一浪の末、晴れて大学生になり
築三十年のアパートに四年間住んで
昼夜逆転の生活をし続けてオカシクなり。
部活に明けくれてゼミには出席せず。
クーラーのないボロアパートから抜け出て学食で寝る。
そこで出合った古本屋でP・K・ディックやチャンドラーや北方など。
そして新宿ゴールデン街。
金と艶と暴力と嘘とゲロと朝鴉の街。
永遠にこの人生が続いてくれと願った ─ 案の定終わった。
就職活動したくなかった。
働けないと思った。
このままこのアパートに引き籠りたかった。
家賃は払わないと親から告げられた。
仕方なく就活した。
どこでもよかった。
働きたくなかった。誰とも会いたくなかった。
彼女とも結婚したくなかった。プロポーズ/嘔吐。
バーテンで繋ぐかと考えた矢先にオーナーが自殺した。
行く当てが無くなった。
正社員になるしかない…………そう思った。
なるように、なった。
詰まらなくなった。
なるようになるなんて糞だな。
当たり前なんだ。糞が出るなんて。
だから退屈するなよと毎朝言い聞かせた。無論自分に。
今こそバブルにするべきだよ。
三十五年前なんて早すぎたんだよ。
分かるかな?