高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

こんな提案?モビール

2010年02月15日 06時08分14秒 | 職人仲間

シャッター通りになってしまっている、別府市内のアーケード街。
その中で、友人の大橋君がミニ個展を行っていると聞いて出かけてみた。日曜日なのに、閑散としたアーケード街。もう少し、人通りがあれば良いのだが・・・・

会場に着くと、大橋君が満面の笑みで迎えてくれた。彼は気難しい所はまったく無く、誰にでも心から、「本当に良く来てくれました!」と、受け入れている。

215_025_2 これは何か?と思うのかも知れないが、広い会場に、天井からぶら下がった「モビール」である。

簡単な作りであるが、空間と影を意識して、若い人にも楽しんで貰える竹製品を目指している。

昨年は羊羹で有名な、東京「とらや」で3ヶ月間に渡る、企画展を開催したり、ペニュンシュラホテルの壁面に竹のオブジェを作ったりと精力的に活躍している。

215_031

この4月には、3人目のお子さんが生まれる予定。仕事でも、家庭でも、精力的に物作り、子作りをしている。おめでとうさん。

やはり、前向きに努力している所には、自然と仕事も人も集まってくるのだ。ちょっとづつ、ちょっとづつの積み重ねが他の人との差になって現われてくるのだから!

爽やかな気持ちにさせてくれる、大事な仲間である。

頑張ってねー。

215_030

竹バッグ  すべらない竹箸  名入れ箸 名入れ ギフト  記念品 贈り物 竹細工

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石田製帽 

2010年01月08日 08時51分25秒 | 職人仲間

岡山県には、麦藁帽子をつくる産業があるのだが、その中の1社の、「石田製帽」。
出会ったのは、今から7~8年くらい前の事だ。名古屋の松坂屋で職人展が始めてであった。当時、量産タイプの麦藁帽子を卸し専門で制作していたそうだが、経営的にも、卸し専門では行き詰まりを感じて、初めてデパートでの製作実演をした時であった。

15_017

実演をしながら、お客様の声を聞き、だんだんと細かい編み目の、麦藁帽子では1万円・2万円という高級品を制作しだし、全国のデパートへ進出していった。「麦藁帽子」の新しいジャンルを開発して行ったのだ。

しかし、麦藁帽子は季節性が強く、私の所の竹の商材と似通った所がある。夏は忙しいのだが、秋から冬は極端に需要が減っていくのだ。私どもも、春から夏は、売れる時期なので、販売に重点を置き、秋から冬は制作を!そんな、パターンになるのだが、

17_003_2

今回、石田帽子の陳列されている商品を見て、感心した。

麦藁帽子が1点も無く、フェルトなどの布地を使い、冬物の帽子ばかりなのだ。布を帯状にしたものを、麦藁帽子を作るときの技術で作り上げていく。素材が変わっただけで、技術は同じだ。

手加減一つで、無限の形が生み出されていく!
15_016 左手で形を作りながら、右手で布の張りを調節する。見ているうちに、帽子の形が出来ていく。細かさにもよるのだろうが、一つの帽子が、10分くらいで作られていく。

最新のミシンは便利になっているが、弱に細かい手加減や微調整が取りにくいらしい。もう、何十年も使われている、使い慣れたこのミシンが一番良いそうだ。

15_015 絶えず、新しい商品開発をし、営業努力をし、季節にあった、客層にあった、展開をしていく。私の所に当てはまる事が、沢山あるはずである。

今回は帽子屋さんだけに、石田君に脱帽だ!



自分磨き    贈り物  竹バッグ  すべらない竹箸  名入れ箸  

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八女和紙 3

2009年12月12日 06時18分19秒 | 職人仲間

今日は和紙を作るまでの原料の話だ。

Cimg1344 これが和紙の原料となる楮(こうぞ)や三椏(みつまた)や雁皮(がんぴ)である。これも、下処理の状態で値段も随分違ってくる。10キロの原料から、おおよそ4割くらいの和紙が作れるくらいかな?

この原料を水につけ、煮込んだり、切り刻んだり、叩いたりして繊維を取り出して行くのだが、これも結構な設備がいる。

Cimg1345 直径が1.5メートルほどある大釜。


Cimg1354_2これは原液の中の原料を切り刻む機械の中身、

何と!  薙刀の箸が何本も風車のように回っているのだ。


Cimg1347_2これは、繊維を細かくするために臼で叩いてイク機械。

こんな機械を使って、原料を作っていく。

和紙を漉く直前に原料に混ぜる、「とろろ葵」の原料。Cimg1341これが和紙を作るうえで、非常に大きな意味を持っているそうだ。
和紙の原液に粘りをつけるのだが、乾くとさらさらしてベトつかない。
これは、なかなか科学的には作れないそうだ。

八女和紙の作り方を聞いているうちに、竹細工と非常に似た境遇にあることを知る。
伝統工芸品というのは、それに関わるさまざまな職種の人たちの技術の集大成であり、原料、道具、文化、生産技術、職人すべてが揃っていないと、成り立っていかない!

残念な事に、これだけ素晴らしい設備と技術を持った山口さんの所でも、ご本人の代で工房を閉めるそうだ。   んーん、何とかしたいね!

自分磨き  記念日 贈り物 オーダーメイド 名入れ箸 

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八女和紙 2

2009年12月11日 04時33分29秒 | 職人仲間

来春から販売する、「一閑貼り」に使う和紙の仕入れに遣って来たのだ。和紙の事はほとんど知らないので、山口さんにあれやこれやと質問ばかりしてしまった。

和紙は未だに、古い単位である「匁(もんめ)」と云う単位で呼ばれている。重さの単位だ。昔は子供の頃に太った人のことを「百貫でぶ」なんて言っていた事もあるが、尺貫法の呼び名である。

Cimg1326 「5匁の厚さの紙」とか「6匁の厚さ」と言っているが、100枚の重さを量って、その時の匁が紙の厚さを表す呼び名になっている。昔は天秤秤で重さを量っていたようだが、今は、ちゃんとグラムと匁が出る秤で量っていた。

質量単位の貫は1000に当たり、明治時代に 1貫 = 3.75キログラム(kg) と定義された。通貨単位の貫は1000、100に相当する。

Cimg1319 いろいろな種類の和紙があるが、私どもの作品に使いたい和紙を説明し、どれが適しているか判断して頂いた。

元々は、掛け軸などの表装に使う和紙が殆どであったそうだが、やはり、需要が減ってきて、色を付けた民芸紙などと呼ばれる和紙がく多くなってきたそうだ。

掛け軸に使う和紙には、少し石粉を混ぜるそうだ。何故。そんな物を混ぜるのか?と云うと、壁から出る湿気を石粉が吸ったり履いたりして、和紙に反りが出ないように調節してくれるそうだ。

ふつう、表装には肌裏・中裏・総裏と3種類の和紙を重ねていくそうだが、1枚貼っては自然乾燥し、次を貼る、また自然乾燥し3枚目を貼るそうだ、掛け軸の表装を頼むと、最低でも3ヶ月は掛かるのはこの性だ。一ヶ月で出来上がる遣り方もあるそうだが、それは、アイロンを掛けたり、簡易仕上げなので本当の意味での表装では無いそうだ。

楮(こうぞ)の生漉き(きすき)。これが原料が100% こうぞで漉かれた和紙である。

Cimg1339 和紙を漉いている工房を案内して頂いた。

山口さんの所では、三つの漉き船がある。和紙を漉く水槽の事を形が船に似ていることから、そう呼ぶそうだ。手際良く、熟練者の仕事ぶりは見ていて気持ちが良い。
一日中、この漉き船の前に立ち、和紙を漉いている。一日目一杯漉いて、300枚くらいを漉くそうだ。

この船に入れた分はその日の内に漉きこまなければ為らない。和紙の原液が多いうちはまだ良いのだが、だんだんと漉き上げ減ってくると、前屈みになってくると、腰に相当な負担が掛かってくる、我々、竹職人と同じように腰痛は職業病のようだ!

どの道具を見ても面白い!
Cimg1335
これは、和紙を漉く簀(す)。

 国産の真竹を極細の竹ひごに加工し,強靭な絹糸で等間隔に簾状に編み込んだもので,連日水の中で千回近くも揺り動かされる為,編み崩れない均一な強さが要求される。
 簀(す)は「薄くて丈夫で美しい」和紙の特色を生み出す重要な役割を担っている。

この
簀(す)自体も、非常に美しい。細く細く揃えられた竹ヒゴ、絹糸も普通の物より、1.5倍のよりを掛けた手作りの絹糸だそうだ。もう、これだけ細かい簀(す)を作れる職人さんも少なくなり、日本に数人しか居ないだろう?と云う。

Cimg1328 これは、
簀(す)を載せる枠である。この枠にも、長年培われたノウハウが凝縮されている。簀(す)を載せる所は、真ん中が微妙に湾曲し盛り上がっている。これは、漉く時に和紙の原料が載ったときにその重さで真ん中が沈み込まない様に、微妙に盛り上がっているそうだ。先人の知恵が少しずつ今の形を作っているのだ。

当然、
簀(す)も枠も高価な物になる。
これをいろいろな大きさに合わせて作っていくと
簀(す)だけでも20本、枠も20枚と云う感じになる。それだけで何百万の道具である。

今回は、ブログの記事と云うより、私自身が聞いていて面白くて、面白くて!

明日の記事まで つづく


自分磨き  記念日 贈り物 オーダーメイド 名入れ箸 

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八女和紙  1

2009年12月10日 06時46分09秒 | 職人仲間

昨日は、大分県日田市にある県の日田産業工芸試験場で行われた
「食器と玩具の塗膜と食品衛生法」のセミナーに参加してきた。私の家から、車で1時間ちょっとの所である。この試験場も、行政改革の一環として、同じ日田市にある林業試験場と統廃合され、今年一杯で無くなってしまう。

行政の天下り法人などの無駄はどんどん無くして頂きたいが、こういった中小企業を直接支援してくれている機関は、ちょんと予算を付けて残して貰いたい!
反対のことばかり遣っているのでは無いか?

1時間ほどの講義であったため、どうしても、当たり障りの無い、教科書をさらっと読むような講義になってしまった。最近、中身の濃い、ネットのセミナーに参加しているので、民間のセミナーと行政がするセミナーとの温度差を感じてしまう。

セミナー後、八女市でまで、足を伸ばし、八女和紙の工房を訪ねた。

八女と言えば、「八女茶」が有名である。八女地方は日中の気温が高く、夜間は冷え込む特有の内陸性気候と、年間1600mm~2400mmの降雨量が、風土的に茶の栽培に適していたとされる。

また、八女地方では「あまおう」ブランドに代表される苺や「巨峰」も有名である。

土壌の豊かさや複数の河川から良質な水の恵を受け、お茶も日本有数の高級茶産地として全国的に知られ ている。

とくに玉露の生産量は日本一(約45%)。平成17~20年度の全国茶品評会で4年連続の農林水産大臣賞を受賞している。特に19年度は、玉露の部の1位から26位までを独占し、他産地を圧倒した。

工芸品も盛んな地方で、

【経済産業大臣指定伝統的工芸品】
         ●八女福島仏壇  ●八女提灯  ●久留米絣

PhotoPhoto_2
         
         

【福岡県知事指定民・工芸品】
         ○八女石灯ろう   ○八女手すき和紙  ○八女和こま
         ○八女矢   ○八女竹細工  ○らんたい漆器      などがある

私が訪れたのは、市内にある山口 和紙工房である。

Cimg1338 丁重に対応してくれたのは、和紙職人であり、店主の山口俊二さん。

ご本人が、紙漉きをされるので、実にいろいろな事を教えて頂いた。大変興味深く、面白い内容なので、明日のブログで詳しく書こう!

自分磨き  記念日 贈り物 オーダーメイド 名入れ箸 

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新潟から

2009年11月05日 06時49分11秒 | 職人仲間

新潟・鎚起銅器の島倉さんから、美味しい新潟のお酒とベルトが届いた。「ベルト?」と思われる方がいるかも知れないが、そう、腰にするベルトである。
何故、ベルトなのか?と云うと、今年の6月に日本橋三越での職人展で一緒になった時、「試作品です」と、この新しい作品を見せて頂いた。

これは、三越での「勉強会仲間」で、お互いに切磋琢磨して励ましあっている中から生れてきた物だ。丹念に丹念に叩き出した銅のバックル、それに、皮細工をコラボさせた物である。

私の「オーダーメイドの竹かご屋」でも、いつも書いているのであるが、新しい物を作るときは、普段の慣れた物を作る時の3倍、5倍の労力がいる。まして、今回の様なベルトなど、実用の部分が大きい物は、使用頻度により、耐久性や強度、回りの物を傷つけ無いか?などなど、ある程度、使い込んで様子を見なくてはならない。

6月にモニターとして使わせて頂く事になった私は、少し太りかけていたので、暫く使っていたら、バックルの止め具が曲がってしまった。

回りの意見は「高江さんが太りすぎているからですよ!」と茶化させていたが、私のように太った人間が、ベルトを飾りで付けるのでなく、お腹の出っ張りを締め上げて使う人もいるのだ!いろんな人が使う事を想定して作らなけれ ばならないな。

Cimg0914
その、ベルトが止め具が強化され戻ってきた。早速、お礼の電話をすると、「金具を太く作り直しましたので、これで大丈夫と思いますが、もし、何かあったら言って下さい。また、やり直します。」と何処までも謙虚な島倉君である。

彼のホームページはこちらから。

私のお腹も、引っ込んで、昨年より1穴小さくなっていた。

自分磨き  記念日 贈り物 オーダーメイド 名入れ箸

このブログの応援をこめて、下のバナーを押して下さい!

にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイド作家へ
にほんブログ村  ワンクリックありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮崎の竹炭屋

2009年09月12日 05時57分05秒 | 職人仲間

今回の向かいのブースは宮崎の竹炭屋さんだ。この業者は私どもより後から、こういったデパート催事に出店する様になった比較的新しい会社だが、あっと云う間に全国のデパートに精力的に出店する様になった。

Cimg0397 宮崎県の山奥で、獣しか住めない様な山奥を切り開き、竹炭の工場を作った。そんな山奥に若者が沢山働く工場がある。会社でなく、農業生産法人として、(この会社で無い、と云う遣り方にも大変なノウハウがあるのだが!)

出店し始めの頃は「竹炭の石鹸」をメインに炭そのものや、高額品として竹炭の枕やマットを販売していた。ところが、今見てみると、従来からの商品はお店の半分程になり、新しく炭を使った化粧品だったり、ダイエット粒や竹炭うどんなど、何でもある。

Cimg0398 一時、化粧品を売るために、ホテルのベルボーイの様なチョッキ姿で販売させたり、(あまり、似合わないので、半年くらいでポシャッたが!)売るためにはありとあらゆる努力をするのは宮崎の県民性なのか?逞しい業者が多い!

私たち伝統工芸品とは違うので、どんどん進化して変わって行く、それが良いのか?悪いのか?一概には言えないが、同じ商品が未来永劫売れ続ける事など無いのだから、私たちも見習わなければ為らないな。

by 竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西山徳右ヱ門窯

2009年09月11日 05時35分25秒 | 職人仲間

今回私の隣のブースは佐賀県有田町の「西山徳右ヱ門窯」の西山君である。私の親友「福ちゃん」の後輩に当たる。

Cimg0403 黒天目の器が一番の特徴である。独自の調合による釉薬が窯の中で溶けて泡立ち、泡立ち具合が何とも言えない表情を醸し出す。この泡立ち加減を調節するのが、窯元の腕の見せ所である。時には、意に反して醜い模様が出たり、反対に天からの授かり物のような美しい模様を作り出す。

Cimg0404 西山君の一番の特徴は、ユダヤ人のような大きな尖った鼻だ。「イーグル貴」と陰では呼ばれている。宴会の裏芸で、鼻の穴に500円玉を入れることが出来る。
「500円玉を蓋のように入れるのか?」と思ったのだが、さすがにそれは出来なくて、500円玉を立てて入れるのだ。それでも凄い!

500円玉2枚は相当訓練しているが、まだ入らない。今の所、500円玉1枚と100円玉2枚が限界だと言っている。「700円の男」である。
彼が「1000円の男」になった時、彼の人生は新しいページを開いていくのだろう!

by 竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

越前竹人形

2009年08月29日 06時07分00秒 | 職人仲間

Cimg0315 水上勉の小説「越前竹人形」、悲恋の主人公も、この美しい素朴な人形の表情に魅せられたと言われている。作者の尾崎君も、人形と同じように素朴で几帳面な職人さんだ。

仕事ぶりや接客を見ていると、実に真面目である。道具は置く位置まで細かく決められており、長年使っているであろう鋏も汚れ一つ無く、ピカピカに手入れされ、彼の人柄を表している。

こんな真面目な職人を、横からチャカすのが、長崎鼈甲の岳野君だ。
「真面目そうに見せているだけで、本当はスケベなんだよな!」
「頭が大きくて、見た目はバラモン凧に似てるでしょ!」と岳野君に掛かったら形無しである。

Cimg0317 見ていると面白いもので、作品と作者と云うものは似ているのである。少しエラの張った意思の強そうな顔、大きな頭と無表情な顔が竹人形とダブってくるのである。

今回は、彼とお向かいで一日中向き合っている。私にとっては、真面目で実直な職人と写っている。

by 竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横浜高島屋 2

2009年06月09日 07時00分50秒 | 職人仲間

6月7日までが、髙島屋やのお客様特別販売期間で大変な賑わいがあったのだが、その反動で、月曜日は打って変わった様に静かな一日であった。私の回りの業者さんも、「今日はさっぱりですねー」と。

髙島屋の7階のエスカレーター付近では、一年中、何かかにか催しをしている。今回は、私の他に、津軽の下駄屋さん、長野の革屋さん、一番多いのが、陶芸の人が4人出ている。4人とも佐賀県の陶芸家ばかりである。

69_002 その中の一人、「中里さん」。彼とは、毎年この時期に髙島屋で一緒になる。年に一度の再会である。

手作り手書きに拘った染付けの器が身上である。どの器も、ちょっとづつ形や柄が違うので、きれいに積み重ねることが出来ない。この手作り感が、他所とは違うのだ。

69_005お客様に、栞を渡すのだが、買って頂いた器と同じような絵をその場で手書きして渡している。これが、お客様に取っては随分、印象に残るのだろう。

大量に作り、儲けてやろうと云う気持ちは毛頭無い。こじんまりと、自分の目の届く範囲で、大切に物作りし、お客様との関係を作っている。

68_008 久しぶりの再会を祝して、奥さんも一緒に乾杯した。

最近のこの厳しい情勢の中でも、「何処へ行っても昨年より売り上げが落ちることが無い」と言う。そんなに高額な器では無いのだが、地道な経営努力の賜物であろう。今も、もう直ぐ作家活動30周年に向けて、「こんな事をするのだ!」という、企業秘密まで教えていただいた。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モニター

2009年06月07日 04時04分47秒 | 職人仲間

新潟県の鎚起胴器の島倉君のところで、東京の手作り靴の杉浦君が、なにやらゴソゴソやっている。何をしているのだろう?と覗き込むと、新しいベルトが何本も出来上がっていた。

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20060709

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20080915

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20080705

65_001 これは、バックルを島倉君が作り、ベルトの部分を杉浦君の革の同業者に頼んで作った試作品であった。金型で鋳抜いた物でなく、一つ一つを島倉君が打ち出した胴のバックルである。落ち着いた光沢と、野趣溢れた質感。これは、新しいヒット商品になるかも?

私は何にもしていないのだが、島倉君が「高江さん、一つ気に入ったものがあったら、モニターとして使ってくれませんか?」と言う。何と、謙虚な申し出でしょう!

65_004それで選んだのは、このベルト!   

 如何です、素敵でしょう。

ただ、難点が一つ。最近太り始めた、私には気持ち短めである。よーし、これを機会にもう一度、今年のダイエットを始めますか!

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

細野帆布

2009年05月30日 06時19分00秒 | 職人仲間

524_012 今回、ホテルが同じという事もあり、帆布の細野君と一緒に食事をとる機会が多かった。細野君は大学を卒業後、靴屋で有名な「ABCマート」に5年ほど勤めていた。

入社当時、20店舗くらいの規模であったが、会長の凄まじいリーダーシップで、上場を果たし、全国に多店舗展開を果たした。5年後に退職する時には200店舗以上に広がっていたそうだ。

そういった躍進する企業の現場にいた事は随分と勉強になったそうだ。今は家業の帆布の四代目。それまで製造卸が主だったのを、彼が帰ってきたことで、催事などの出店ができる様になった。自分の身の丈に合った経営を模索している所である。私も靴屋の杉浦君とも、同じ零細企業の悩みを抱えつつ話をするのだ。

そして、大の「てっちゃん」である。「てっちゃん」と言っても「ホルモンが好き」という事ではない「鉄道マニア」のてっちゃんである。走っている電車を見ると「アッ、あれは103系なんですよ!あれは30年以上前から走ってます。あの形が良いですよネ」と同意を求められるが、

私が見るとどの電車も真四角で殆ど違いが無いように見えるのだが?電車の話をし出したら止まらない。「しまった、聞かなければ良かった!」と思うのだ。

先日は、私の長男クルムがアルバイトをしているビアレストランに付き合ってもらった。何時さそっても、二つ返事で付き合ってくれるのだ。大阪でも有名なビアレストランで国内外のいろんなビールが楽しめる。

524_006 最初に頼んだのが、ヒューガルテン。残念ながら生サーバーからでは無かったが、フルティーな味わいが喉を潤してくれる。摘みに「オニオンブルーム」。カリフラワーくらいの大きさで、放射線状に切った玉葱をフライにしたものだ。

彼の所も子供が二人、奥さんの事や子供の事で話に花が咲く。これからもお付き合い宜しくお願いしますネ。

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

似顔切り絵

2009年05月24日 06時56分00秒 | 職人仲間

524_001 似顔絵を書く人は多いが、切り絵にする人は珍しい。見てみるとまだ若い女の子だ。お客さんと話しながらチョキチョキチョキと切り刻んでいく。切り絵なので一発勝負である。アレッと思って手が滑ったなどとは言えない。

似顔絵のように特徴をデフォルメする訳にはいかない様で、見たままを素直に鋏に伝えている。ものすごく似ているとは思わないが、全体の雰囲気を捕らえている。初めて見る人を、その場で10分ほどで切っていくのである。これは切り絵の修練というよりは、彼女の才能による所が大きいのだろう。

524_003お客様がひと段落した時、私も切ってもらった。今の私より10年くらい若い顔になっている様だが?

「干支は何ですか?」と聞くので

「羊です」と答えたら、頭の所に羊を切り入れてくれた。これは彼女のサービス精神なのだろう。

彼女の技術は、もっと磨きこんで行けば、世界に通用する面白い芸になると思う。紙と鋏さえあれば、世界の何処へでも行けるなんて素敵な事だね!

竹工房オンセ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勿体ない!

2009年05月19日 02時14分02秒 | 職人仲間

珍しく会場に名物のお爺ちゃんがいる。80歳を過ぎて尚現役、第一線に立つ小森草木染工房の会長である。会長は会場のマスコット的な存在で、いつも、ふわふわふわと会場内をあっちへ行っては一言、こっちへ来ては一言、しかし、会長が立ち寄った後には、みんなの顔に笑顔が残っている。

518_001 今日は会場をウロウロせず、一生懸命、内職をしている。帯締めの切れ端を管につめて、携帯のストラップを作っている。1個、525円。年商数億円も商いする会長が、一つ525円のストラップをこつこつと作っている。

「何でも、捨てるのは勿体ないからナ!」

「人に頼めば人件費が掛かるけど、自分で作ればタダや!」

この小さな事からコツコツと、その積み重ねが「小森の帯屋」として、全国に名を轟かせる会社に成長させたのだろう。小森の会長については以前、詳しくブログに載せたことがある。

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20060907

竹工房オンセ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

職人仲間 番外編

2009年05月18日 05時56分45秒 | 職人仲間

今回は職人では無いが、企画会社の社員を紹介しよう。「オープン・ザ・フィールド」この会社名は、社長が平野さん。この平野を英語に訳したのが「オープン・ザ・フィールド」。読んだままである。元々、駄洒落の好きな社長が付けそうな名前である。

515_008 そこの社員の神田君。見るからに軽いノリの男である。関西人らしく、いつもしょうも無いギャグを考えている。O型で、丑年、獅子座だそうだ。私は、B型で、鼠年、狐座かと?思っていたが!

彼は今の職に付く前は、乾電池の営業販売から、不動産屋の営業、補聴器の営業などと、販売の最前線を歩いてきた。1個10円の乾電池から、4000万円の家まで売ってきたそうだ。飛び込み営業で、若い神田君が何千万円もする家を売るのは大変だったろうと思う。

そこで彼に「売れたの?」と聞いてみた。すると、思いもしない薀蓄のある言葉を吐くではないか!

「売ろうと思ったら、売れません。」「お客さんは欲しいと思ったら買うんです!」実に短い言葉であるが、考えさせられる言葉であった。

竹工房オンセ

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする