硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

人がこしらえた正しさは、変わってゆくものである。

2021-02-24 21:47:04 | 日記
学生時代に、生まれ持った毛髪を高等学校の校則によって否定され、不利益を被ったその是非を司法に問うたというニュースを観た。

1980年代の教育現場を体感していれば、確かに校則を緩めてしまうと、当時の荒れた状態に戻ってしまうのではないかという懸念があるのかもしれないが、積み木を崩し、校則を破らなければならなかったのは、全体主義や家父長制や封建制という思想を、否としたことが動機である。
当時、現場にいた教員の方々は本当に大変だったと思うが、しかし、逆説的に、校則を破り、風紀を乱していた少年少女たちの手によって、世の中はゆるやかに変化していったのではないかと思う。

そして、現在では、当時に比べ、個性が尊重され、未成年者の犯罪は減少し、海外の人達が、豊かさを求め、自由を求め、自主的に、日本に移住し生活基盤を築き、国境を超えた結婚によって、ミックスも増し、両親と移住してきた児童たちは原語の壁を超えて日本で生活してゆこうとしている。
もちろん、日本という国にいるのだから、日本のルールを厳守してもらうという思想には理解できるけれども、ジェンダー問題が国会でも取り上げられるようになり、移民を労働力として受け入れ、他の民族と共に共存してゆこうと、国が舵を切っている現在において、家父長制や封建制、全体主義的がまだ濃厚であった學校創立時の校則は、そぐわなくなってきてるのではないかと思う。

そして、その息苦しさを痛感した優秀な若者たちが、日本という国を見限ってゆくという事象も仕方のない事なのではないかと思う。

国会での議論を聴いていても、世代間のギャップを感じることがしばしばみられるのは、人がこしらえた正しさは、変わってゆくものであり、時間は未来へと進んでいて、人は生まれ、成長し、利益を得、快楽を享受し、利便性を向上させたいという欲望を抱きながら、死に向かって歩んでいることは変わりないという証明だといえなくはないであろうか。
だとすれば、人の命にかかわるような普遍的な思想以外のルールを未来に向けて見直さなければならない時に差し掛かっているのではと思うのですが、実際問題、しがらみが多すぎて大変困難な事なんだろうとも思う。

未来のナースのつぶやき。

2021-02-21 20:44:23 | 日記
看護師になり5か月が過ぎた。医療現場は実習とは違って、不規則なシフトと予期せぬ出来事の連続に、気力、体力が削られて「なんでナースになろうと思ったんだろ」と、弱音を吐いてしまう時もある。
でも、担当になった患者さんから、「ありがとう」という言葉をもらえると、また頑張ろうという気持ちが復活する。
それでも、医療現場は、特に私の勤めている病棟は常に死が身近にあるから、打ち解けて来たかなと思えてきた患者さんが突然亡くなると、とても落ち込んでしまう。
そんな時、先輩から「あなたはあなたなりに十分にベストを尽くしてきたんだから、悔いを残しては駄目」と、励ましのアドバイスをもらえた事は、すごくうれしくて心強かった。
今はまだ弱くなる気持ちの方が多いけれど、それがきっかけで、早く先輩みたいになりたいという気持ちも芽生えてきた。
職場に出勤し、更衣室でナース服に着替える。それだけで、ふわふわしていた心にスイッチが入って、戦隊ヒーローが変身するように私もナースに変身する。さぁ、今日も頑張ろう。

「おはようございます! お疲れ様です! 」

気を入れて挨拶をすると、カルテをつけていた杉本先輩は手を止めて、

「おはよう、白上。今日も元気ね。」

と、爽やかにあいさつを返してくれた。働き出してからすごく感じるのは、挨拶ってほんとに大切だと思う事だ。それは、なぜか、挨拶が返ってこなかった日があって、その日一日、心と身体がずんと重くって、仕事に身が入らなくなるという経験をしたからだ。だから私は仕事は未熟だけれど、挨拶はシッカリとしてゆこうと心に決めているのだ。

「いきなりだけど、担当だった305号室の佐々木さん。夕べ、お亡くなりになったわよ。」
「えっ。昨日の夕方まで、バイタルにも変化見られなかったし・・・・。」
「また、落ち込む。駄目よ、そのままの気持ちを引っ張ってちゃ。医療科学は神様じゃないのよ。天命を全うした方には笑顔で送ってあげなくてはね。」
「すいません。」
「まぁ、でも、慣れすぎるってゆうのも問題アリだけどね。けど、他の患者さんに、私、落ち込んでますって言う気持ちを悟られたら、自分の事なのかと勘違いされる患者さんも中に入るから十分に気を付けてね。」
「はい。気を付けます。」

「でもねぇ。」

杉本先輩は次期婦長候補で、とても仕事のできる人で、ドクターとナースの間を取り持ったり、私達の悩み事相談にも乗ってくれる、人望の厚い、男性なら彼氏にしたい人である。

その杉本先輩が、左手に持っていたペンの頭の部分を顎に付けてなにかを話すときは、先輩独特の想いを話すサインだ。

「どうしました。杉本先輩」

「いやね。看護師を30年やってきたけど、この5年くらいかなぁ。60歳前後の人が癌で亡くなるケースが増えたわ」
「あっ、たしか、305号室の佐々木さんも・・・。」
「でしょ。偶然かもしれないけど、統計を取ったら、人の寿命が短くなってるかもしれないわね」
「そうなんですか? 」
「私の思い過ごしかも知れないけれど、私がナースになってから、2~3年後くらいかなぁ。たしか、2022年位から、癌で亡くなる人が以前より増したように思うのよ。たしか、後期高齢者の人も、元々の疾患が悪化して亡くなった人が増えたという印象があるなぁ。後期高齢者になると、癌細胞って進行もゆっくりになるはずなんだけど、むしろ、癌細胞は変異していて、がん抑制遺伝子の減少がみられるって、癌を研究しているドクターが言ってたなぁ。」
「へぇ~。そうなんですね。そういえば、2022年といえば、たしか、コロナウィルスの終息宣言がなされた年って授業で習った気がします」
「ああっ。そうね。そんなこともあったわね。そうかぁ、もう歴史で学ぶのねぇ、私も歳をとるはずだわぁ。けれど、あの時は、大変だったなぁ」
「授業でも、先生からその話を聞きました。国も医療現場も手探り状態で進めていったって。」
「そうそう。私なんか、ようやく慣れてきたときだったから、毎日何もできなくて、今のあなたのように落ちこんでばかりいたわ」
「先輩にもそんなときあったんですねぇ。なんか、ほっとしちゃいました」
「そりゃそうよ。誰でも、最初はある。そこから、どう進んでゆくかはその人の意志。幸いにして私には信じるものがあったから、ここまで進んでこられたのよ。」
「逆に、それが、すごいって思います。尊敬します。」
「そっ、そう? ありがとう」

そう言うと杉本先輩は少し顔を赤らめて微笑んだ。

「さぁ、カルテ書き終えなきゃ」

再びカルテに向かうと、私と同じシフトの一つ上の重野先輩が、ナースステーションに入ってきた。

「お疲れ様でぇ~す。」

「お疲れ様です」

「皆ッ! 知ってる? 速報よ」

「なになに」

重野先輩は情報番組が大好きで、いつも、テレビやネットの自分がテンションが上がった話題を、真っ先に話してくれる。重野先輩の話を聞いていれば、その時のトレンドを知ることが出来て、不規則なナースの仕事をしていても時代に乗り遅れる事はない。

「今日の世界陸上の男子百メートル走の結果! 」

「ああっ、世界陸上やってたわね。重野は相変わらず好きねぇ」

「でね。でね。なんと! ついに、7秒台が出ましたぁ」

「7秒!! 」

私と杉本先輩の驚きは、思わずハモってしまうほどだった。

「そうなのよ。時速51キロだって。私の運転する車より早く走るなんて超人だと思わない!しかもかっこいいし! 」

「すごいですねぇ」

私はその話しに、ただただ驚いていたけれど、杉本先輩はまた、ペンの頭を顎に付けて不思議な事を話しだした。

「すごいと思うけど、人の身体を看る仕事をしてるとね、今時のアスリートの身体の進化は、一昔前に比べると速すぎるように思うのよ。」

「それは、どういうことなんですか? 」

「これも、私の思い過ごしかも知れないんだけれど、骨格とか筋肉の付き方とかをつぶさに見るとね、なんか、違和感があるのよ。」

すると重野先輩は、感心なさそうに「そうなんですかぁ」と言うと、杉本先輩は、

「う~ん。なんだろうね・・・。そういえば、この間、救急外来の同僚と話をしたんだけどね、ここ数年、事件や事故で運ばれてくる人がすごく減って、逆に、10代後半の子供たちが、脳血管疾患や循環器疾患で突然死するケースが増えてるって言ってたわ。もしかして、急速な進化と何か関係があるのかしら。でも、本当に関係があったら何か気持ち悪いわね」

と、少し眉間に皺を寄せて、話をし終えると、重野先輩は空いていた椅子に座り、にやにやしながらタブレットペンやデジタル聴診器を机の上に置いて、

「杉本さんは、いつも考えすぎですよぉ。もし、関係があったとしたら、まるで、誰かの手によって、選別されてるみたいじゃないですか。SF映画の見過ぎですよぉ。」

と、さらりと言った。すると、杉本先輩は、ハッと我に返って、

「ほんと、ほんと、そうよね。いくら映画が好きだからって、現実と混同させちゃあねぇ。いけない、いけない。さぁ、このカルテを書き終えたら申し送りします。それまで、担当の方のケース記録に目を通しておいてください」

「はいっ!」

その話しはそこで終わったけれど、あの姿勢をとった時の杉本先輩の話は、後々響いてくることが多い。
私は、2022年には生まれていないから、当時の事は分からないけれど、ネットに繋がれば、ありとあらゆる情報を集められたはず。
それなのに、杉本先輩の話からすると、なんだか、コロナパンデミックという歴史的事実の中には知り得ないことの方が多かったのかもと思った。

恋物語 4

2021-02-19 21:14:15 | 小説
大した決断じゃない。違う違う。でも、もしかしたら、私の人生、変わっちゃうかもしれない。そうじゃなくて、なんで、迷ってるの私。

ベットの上に寝転がり、意味なくスマホの画面をじっと見る。我が気持ち楽にならず。
こういう時は、真島きららに相談するのがベストかもしれない。
恋バナの相談と言えば、きららと言われる位、彼女の口は堅い。だから、皆からも一目置かれている。話しやすいキャラなのかもしれないけれど、あの大きな瞳でじっと見つめられるから、心を許しちゃうのかも。
それに、誰もがかわいいと思うのに、男子の話は一切出てこないから、安心して恋バナできるのかもって思う。

「やっぱり、そうだんにのってもらうか」

きららのプロフィール画面が、映画「ミッション・インポッシブル」であることもウケるけど、今はそこじゃない。

「いまなにしてる?」と、入力して、しばらく待つ。1分もたたずに返信が来る。
「ねころんでたw」
「相談ある」
「綾乃のお願いなら、断れないな」
「ありがとう。圭介先輩のことなんだけど」
「まだ、片思いなの」
「まあねぇw」
「で、何が知りたいの」
「圭介先輩の、彼女がいる件」
「ww 相変わらず」
「笑い事じゃないよぉ。(涙)」
「ごめん。いないのは確かだよ」
「ホント(笑顔)」
「確かな情報だ。なんだ、告白するのか」
「う~ん」
「wwwそんなんじゃ、一生片思い」
「それがね、川島君から告白されて悩み中」
「川島って、川島健吾!? 」
「どう思う? 」

そう返信すると、しばらく返信が来なくなった。きらら考えてくれてるのかな。
携帯を手放して白い天井を見つめる。何か嫌な予感がする。

ピロッ。

着信音が鳴る。携帯を掴んで画面を開く。

「川島君、いいよね。私、好きなんだ」

思わず口元を抑える。意外だった。男子からも人気のあるきららが、目だたない地味な川島君の事が好きだなんて。しかも、一番相談してはいけない相手だっただなんて。
悩みが増えただけじゃないか。私のばか。
ここは、慎重に返事をしなければいけない。川島君の事は濁しておこう。

「圭介先輩に告白してみるよ」

「じゃぁ、川島君のことはどうするの」

うっ。これはヤバい。追跡されている。こんな時どうすればいいの。そうだ。大胆に逃げるしかない。そうやって、イーサン・ハントは何度も絶体絶命のピンチを切り抜けて来たじゃない。

「わからない」
「わからないってどういうこと」
「わからないからわからない」
「だから、どうするの」

追跡者は、私をターゲットスコープに捉えた。もう、絶体絶命。たすけてイーサン。
頭の中では、「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲がグルグル回っている。

そうだ!ひらめいた。もうこれしかない。

「圭介先輩に告白する。きららは川島君に告白する。そうしよう」

送信すると、既読は付くけど返事が返ってこない。きららもビビってる。この一撃は手ごたえありだ。

「わかった。私も決めた。お互いに告白して、結果を報告しよう」

その文章は、私の逃げ道を完全に消し去った。そして、どちらにしても、誰かが傷付く事を前提にしか前に進めなくなった。
そういえば、女の友情はサランラップより薄いと誰かが言ってたっけ。
心が痛むけど、誤魔化した所でどうにもならない。

最後のジャンプだ。思い切って跳び込め。と、自分を押す。

「わかった。どんな結果になっても恨みっこなしだよ」
「もちろん」
「ありがとう。心強いよ」
「私もだ」

私達は、励ましのスタンプを送りあった。これでいい。さぁ、決戦は明日だ。
お風呂に入って、気合いを入れよう。

私は、ベッドから勢いよく起き上がって、お風呂場へ直行した。



それはヘンだよ。NHKさん。

2021-02-13 21:33:20 | 日記
今年の2月の最初の週の出来事である。仕事場に行くと「本田技研が休みになった」という話を聞いた。最初は何のことだか分からなかったが、話を聞いてゆくと「半導体が足りなくなったから」だという。

しばらくして、NHKの時論公論という番組で「半導体が足らない!問われる日本の戦略」というテーマを取り上げていたので、何かヒントがあるのではと思い、夜遅いので録画して観てみた。

最初に述べておくけれど、NHKさんの番組は視聴する方である。報道の偏りとか、情報操作とか、プロパガンダなどというものは、気に留めないようにしている。
それは、其れ以上に、理屈抜きに楽しかったり、心を揺さぶられたり、好奇心を掻き立てられたりする番組もあるからである。

しかし、このテーマの持論公論は、身近で起こった事象だけに、引っ掛かった。

解説では、半導体が不足に陥った背景は、注文を減らした事によるものと、半導体を巡る米中の主権争いなどが要因になっているとあったが、素人からすれば、なぜ? となる。

それは、「注文を減らした」のなら、そのメーカーは何処で、なぜ、増産をお願いしないのか、もしくはできないのか、という点が抜け落ちているのからである。
製造業に携わっている人なら、誰もが気づく疑問ではないかと思う。

そして、日本の半導体技術は一時期、トップクラスだったはずだから、国が国益を重んじているのであれば、デジタル化を進めてゆきたいのであれば、半導体メーカーが世界のトップクラスに返り咲けるように、整備するべきではないかと思う。

しかし、日本経済の主力である自動車産業が生産を止めてしまうほどに問題があるのに、政府が研究費を出し渋っている理由が分からない。そこの解説も抜け落ちている。

そして、いきなり台湾企業のTSMCの国内誘致、共同開発を進めている事です。

いやいや。日本にも「ルネサスエレクトロニクス」という企業あるでしょう。

安定した供給を望むのなら、なぜ、オールジャパンで行かないの? NHKさんなら、なぜ日本の企業を応援しないのと、問いたいのである。

ヘンじゃないですか、NHKさん。

流転してゆく。

2021-02-12 09:56:09 | 日記
森さんが辞任された。擁護されていた人たちは沈黙し、IOCの対応も風向きが変わった。
この顛末を知って、世の中は少しづつ良い方向へ進んでいるんだなと思った。

SNSは世界と繋がっていて、声を上げやすく、時間を掛けず多くの人と共感しやすくなった。其の反面、貨幣の力というものは、権力よりも強いものなのかなとも思った。

スポンサーは売上があってこそ、スポンサーになりうる。市場が、世界であれば、企業のイメージというものは、内需拡大を謳っていた頃よりも、大きなファクターになっている。
しかし、貨幣価値が、この先も永遠に変わらない保証はどこにもない。

その事象は、価値観は、常に流転しているという証明である。

つまり、世界の動向がどうなっていて、自身の考え方や価値観が時節に合致しているかを客観視できないと、時代錯誤が生じてしまう原因になりうる。政治に関わっている人ならなおさらである。

軍国主義という思想を個人個人が残したまま、軍国主義から無理やり脱却し、よく分からないデモクラシーを米国から推し進められ、昭和という時代を猪突猛進に生きてきた人たちにとって、SNSの登場、それが持つ力というものは、青天の霹靂だったのかもしれない。

そして、こういった出来事によって、いつの世も、「諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」という思想が普遍である事を知らされるのである。

時代錯誤な発言だけれど。

2021-02-08 09:58:41 | 日記
世の中は、森さんの発言には女性蔑視という感情が含まれているのではないかという論調。

森さんは、ご自身が体験から、素直に言葉にされたようであるが、謝罪会見では、記者からの質問に対し、少し苛立ち、自身の事を「老害」と揶揄されてしまっていた。

僕個人が感じた事は、森さんがとられた対応も問題があったが、切り取った報道を拡散したり、そういう言葉を引き出してしまったメディア側にも問題があるのではという思いが残った。

それはさておき、

会議を有意義なものとするには、会議に集まった人が、発言を活発に行い、皆が、あらゆる意見に耳を傾け、そこから良い点、悪い点を抽出し、止揚点を模索しなければならないと思う。

力関係で忖度したり、トップダウン型で進めてきた人たちには、実に、まどろっこしい手続きであるけれど、女性を対象として「まどろっこしいんだよなぁ」と公に発言してしまったから、世の中は女性蔑視と捉えたのだと思うが、この問題の根本にあるのは、性差の問題ではなく会議に出席する人たちの「ディベートの捉え方」にあるのだと思う。

そう考えるならば、この問題を「誰が悪い」「排除すればいい」という捉え方をしてしまっては、それこそ、止揚は目指せない。

古い慣習ままでは、同じような問題が繰り返されてしまうであろうし、古い慣習の中の良いものを発見せねば、進化とは言えないであろうし、その上で、新しいものを取り入れながら成長させていかねばならないのであれば、そこには、男女という性差には関係がない。

そして、女性蔑視という言葉は、ジェンダー問題を示している以上、思想の問題でもある。
それなのに、政治や経済、メディアの場で、人文学や哲学が軽んじられていては、問題解決にはまだまだ時間を要するように思う。



改正特措法と私達の未来。

2021-02-04 12:29:23 | 日記
改正コロナ特措法が成立された。
大変な時節であるから、法をもってコロナウィルスの拡大を抑制してゆこうというのは分かるけれども、なんだかもやもやします。

全ての人達に、平等に、抑制したいなら、ロックダウンが妥当だと思うけれども、それをしない、もしくはできない理由があるとするならば、ウィルスの感染拡大を抑制する事よりも、誰かに不利益が生じる事を避けたいからと忖度したとも思えてしまう。

もしくは、規制範囲をおぼろげにして、緩やかに感染者を増やし、自然に集団免疫を獲得しようというねらいがあるのかとも考えられるけれど、相手がウィルスだけに対策が後手に回るのは仕方がない事であるし、決定的な手の打ちようがないのだろうとも思う。

話しは少しそれるけれど、新聞記事に「事件・事故」という欄があり、なぜかいつも目を通してしまうのですが、その記事の中に、「酒気帯び運転」という言葉を頻繁に見ることが出来ます。
飲酒運転は法で禁止されています。それは、運転免許所を所持している人なら、誰もが知っている事です。
でも、事件事故の欄から「酒気帯び運転」という文字が消える事はありません。
なぜでしょう。

それは、おそらく、一部の人には、欲望を充足させる事は、法を守り、おもんぱかるより、自己を満足させるからだろう考えます。

他者に配慮する事が、ウィルスの拡大を防ぐ手立てであるはずなのだから、そこが欠如してしまっている人が存在している以上、法を設けても、「酒気帯び運転」がなくならない状態と変わらないのではないかと推測してしまいます。

話を戻しまして、

コロナウィルス感染者が拡大した時、「これはウィルスとの戦争」と例えた方がいらっしゃったけれど、もしこの事象が戦争であるとしたら、戦争を終結する為には、多くの犠牲が必要となります。

そう考えると、悲しい事だけれども、先の戦争での戦禍を乗り越えてきた人たちと同じように、この事実を乗り越えていくことが、現在、私達が豊かな社会の恩恵を受けていられるのと同じように、未来の人達の社会につながってゆくのだろうと思います。