年末からずいぶん時間がかかりましたが、やっと「ノルウェイの森」を読み終えました。
主人公のワタナベと、彼を取り巻く環境。
彼の周りには常に「死」というものがつきまといます。
成人して、大人としての責任を自覚しようとしている多感な時期に、どうしてこれほどまでの
重苦しい事態が重なるのでしょう。
重苦しい日々を葛藤しながら生きるワタナベは、誠実さと思慮深さをもって歩き続けます。
生と死は対極にあるものではないという考え方。
生きるエネルギーを強く発する女の子に惹かれていく気持ち。
どうしても解決できない死んだ人への思い。
いろんなことが本当にリアルに描かれていて、村上春樹の想像力と観察眼に
あらためて敬服しました。
一番素直な感想は、「時々憎らしくなる人がいても、生きていてくれるだけで
ありがとうという気持ちになれた」ということでしょうか。
しかし、そんな気持ちになることを、疑わなくてはなりません。
「ありがとう」という肯定的な気持ちの裏には「こうしてほしい」「これはやめてほしい」という
負の感情が必ずくっついているからです。
心で思っていても伝わりません。
言葉にしたり文章にしたり、とにかく何らかの手段で伝えなければ、人には何もわかりません。
誰かの頭に自分の頭をくっつけて、今考えていることから言葉で表せないような微妙な感情まで
全部伝われば楽だろうなと思うことがあります。
きっと「ノルウェイの森」の悲劇のヒロイン直子も、そんなふうにできれば
だいぶ楽に生きていく道を選べたんじゃないかな?と思いました。
さて、次は女性の作家4人がヨーロッパを旅して書いた少し軽い物語を読もうと思います。
読書は楽しいです。
主人公のワタナベと、彼を取り巻く環境。
彼の周りには常に「死」というものがつきまといます。
成人して、大人としての責任を自覚しようとしている多感な時期に、どうしてこれほどまでの
重苦しい事態が重なるのでしょう。
重苦しい日々を葛藤しながら生きるワタナベは、誠実さと思慮深さをもって歩き続けます。
生と死は対極にあるものではないという考え方。
生きるエネルギーを強く発する女の子に惹かれていく気持ち。
どうしても解決できない死んだ人への思い。
いろんなことが本当にリアルに描かれていて、村上春樹の想像力と観察眼に
あらためて敬服しました。
一番素直な感想は、「時々憎らしくなる人がいても、生きていてくれるだけで
ありがとうという気持ちになれた」ということでしょうか。
しかし、そんな気持ちになることを、疑わなくてはなりません。
「ありがとう」という肯定的な気持ちの裏には「こうしてほしい」「これはやめてほしい」という
負の感情が必ずくっついているからです。
心で思っていても伝わりません。
言葉にしたり文章にしたり、とにかく何らかの手段で伝えなければ、人には何もわかりません。
誰かの頭に自分の頭をくっつけて、今考えていることから言葉で表せないような微妙な感情まで
全部伝われば楽だろうなと思うことがあります。
きっと「ノルウェイの森」の悲劇のヒロイン直子も、そんなふうにできれば
だいぶ楽に生きていく道を選べたんじゃないかな?と思いました。
さて、次は女性の作家4人がヨーロッパを旅して書いた少し軽い物語を読もうと思います。
読書は楽しいです。