自己と他者 

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語録2 森博嗣『ヴォイド・シェイパ』

2014-05-11 22:30:27 | 語録

「私は父も母も知らない。どこでいつ生まれたのか、聞いておりません」

「そりゃ、ひでえ」ササゴマが顔をしかめる。

「酷いということはない」カガンが首をふった。

「人間、何があるかといえば、これ我一人。ほかは、何もないものと同じ。余計なものがあるほど、むしろ重くなる」

「重くなる?」ササゴマが首を傾げる。

「身が重くなるように、心も重くなる、ということ」

「重いと、ダメなのか?」

「いいや、そうとばかりは言えん。重ければ、風に飛ばされない。押されても動かない、つまり安定してはいるかな」


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