最近、「それってあなたの感想ですよね」というフレーズに対して述べている二人の文章を目にした。
偶然というべきか、必然と言うべきなのか、そのお二人の思想は僕が物事を考える指標としている方なので、少しばかりびっくりした。
「それってあなたの感想ですよね」というフレーズは「ひろゆきさん」が議論の場でよく使われる言葉なのですが、僕は肯定的に捉えていました。
それは、情報量の豊富さと経験値と彼の資質である「他者の気持ちを余り忖度しない」というマインドが、視聴している人を気持ちよくさせているからです。
もちろん、先生方の考え方も理解できるのですが、中庸や中道を保っていると、もやもやしたものは残るし、保とうと思っていても、いつしか強い口調でモノを言う人の方へ傾いてゆく傾向は強い。
だから、もやもやしたものをスッキリさせる彼の論法を支持する人は多いと思うし、そこに「分断」や「相互隔離」が生じたとしても、真似もしたくなるのだと思う。
(先生が指摘されていたように、ネット上では、「大ホールの最後列に座って舞台を観る」ように、言葉が発せられていますね。これを、ネットを使用することになった人類の問題と捉えなければ、今後、分断や相互隔離は広がっていくのではと思う)
昨日、水戸黄門を観ていて、物語の終盤、黄門様が「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい」といって、斬りかかってくる者達をバッタバッタと倒してゆき、「その辺でよいでしょう」の一言で印籠が出され、立場が一気に逆転するという定番のシーンに改めて痛快だなと感じたのです。
もちろん何回目かの再放送なので、話の落としどころは分かっているのですが、視聴している者の気持ちの「もやもや」を物語の筋道である起承転結の結に至る過程で膨らませられるから、最後のあの展開が心に響くのだと思いました。
話がそれてしまいましたが、膨らみすぎたモヤモヤをその場で着地させるにはパワーワードで強制着地させた方がスッキリとしますよね。
とするならば、議論の場では、議論を始める前に、もやもやした部分を極力排除しておくか、もしくは、矛盾点を指摘されたときに「それは気が付きませんでした」等、自身の準備不足を認識した上で議論を進めれば、ひろゆきさんでも「それってあなたの感想ですよね」というパワーワードは繰り出さないのではと思いました。
また、もし、制作している側が彼らの議論を「エンターテインメント一つ」として取り扱っているならば、それを見聞きしている人達に「論破ってスッキリする」や「その物言いはどうなの?」という「勘違い」が生じているだけのようにも思います。
(これも、僕の感想ですけどね)
でも、かつて、世論が戦争に熱狂したように、戦後、若者がマルクスに熱狂したように、バブル経済を疑わずに熱狂した人々のように、時代において人々はなにかに熱狂してしまう。
現代も然り。多くの人の情報収集方法が、本よりもネットの動画になっているのであるから、爽快感を与えてくれる論調へ多くの人が流れてゆくのは自明の理。
ひろゆきさんを多くの人が支持している事象は、多くの大人が物事をうやむやにしていることが大きな要因だと思います。
しかし、「軍部は間違っている」「マルクス主義が全てではない」「この異常な好景気はいつか終わる」と、時代に抗う人が存在したからこそ、日本はなんとか平和を保ててこられたのだと思います。
これも僕の感想ですけどね。(笑)