ネタバレ
多重人格と憑物と共同体と富と収穫。収穫が富だった時代は、文字通り共同体、運命共同体だったが、貨幣が流通するようになると、富に格差が生まれた。
というような部分は、見事なロジックだった。人間の都合の良いように祟りだとか神話が一部の人間に有利なように作られて、噂となって広がってその犠牲になった人は、きっとこの世にたくさんいるんだろうなと感じた。
こういった共同体についての説明が憑き物の説明とセットで何度か出てくるが、著者が真剣に伝えたい部分なのではないか。
初めて京極氏の本を読んだのだが、興味深い本だった。