・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小説の何が面白いか。風景描写ではなく、人間の感情のやり取りであるダイアログがいいものは、どれも面白いことに気づいた。
たけしが監督した映画でセリフがない映画(確かサーフィンの映画だった)があったが、これは映像で正解。
この本では、手紙がキーになっているけれど、この手紙の内容もダイアログではないがそこからそれておらず、感情の流れがあってとても興味深い。
きっと本当に大切なことは言葉では出しづらい、または伝えづらい(わりづらい)というのをどこかで知っているからだろう。または、思いを表現したその瞬間に消えてしまう言葉より、残るまたは振り返れるから書くのかもしれない。また、存在の証として世に残したいという気持ちからもかくのかな。最初にダイアログが面白いって書いておきながら矛盾しているか??
さらに著者は、男なのに女性の気持ちを(主人公は女性)見事に表現している、ように思う。
人生とは、選択の連続である。選択の連続的な結果が運命である。良くも悪くも運命である。だが、運命が先にきてはいないことに注目して欲しい。選択が先だ。そう、運命とは選択の結果である。人は「運命に身を委ねよう」、という言い方をする。しかし、それは、言い換えれば、「自分の選択の結果」に身を委ねただけだ。したがって、運命だろうがなんだろうが、その結果を引き受けるのは、当然自分である。であるならば、自らの意思で道を選択し、運命に委ねるのではなく、運命に抗おう。選択し続けよう。そう思えば、運命なんて、恐れる対象ではない。なぜなら自分で選択した結果なのだから。