薄手の手袋で作業すると、あっという間に、手袋🧤が破けてしまう。
IBM Power System AC922で構築された米オークリッジ国立研究所のSummitがTOP500 (2019年11月版) で4連覇達成!とある。
どんなコンピューターか?
こんな馬鹿でかいコンピューターだった。
日本では、蓮舫議員から「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 二位じゃだめなんでしょうか?」という言葉で注目を集めた。
スーパーコンピューター「京」
まぁ、どちらにしても、膨大な予算を使って作られている。
工房オンセでも、それに対抗するわけでは無いが、
こちらは、いかに低予算で素早く、誰もが使えるコンピューターを開発した!
これだ!
余分な事は全て振り払い、一つの事だけに特化したスーパーコンピューター。
竹を割ることだけに特化した物だ。
5歳の子供 チコチャンでも、80才を過ぎたお爺さんでも使うことが出来る。
竹は1本、1本太さが違うので、この斜めになった溝に右から左に通していくと、竹の直径の所で止まることに為る。
止まった場所の、数値を読むのだ。
例えばこの場合、
8ミリの幅のヒゴを取るのなら、22本くらい
6ミリの幅のヒゴを取るのなら、28本くらい
5ミリの幅のヒゴを取るのなら、34本くらい
と、一目で判るのだ! 凄い!
コンピューターで割り出した計算から、今度は左にある「菊割り」という道具で竹を割っていくという手順に為る。
何とも凄い!と、自画自賛。(笑)
私の工房では、昔からバッグや花籠などに最後の塗装や艶出しに漆を使っている。
染色したものに使う分には、何の問題もないのだが、
炭化竹や生成りの竹に塗るときに、時たま、緑っぽいような青い色が出るときがある。
何に反応しているのか?
どういった状況で、この現象が出るのか?
漆の乾かし方が悪いのか?
いろいろ考えていたのだが、出るときと出ない時があるので、だんだんと迷宮入りしていってしまった。
ここ一年ほど、その変色の事例がなく、忘れていたのだが・・・・・
先日、ある職人がバッグを作った時に、はっきりと色が出たのだ!😢
さすがに、このままではいけないと原因究明に
以前にも、この問題で漆の専門家に相談したことがあったのだが、その時は原因が特定できなかった。
漆の刷毛が悪いのだろうか?と、
刷毛を新しいものでやってみたり?
漆を溶く器も変えてみたり?
衣類もその時だけ新しいものにしたり?
ひょっとしたら、ハンドクリームの中の成分が悪いのかも?
指先から、毒が出ているのか?
しかし、この原因究明が出来ずにほっておくわけには行かない!
そして、今回の実験に為りました。
県の漆の専門家に変色したバッグを見てもらい、アドバイスを受けた。
彼は一目見るなり、「これは、水に問題がある!」と言い切ったのだ。
そこで、今回の状況を見るために、
まるで、コロナウィルスの感染状況調査のようだ。
職人さんが使ったであろう、水道水を持ってきてもらった。
彼女はその時、県のビースクエァという施設を借りて作業をしていたので、
ビースクエアのお水と、自宅のお水を持ってきてもらい、
その水に、籐や竹ヒゴをつけて、実験してみた。
その結果、見事に反応が出た。
ビースクエアの水に浸した物から、色が出たのだ!
職人の自宅の水からは少し出たかな?
工房の水からは全く反応が出なかった!
やはり、水に原因があったのだ。
次に実験したのは、
竹の編み生地にそれぞれの水を刷毛で塗ってみて、それに漆をかけて乾かしてみた。
今回は、どれにもほとんど反応が出ていない!
やはり、刷毛で水を塗ったくらいでは、微量すぎて反応が無いのか?
そこで、今度は、反応の出なかった漆を塗った生地を半日、それぞれの水に浸してみた。
そして、乾かしてみると・・・・・
なんと、物の見事に違いが出たではないか!
これほどはっきりと
間違いなく、水に何かの成分が入っており、それが反応していたのだ。
正式な水質検査はしていないが、おそらく、鉄分が反応していると考えられる。
今までにも、仮止めするときに針金を使うのだが、その部分だけ黒色に変色したことがあるなど、
ある漆工房の記事にも
「漆が鉄分に反応することで黒く変色する性質を活かして、黒色を出すこともできます。」と書いてある。
おそらく、鉄分の強い水に、竹や籐をつけると、鉄分が染み込み、最後の漆を塗るときに反応するのだろう。
染色する籠などには、下地に色が付いているので判らないのだが、炭化竹や生成りの竹に塗るときは、充分に注意しなくては為らない。
竹を浸ける水槽も鉄製の物は使わない方が良いと!
私の所では 「老いては弟子に従え」と言います。
先日、銑引きの台(竹細工の道具で厚さを決める道具)
我々は何万本も竹ひごを引くので、少しずつ、少しずつですが、金属の台がすり減ってくるのです。
そのすり減った所を、均一にするために、一生懸命30分ほど台を削って居たら、それを見ていた弟子が
「先生、これが良いですよ」と、教えてくれた。
金属の台の上に、ガラスのタイルを置くという方法だ。
ガラスは金属より硬いのか? もし、すり減ったらタイルを変えるだけという。
早速、100均でガラスタイルを購入、100円で24枚もある!
試して引いてみると、確かにすこぶる調子が良い!
いままで35年間も、知らんかった~~~~!
これは、優れた方法ですな!
竹細工をしている人には、良い情報です。(^^)/
私の所では、「5年間無料修理保証」という制度を取っている。
竹のバッグなどは、飾っておくものではなく、普段使いに持ち歩いてもらう為の物であり、使っているうちには、間違って載ってしまったり、ぶつけたり・・・・
いろいろなアクシデントで痛んだり、
また、長年使っているうちに磨耗することもあります。
5年以降の修理については、修理代実費という形で、修理させてもらっている。
今回も、
8年前にお買い上げ頂いた、バッグである。
四隅に足が付いてい居るのですが、底の部分が磨耗して、取り替えることに、
しかし、こうやって見てみると・・・・・
虫飾りも、まったくブレが無く、見ていて気持ちが良い!
やはり、後から見ても
「良い仕事してますな~」と、言われるような仕事をしなくては。(*^^*)
これ何だか判ります?
凄い刺があって、持っただけでも痛~い!
実は、これは「籐」なんです。
私達、竹籠を作る者にとって、「籐」という材料は、竹の次によく使う材料だ。
私の所でも、縁巻きに使ったり、足の部分に籐飾りと称して使ったり、花かごの手の部分の骨組みに使ったり・・・・・と、
本当に切っても切れない材料である。
インドネシア産の物を使っています。
こんな風に、縁の上の部分のクルクルと巻いてあるのが、籐を使った部分です。
籐と云うのは、柔らかく弾力があるので、竹では出来ない細かい細工をする時に、ものすごく使い易い材料なのです。
私も30年ほど、この材料を使っているが、どんな形で自生して居るのか?知らなかった。
ところが、今回初めて、籐家具の加瀬さんによって、原材料を見ることが出来ました。
それが、冒頭の写真だったのです。
刺の硬い部分を、剥がして、中の芯になっている部分を使っているのです。
この丸い芯の部分でも、外側が堅く、光沢を持ったガラス質に為っています。
我々は、この中芯の表面の部分を使っているのだと、初めて知りました。
ん~~~、毎日が勉強ですな!
私のところでは、染色窯に、基礎石を積み上げて作っています。
今回は、もろくなった窯を作り替えました。
建材屋さんの注文すると、運んできてくれます。
今回は、基礎石を100個と、ブロックを20個注文しました。
長年使っている内に、高温な炎の為に、コンクリートがぼろぼろになっていきます。
こんな感じに為っていました。
お湯を沸かす為、もし、事故でもあった時には大事に為ります。
そこで、5年ぶりに作り変えることにしたのです。
新しい束石を載せて、一番上のしっかりしたところには、耐熱レンガを使っています。
本日は、左官屋さんに為った気持ちで・・・・・
そして、出来上がりました。
今回、我が工房の女性陣に網代編みの講習をした。
3本飛びの網代編み、我々竹業界では「三間網代」と呼んでいます。
この3間網代に、枡模様を入れて行くのですが、これが、何度説明しても、なかなか伝わらないのです。
網代編みなど、編み目に慣れて来ると、自然に模様が見えて来るのですが、初心者の方には、今、自分が何処を編んでいるのか判らなくなってしまうようです。
そこで、工程順に写真に撮って説明することに、
まず最初に、4本起きに5本飛びを作ります。
5・3・3・3、5・3・3・3、5・3・3・3、とこんな感じです。
次に、1回目の崩しです。崩しというのは、模様を替える時の業界用語です。
この段階まで進みます。
そして、2回目の崩しです。ここまで来ると、枡模様がはっきりしてきますね。
そして、最後に元の三間網代に戻して行きます。
こんな感じに模様を入れていきます。
さてこの写真を見て、理解してくれるでしょうか?
竹細工士にとって、絶対、無くては成らない材料として、竹材です。
現在は、「切り子」さんという、竹藪から竹を切り出す専門の方が居られますが、高齢化の為、切り子さんの存在は風前の灯火の状態です。
後継者が居るのか?と、いえば、若い人には、竹藪の中に入って、汗だくになりながら、重い竹材を担ぐ仕事には、成り手が無いのです。
また、切り子さんが切り出した竹を製竹する竹屋さんも、高齢化が進み、どの業者も後継者不足で、何時までやってくれるのか?不安な状態になっています。
昨日は、国東市にある「青山竹材店」を訪ねてきました。
海岸沿いにある工場には、たくさんの竹が干してありました。
この円錐形に竹を組んだ姿を見ると、ホッとします。
工場の中では、油抜き作業とかんてき作用をして居られました。
油抜き作業というのは、青竹を10分ほど煮沸すると、竹の中から油が吹き出しています。
それを、手作業で油を拭き取る作業です。
油抜きした竹を、天日で干し上げることで、緑色の竹が、乳白色の艶のある竹に変わるのです。
その後が、かんてき作業です。
竹のかんてき?
「かんてき」と言っても、判らない人が多いと思います。
竹って、「真っ直ぐに伸びた・・・」と、表現されますが、よく見てみると、結構歪んでいるのです。
その歪んだ竹を、熱を加えて柔らかくし、矯正することを業界用語で「かんてき」と、言っているのです。
丸竹の通. 直木オが求められている. しかしながら, 製竹業生産現場. においては, かんてき ・矯直しと呼ばれる丸竹整形 (屈. 曲した部分をバーナーで加熱し竹材を軟化させ, テコを. 利用 して整形し, 整形した状態で水をかけ冷やすのです。
可笑しかったのが、足踏みのスイッチを押すと、穴を開けたパイプから水がピューと飛び出してきて、竹を冷やすのです。
大変、簡単な作りですが、これを考えるまで、相当な苦労があったものと思われます。(笑)
この竹材屋さんも、跡継ぎが居らず、高齢化の問題に直面しています。困りました~!
昨日は、11年前にお買い上げ頂いたバッグの修理です。
どうも、転んだ拍子にバッグの上に乗ってしまったらしく、側面が大きく折れてしまいました。
お客様も、申し訳なさそうに、「治りますか?」と、不安げに持ってきたものです。
こちら側が、15センチほど折れてしまっています。
反対側も、相当重症です。
使い込んだバッグは、それぞれ年月や使い方によって、風合いが違っています。
先ず、使い込んだバッグに似たようなヒゴの色を探す事から始まります。
私の工房では、色々なサイズのヒゴが、古い物から新しい物まで、沢山取ってあります。
その中から、色合いの似たものを見つけ出し、修理に使います。
ベキベキに折れた所に、新しいヒゴを差し、網目を繋ぎ合わせて行きます。
こんな状態になります。
まだ、この時は、差し込んだヒゴの余分は切っていません。
これには、訳があるのですが・・・・
全部差し終わった後、余分な部分を切り取ります。
この状態で、差しヒゴが少し茶色く感じますが、これは、この後の漆を塗った後を計算しているのです。
修理が裏表、全て終わり、角の足も付け替えました。
最後の漆塗りなのですが、修理箇所だけ漆を塗ると、他の部分と違和感が出ますので、バッグ全体に漆を塗り直し、イボタの蝋をすり込んで行きます。
出来上がりました。
途中経過はこんな感じでした。
どんな形に成ろうと、修理いたします。
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ワンクリックありがとうございました。
先日、出張先で預かって来た波網代のハンドバッグ、縁の所に乗ってしまい折れてしまっていました。10年以上、お気に入りで使って頂いて居るバッグです。
出張から戻って、修理いたしました。
左から、
1、お預かりした時の状態、
2、手を外し、内布を剥がしている状態
3、折れた縁を外した状態です。
次の写真は左から
4、新しい縁を取り付けた状態
5、縁に籐巻きをした状態
6、仕上げの漆を塗り、元々付いて居た巾着を取り付けた状態。
修理出来ました。
私ども工房オンセでは、5年間の無料修理保証をしています。
竹のバッグは、飾っておくものでは無く、普段使いして頂くものです。
使っているうちに、今回の様なアクシデントがあったり、使い込むことで摩耗することがあります。
そんな時にも、安心して使って頂けるように修理保証しているのです。5年以上経ったものには、修理代実費で修理させて頂いて居ます。
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ワンクリックありがとうございました。
お客様からのオーダー品のバッグを作って居ます。
今回は、「竹ヒゴの本数を 黒2:茶1の比率で、作ってほしい」というオーダーです。
お客様にとっては、簡単な事で、ただ単に、ヒゴの比率を変えるだけと思うのですが・・・・・
これが、そう簡単には行かないのです。
2:1にするということは、このバッグの全体の本数が、3の倍数でないと模様が繋がらないと云う事です。
また、角を起こす時、横向きのヒゴと、縦向きのヒゴとの模様が、繋がらないといけないのです。
すると、ちょっと専門的になってしまうのですが、長枡網代の場合、中央部分の本数を何本にするか?
角を崩してからの本数を何本にするか?
物凄く複雑な事になってしまいます。
頭の中で、幾何学模様を作って、考えて行くのですが・・・・・非常に難しい話です。
遂に、考えていても訳が判らなくなってしまうので、荷造り紐に色を付けて、実際に起こしてみることにしました。
実際に編んでみると、色々な事が判ってきます。
縦長になる、中央部分のヒゴは、「3の倍数+1」でなければならない。
角を崩してからの本数も、「3の倍数+1」でなければならない。
では、以上の三つの条件が重なり、お客様から要望のある大きさにするには、全体の本数と、1本1本のヒゴの太さを幾らにしなければ為らないのか?
そして、今回、割り出したのが、ヒゴ巾2.9㎜で210本のヒゴを使うと、全ての条件を満たしていました。
あ~~~(;^_^A
竹細工って、バカでは出来ませんね、ある程度頭を使うのね~!
ちゃんと、模様が繋がりました。
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ワンクリックありがとうございました。
朝、トントントンと、まな板の上で野菜を切る音がして、コトコトコトと、鍋の蓋がコトコトコトと音を発てている、 そんな音に、小さなころの思い出が被さってくると、云われますが・・・・・
我が家のそんな思い出の音は、
「竹を磨く音」なんです。
このシュ~、シュ~という音が我が家のソウルサウンドに為るのかも知れません。
この竹磨きという作業は、竹の表面のエナメル質を削り取る作業なのですが、けっこう力が要ります。
磨き包丁という、竹細工独特の彎曲した包丁で、表皮を削って行くのです。
私は、夕方にこの竹磨きの作業をすることが多く、母屋で晩御飯の準備をしている妻が、この音を聞きながら夕食を作るのが、原風景に為っているようです。
日常の何気ない音や、風景、そんな中にそれぞれの記憶や思い出が刷り込まれているのでしょう。
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