(集英社文庫)
元防衛庁(現防衛省)、情報アナリストの著者の渾身の作品。慢性的な食料不足に苦しむ国民が多く暮らす朝鮮民主主義人民共和国。食糧援助は各国からなされてきたが、独裁体制が変わらぬ限り、この食料不足、飢えの問題は解決されそうにない。
強く感じたのは、同時代をいきながらも飢餓で死ぬ、あるいは苦しむ人々がこの世界には多く存在するわけだから、毎日食べ物を口に出来ること、それ自体が幸福なこと。そう意識していれば食べ物を粗末にするようなことはないので、生きている限りこういう認識をもっていたい。