「いったい誰に詫びればいいんだ?」
わび状を書けば、本社に戻すと迫られる恩地。
組合のためだけでなく、会社のためとも思って、組合委員長としてやってきた恩地。
だが、なかなかそのことを理解されないため、苦悩する。
海外僻地へ放り込まれながらも会社を辞めずに、自分のしていることを正しいと信じ、自分には嘘をつかず、貫きとおす。
会社って何なんだ。自問自答する。
自分の信ずる正義を貫いているはずだが、時にそのことが家族にも影響をおよぼす。
おそらく多くの人は、やりたいことが見つからないまま年を重ねる、または見つからないまま・・。
やりたいことと今あるすべきこととは現実にはなかなか結びつかない。
やりたいことができないならば、正しいことをやりたいと思う。
そういう視点からすると恩地の生き方は、誰もが望む生き方でもあるように思える。
だが、この映画でわかるように正しいことを貫きとおすことは決して楽ではない。
しかし、人生に意味を少しでも見出そうとするならば、正しいと思ったことをして生きたい。
再認識させられた。
長編だが、映画を観て再読したいと思った。