日本アカデミー賞作品賞を受賞したという作品であったので、一度見ておこうと思って観てみたのです。
作品賞を受賞しているだけあって、物語にぐいぐい引き込まれてゆくのですが、鑑賞後感がどうにも良くありませんでした。しかし、よく考えてみたら、この作品にエンターテインメント的なものを求めたのが間違いだったと気づくのですが、それでも、もやもやは消えません。ラストまで集中力を切らさず作品の世界に入り込めていたのに、ラストシーンとエンドロールで一気に冷めてしまったので、残念な感じが払しょくできませんでした。
そこで、個人的にすっきりさせたいので、愚痴っておきます(笑)ネタバレあるので、映画を観られる方は、この先からはご遠慮ください。
まず、主人公のエリート官僚杉原君は、なぜ「ごめん」と言ったのでしょう。
名前を出していいと言った時、辞職してでも信念を通すんだと思って、物語の展開にわくわくしたのに、上司の多田さんに家族を人質に取られた格好になって、気持ちが揺らいで、ごめんだったら、すごくがっかりなのです。
学歴や経歴は素晴らしいのだから、一般企業に就職しても十分に家族を養って行けるだけの対価を得られるはずなのに、なぜキャリアにこだわってしまったのかが理解できないのです。また、情報を扱う仕事をしているなら、そこで、多田さんの言いなりになってしまえば、またいつか利用され、元上司の神崎さんの二の舞になる可能性が高い事は理解できるはずです。
そして、上司の多田さんが「国家を護る」という言葉を何度も口にしていたけれど、彼の行動や発せられる言語から察すると、守っているのは「国家」ではなく「国家」というボードゲームに参加しているプレイヤーの一人を護っているとしか思えません。
細菌の研究をする目的で建設する大学が、軍事目的にも転用できる研究を行うという情報を公にしようとする女性記者の吉岡さんにも、いきなり電話を入れ、命の保証はしないと言わんばかりの脅迫をしますが、第一報が報じられた後なら、そんな計画に対し、隣国が黙っていないであろうし、日本独自のリードなら、アメリカも黙ってはいないと思う。そして、野党からは情報の開示を迫られるであろうし。中米から外圧が掛かれば、多田さんが守っているプレイヤーも多田さんも失脚すると思う。
そして、色々考えて最後に思ったことは、外務省や内閣情報調査室は伏魔殿かもしれないけれど、ハリウッド映画のように、国の中に本当の悪がいるという設定の映画を受け入れられるほど、日本は文化的に成熟していないから、もやもやしたのかなと思ったのです。
作品賞を受賞しているだけあって、物語にぐいぐい引き込まれてゆくのですが、鑑賞後感がどうにも良くありませんでした。しかし、よく考えてみたら、この作品にエンターテインメント的なものを求めたのが間違いだったと気づくのですが、それでも、もやもやは消えません。ラストまで集中力を切らさず作品の世界に入り込めていたのに、ラストシーンとエンドロールで一気に冷めてしまったので、残念な感じが払しょくできませんでした。
そこで、個人的にすっきりさせたいので、愚痴っておきます(笑)ネタバレあるので、映画を観られる方は、この先からはご遠慮ください。
まず、主人公のエリート官僚杉原君は、なぜ「ごめん」と言ったのでしょう。
名前を出していいと言った時、辞職してでも信念を通すんだと思って、物語の展開にわくわくしたのに、上司の多田さんに家族を人質に取られた格好になって、気持ちが揺らいで、ごめんだったら、すごくがっかりなのです。
学歴や経歴は素晴らしいのだから、一般企業に就職しても十分に家族を養って行けるだけの対価を得られるはずなのに、なぜキャリアにこだわってしまったのかが理解できないのです。また、情報を扱う仕事をしているなら、そこで、多田さんの言いなりになってしまえば、またいつか利用され、元上司の神崎さんの二の舞になる可能性が高い事は理解できるはずです。
そして、上司の多田さんが「国家を護る」という言葉を何度も口にしていたけれど、彼の行動や発せられる言語から察すると、守っているのは「国家」ではなく「国家」というボードゲームに参加しているプレイヤーの一人を護っているとしか思えません。
細菌の研究をする目的で建設する大学が、軍事目的にも転用できる研究を行うという情報を公にしようとする女性記者の吉岡さんにも、いきなり電話を入れ、命の保証はしないと言わんばかりの脅迫をしますが、第一報が報じられた後なら、そんな計画に対し、隣国が黙っていないであろうし、日本独自のリードなら、アメリカも黙ってはいないと思う。そして、野党からは情報の開示を迫られるであろうし。中米から外圧が掛かれば、多田さんが守っているプレイヤーも多田さんも失脚すると思う。
そして、色々考えて最後に思ったことは、外務省や内閣情報調査室は伏魔殿かもしれないけれど、ハリウッド映画のように、国の中に本当の悪がいるという設定の映画を受け入れられるほど、日本は文化的に成熟していないから、もやもやしたのかなと思ったのです。