長女が最期を迎えた病院でのことです。
コロナ禍の昨今、病院のいたるところに「面会時間は15分」と言う掲示が出ていました。そのためかタカカノが介護のために病室に行っても、、、、
「15分たったからお母さんは帰れ」と言うようなことを長女は言い、タカカノは悲しい思いをしていました。
決められたことは守らないといけない、と育てたのはほかならぬタカ長たちなのです。それもこれも自分たちが育てた子どもだから、と話しながら、タカカノが病棟の看護師長さんから聞いていたことを、本人の前で話してもらうことにしました。
建前は建前として、家族の人は何時間おられてもいいですよ。
看護師長さんの口からそのようなことを聞き長女の考えも変わりました。タカカノはその後面会時間にとらわれないで長女の世話をしていました。
死の床にいる長女からあれこれ用事を言いつけられたタカカノは生き生きしているように見えました。何十年かぶりに娘に頼られていることを実感できたのでしょう。
自立するよう育てたのも、決められたことは守るように躾けたのも私たちです。
幼児のころ躾けたことがこの子の中に生きている。そのことを実感しました。まさに「三つ子の魂百まで」です。