元防衛庁の情報分析官という肩書きを持つ著者。この人の作品は確か5作品目。
はずれが全く無い。
目次
プロローグ
ROMES01 監視
ROMES02 探索
ROMES03 追跡
ROMES04 警告
ROMES05 防衛
ROMES06
エピローグ
p392
「何しろ、毎日あんたと顔を突き合わせている連中でさえ、あんたという人間が分かっちゃいないんだからな」
「みんな同じだよ。誰もが腹に一物抱えて生きているが、それを表に出さないだけだ。出すには勇気と犠牲がいるからな」
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さらに
森博嗣『四季 秋』(講談社文庫)を読む。こちらも人間に対する洞察力が非常に鋭い。
とっくに個人レベルでは、もちろん人によりさえするが国境なんて越えているし、なくなっている。思考、思想こそもっとも自由なもの。行動では僅かしかそれを表現できない。アーティストは少しでも思考の多くを表現しようと抽象化した。だが受け取る側に多様性があったためにいろいろな形で受けとらられてしまう。
そう、「理解に必要な最小限の条件とは、理解しようとする意志、そして決意(p189)」であり、またそれがあると感じるならば、誠意を持って対応するべきだ。
まったくそのとおりだ。