著者名 :横山秀夫
書籍名 :真相
出版社 :双葉文庫
発刊日 :2008年7月 第15刷(2006年10月20日1刷) 単行本は2003年刊
価 格 :600円プラス税 p341
ジャンル:小説・ミステリーサスペンス
読了日 :2019年1月19日。
構 成 :以下5話の短編集。書籍タイトル通り、貫かれているのは、表面事象の裏にある“真相”。
真相、
18番ホール、
不眠、
花輪の海、
他人の家。
経 歴 :1957年東京生まれ、東京都立向丘高校、国際商科大学(現東京国際大学)商学部卒業。大学時代躰道部所属。上毛新聞記者。記者としてのキャリアが終わりに近づいたころ、小説を書き始め、短編集『ルパンの消息』が佳作に。4歳で結婚しており、家には幼い子供が2人いた。そのため、彼は引越業者や警備会社でアルバイトをこなし、空いた時間に執筆をした。『影の季節』に7年を要したが、松本清張賞を受賞。それからが躍進の時。ワンルームアパートで1日20時間以上執筆したという。覚醒し続けるために栄養ドリンクを飲み、仮眠が必要になったら睡眠薬を飲んだという。5年で4冊を刊行。
91年『ルパンの消息』がサントリーミステリー大賞佳作。小説家、推理作家の道を歩む。
98年『影の季節』で第5回松本清張賞受賞。
2000年『動機』で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
他に『半落ち』、『クライマーズ・ハイ』、『出口のない海』、『震度0』などがある。
個人的には横山氏作品は『クライマーズ・ハイ』に続き、2冊目。2002年『半落ち』で直木賞候補になるが、選考委員の北方謙三氏が小説内の重要要素を関係機関に問い合わせたが、「現実にはあり得ない」という回答を得て、現実味にかけるとのことで落選。各種ランキングでは1位を獲得。ただし、それに対し今度は林真理子が欠陥に気づかず賞を与えた業界も悪いとミステリー業界やさらには読者まで批判。それに対して、横山氏がキレて、「ミステリー作家たちだけではなく読者まで侮辱された」と直木賞と訣別宣言。横山は、独自に再調査し、設定の上で事実の誤認はなかったと確信、直木賞主催の日本文学振興会に事実検証を求めたが、回答がないまま『オール讀物』の選評で「作者誤認」が修正されないまま掲載され、「権威の持つ奢り」を主催者に感じ、訣別宣言。2003年心臓発作で体調を崩す。2012年『64』がベストセラーに。2017年アメリカで『64』が刊行され、反響を呼ぶ。
ひとの業の深さが描かれている。本は凄い。小説は凄い。この本は暗い(笑)。自分もこの本の主人公のように落ちていく可能性はあるのだ、そんな恐怖を少し、いや結構感じながら読んだ。
不注意で車で人を轢いてしまった。素直に自首できず、それを隠す。そして隠し続けるために嘘を重ねる。さらに隠し事が増える。段々、自分に嫌気がさしていく。自分が誤解した故に、他人を不幸にしてしまう。その誤解を知っても自分・家族への影響を考えると撤回できない等。
素直に自首できず→自首していたら主人公の人生も変わっていただろうか?
https://courrier.jp/news/archives/85306/
↑こちらのインタビュー記事は面白いです。