【タックの放浪記】  思えば遠くへきたもんだ・・・     by Tack SHIMIZU

心に刻まれたその一瞬、心に響いたその一言、心が震えたその想いを徒然と書き記したい。この記憶から消え去る前に…

懐かしき『合宿免許』

2010年03月19日 | 徒然日記
昨夜ようやく帰国し会社に戻る。そして今朝は一番にミーティングを実施し昼から京都市内を外商にでた。昼間は時差ボケで眠すぎ!

今日、『日本を外から揺さぶりをかける!』と豪語し、シンガポールに自分の拠点を移した高校時代の友人であり成功者・KATOのFACEBOOKより、メッセージが届いた。

そこには高校を卒業し、一緒に取りに行った『合宿免許』の事が書かれており、とても懐かしくなり、オレも今日はその頃の記憶をあやふやながらここに書く事にした。

当時、わが母校である箕面高校は、一浪して『関関同立』を目指すというのが一般的、平均的な進学の形であった。

オレがいた理系クラスでは、これらの大学がそれぞれ理系の学部は1つしか持ってないこともあり、とても倍率が高く、実際の所、現役で一般入試して入学できた同級生は、たまにここに顔を出してくれる金ヤンとオレだけであった。

高校3年生の2月の終わりには、KATOとオレはそれぞれ大学進学先を決めており、車の合宿免許に行こうということになった。

確かオレの記憶では関西学院大学の生協で申し込むのが一番安いというKATOの調査により、関学の生協まで二人で申し込みに行ったような気がする。KATOも書いていたが、それは間違いなく25万円であった。それはそれは、当時のオレ達には大金であった。

二人して北陸本線の特急『雷鳥』に乗り、福井の『鯖江自動車学校』へ向かったのであった。

合宿場は免許学校の建物の上にあり、各部屋に6つほどの二段ベッドが備わっていた。KATOが上段でオレが下段に床を取った。

合宿場での食事はいつも弁当。いつも赤いプラスチックのお重のようなものに、おかずが一段、梅干が真ん中にのったご飯が一段、蓋をあけてそれらを横に並べて食べたのを鮮明に覚えている。

確か、KATOは併せて原付免許も所得するということで、部屋の窓より原付講習を受け、教習コースを走っていくKATOを見ていた記憶がある。

なぜか、とにかく運転しながらよく喋らされた講習であった。

『シートベルトよし!(触る)、ミラーよし!(触る)』

『よし!(バックミラー指す)、よし!(サイドミラー指す)、カッチン(ウィンカー左)、巻き込みよし!(首大きく左に振る)』

大学の授業がはじまるギリギリまでの免許合宿スケジュールになっていたのだが、KATOと二人で、『まぁ入学式や履修届けなんて出なくても、後で行って手続きすればええやろ。』などと話していた。

まぁ念のためにと、オレは関西大学工学部事務局に合宿場から電話をしてみたのであった。

『すいません。どうしても履修届けの日に行けないんですけど・・・。』 オレ

『わかりました。では、今年は休学ということでよろしいですか?』 サラッと事務員

『えっ・・・!? いや、必ず伺います。』 あせるオレ

ということで、オレ達二人は一旦大阪に飛んで帰り、履修届けを済ませ、翌日また福井に戻ったのであった。

なんとか免許が取れて、KATOが求めた車は、日産『ガゼール』とかいう、当時人気のシルビアの姉妹車のようなやつであったが、オレはKATOが乗っている以外は、当時この車が走っているのを見たことがない。考えたら滅茶苦茶レアな車であった。

当時ナビなどこの世に存在しないその頃に、この車は今のナビと同じくらい驚くほどよくしゃべった。

『シートベルトをお付け下さい』
『バックします』
『右へ曲がります』
『ガソリンがありません』

KATOはそのたびに『はい。はい。』と相槌していた。(そんなことなかったか・・・)

オレはというと、初めて手にした車は中古の緑色の『おんぼろゴルフ』であった。

しかしこいつが驚くほど故障して参った。ダイナモがいかれており、走るたびにバッテリーが貯まらずなくなっていってしまうのである。少しずつヘッドライトが暗くなり、しまいにプスンとエンジンが止まり、二度とかからなくなってしまうのだ。

だからいつも運転はヒヤヒヤもんだった。

一度、京都に1人で行ったときは堀川通の二条城のまん前で止まってしまい、一人で必死に重い、重すぎるこの『おんぼろゴルフ』を押したのだが、それで大渋滞を起こしてしまい泣いた。

KATOの関学の友人達と白浜行った時も止まった!
サークルの仲間と若狭へ行った時も止まりやがった!!

『おんぼろゴルフ』はパワステなど装備されてなく、仲間には『重ステ』と呼ばれていた。普通の速度であったらそれほどでもないが、ゆるい速度で道を曲がろうとすると、そのたびにオレの腕にはチカラコブが出た。

なにかとチカラのかかる車であった。

あぁ懐かしやぁー、懐かしやーー。