「あすかちゃん・・・。びっくりした? 」
「びっくりしたにきまってんじゃん! けど、どういうつもり? これって、挨拶みたいなキスなの? 」
「je vous aime」
ソフィアは、顔を真っ赤にして、俯くと、凄く小さな声で呟いた。
「フランス語って、ずるいぞ。」
「ごめんなさい。」
「いいよ。何となく伝わってきたから。けど、さすが同性婚が認められている国の人だな。」
「あすかちゃん。それは違うよ。私が意志表示できたのは日本だからだよ。」
「どういう事? 」
「ここには、カトリックやイスラムやユダヤと言った宗教の、経典の教えを強く信じる人がいないからだよ。」
「ん? どういう事? 」
「フランスは自由な国だと思っている人が多いけれど、フランスの中には経典の言葉を強く信じている人がいて、その人達の中には、神の教えに反するからって、同性愛を認めない人、暴力に訴えてくる人がいるの。愛にあふれている反面、差別も辛辣なのが、フランス。ボ―ヴォワールやウィティッグみたいな女性の活躍がなければ、もっとひどかったかもしれない。」
ソフィアの事、知ってるつもりでいたけど、私、全然知らないでいたんだ。
もっと彼女の事を知りたいな。
けど、好きな相手が同性ってだけで、何が悪いんだろ。腕力や権力や嘘で縛ろうとするバカな人と付き合うより、お互いが尊敬出来て思いやれる人と付き合ってた方がいい影響を与えてくれるのにな。
それが同性っていうだけで、なんで非難されなきゃいけないんだろう。神様は愛を知らないんだろうか。
こんな気持ちになったのは初めてかも。
なんか、流されてる場合じゃないな。
「そっか。難しい事は分かんないけど、今は幸せってこと? 」
「はい。とても。」
マスクを高い鼻の上までもどしてあげると、ソフィアは、にこっと微笑んだ。その笑顔は本当にうれしい時の笑顔。だったら、今は、これ以上、詮索するのは野暮だな。
言葉にしなくても、心が温かい。
女子を好きになるって、意外に悪くないかも。
「信号変わったよ。行こうか。」
どちらからともなく手を繋ぐと、ひときわ明るく照らされた駅の改札口へ向けて、二人で歩き出した。
「びっくりしたにきまってんじゃん! けど、どういうつもり? これって、挨拶みたいなキスなの? 」
「je vous aime」
ソフィアは、顔を真っ赤にして、俯くと、凄く小さな声で呟いた。
「フランス語って、ずるいぞ。」
「ごめんなさい。」
「いいよ。何となく伝わってきたから。けど、さすが同性婚が認められている国の人だな。」
「あすかちゃん。それは違うよ。私が意志表示できたのは日本だからだよ。」
「どういう事? 」
「ここには、カトリックやイスラムやユダヤと言った宗教の、経典の教えを強く信じる人がいないからだよ。」
「ん? どういう事? 」
「フランスは自由な国だと思っている人が多いけれど、フランスの中には経典の言葉を強く信じている人がいて、その人達の中には、神の教えに反するからって、同性愛を認めない人、暴力に訴えてくる人がいるの。愛にあふれている反面、差別も辛辣なのが、フランス。ボ―ヴォワールやウィティッグみたいな女性の活躍がなければ、もっとひどかったかもしれない。」
ソフィアの事、知ってるつもりでいたけど、私、全然知らないでいたんだ。
もっと彼女の事を知りたいな。
けど、好きな相手が同性ってだけで、何が悪いんだろ。腕力や権力や嘘で縛ろうとするバカな人と付き合うより、お互いが尊敬出来て思いやれる人と付き合ってた方がいい影響を与えてくれるのにな。
それが同性っていうだけで、なんで非難されなきゃいけないんだろう。神様は愛を知らないんだろうか。
こんな気持ちになったのは初めてかも。
なんか、流されてる場合じゃないな。
「そっか。難しい事は分かんないけど、今は幸せってこと? 」
「はい。とても。」
マスクを高い鼻の上までもどしてあげると、ソフィアは、にこっと微笑んだ。その笑顔は本当にうれしい時の笑顔。だったら、今は、これ以上、詮索するのは野暮だな。
言葉にしなくても、心が温かい。
女子を好きになるって、意外に悪くないかも。
「信号変わったよ。行こうか。」
どちらからともなく手を繋ぐと、ひときわ明るく照らされた駅の改札口へ向けて、二人で歩き出した。