をつけて参加。アイゼンシュタインは仮面をつけた妻を妻と気付かずに口説こうとし、懐中時計を奪われてしまう。やがて朝6時の鐘が鳴り、アイゼンシュタインはあわてて刑務所に出頭する。刑務所には身代わりのアルフレードが牢に入っておりアイゼンシュタインは困惑する。そこに妻ロザリンデがやってきて舞踏会で奪った懐中時計を取り出し、さらに登場人物が大集合してすべてはアイゼンシュタインを懲らしめる復讐劇だったことを告げる。アイゼンシュタインはロザリンデに謝罪し、最後は「すべてはシャンパンのせいよ」とロザリンデの歌う「シャンパンの歌」で幕が下りる。 《序曲》は単独で演奏会に取り上げられることも多く、短編アニメ『トムとジェリー』でも使用された。オペレッタから様々な場面の主題を寄せ集めたもので、冒頭の3音 (E - E# - F#) は、第3幕でアイゼンシュタインがロザリンデとアルフレードを「そうだ、お前達に裏切られた男だ」と糾弾するシーンのモチーフである。
0:59の6回の鐘は、第2幕の午前6時の鐘である。1:50からの主題は第3幕の復讐劇だったことを告げるときの主題、2:52からの有名なワルツは第2幕の舞踏会の場面終盤のワルツである。4:10からのオーボエによる物悲しい主題は、第1幕中盤での三重唱でロザリンデが「私はあなたなしで過ごさなければならないのね」と歌うものである。もう一度これらの主題が再現された後、テンポを上げてコーダに入り終止する。