この本は読了するまでに時間がとてもかかった。
とても複雑なことを極力簡潔に描くことを肝に銘じて書き上げたと作者は言う。
曼荼羅図に人生の全てを描ききるような感じがする。
複雑怪奇な人生を分りやすい絵で見せる様な感じ。
登場人物の会話。
預言。
幽霊。
現実と幻想。
組織。
人格。
冒険。
信頼。
試練。
時間。
町。
運命。
知恵。
導き。
色々と象徴するもの。
1ページ、2ページ、と読んでは本を置いて色んなことを思い出し考える。
その繰り返しだ。
読破するスピードじゃない。
どれだけその世界に「浸かりきって」感じ取ることができるか。
あ、これはと感じたらしっかりとつかまえて手放さないでいること。
焦らず、苛立たず、ひと呼吸おいてじっくりと向き合おうとすること。
自分を信じて目の前の本を通じて心の奥底を覗いてみる。
よく分からなければ素直に来た道を戻ってみること。
道筋が見えそうだと思えてきたら自分を信じて一歩一歩進めること。
答えはない。
解答はいらない。
ヒントだけだ。
細い細いヒントの糸をそおっと手繰り寄せていくしかない。
静かに心落ち着かせ、耳をそば立てて、その声を聞く。
自分だけの、自分の為だけの答えを聞くしかないのだ。
答えは自分の中にある。
他の誰にも当てはまらない、自分だけの答え。
みんな本当はそれを知っている。
知らないフリをしているだけだ。
聞かなかったことにしているだけだ。
もしくは忘れているだけだ。
答えは自分の中にしかない。