あるおじいちゃんがまだ少年だった戦前、昭和天皇が国鉄に乗って駅に停車されるというので、多くの人達が徒歩で駅に出向いた。昭和天皇を一目見ようと集まったのであるが、列車が到着すると、皆は一斉に頭を下げた。そして列車が出発し、駅から離れると、最敬礼をした後で、一斉に「天皇陛下万歳」といって、万歳をした。しかし、駅に集まった人たちは駅を離れる際に「私達は何をしに来たんだろう」と口々にしていたそうである。天皇陛下を一目見ようと集まったのに、観ることが出来ない。おじいちゃんは当時を振り返り、軍部が天皇陛下を神格化する為に、統制したのだろうと推測する。その後、国民を利用しようとする人々の思想は、義と仁と強制と恐怖をもってじわりじわりと浸透してゆき
おじいちゃんが青年になる事には、選択肢のない中での最善の選択として、志願して予科練に入隊し、特別攻撃隊の隊員として、訓練を受け、いつか順番が回ってくると思いつつ、多くの先輩を見送る事となった。
天皇陛下の為に命をささげるといった、無慈悲な思想を作り上げた人たちがいるという事実は無効にならず、逃げられぬ世襲という生きづらさ、自身の選択によって、起ったわけではない戦争責任という重荷を背負いつつ、平成の天皇は、国民に寄り添い、国の為に祈り、内外を回り、人々の心を暖められ、博愛の精神を示された。
沢山の人と接するのだから、想像を絶するご苦労も多々あったはずである。
年号が変わっても、不安定な国際情勢は変わらないし、政治もどこを目指しているのか分からない。天災はいつどこにやってくるかもわからないし、いつか貧しい生活を強いられなければならなくなるかもしれない。それでも、私達は生きていかねばならない。
しかし、どんなに貧しくなろうとも、ご苦労を重ねられて確立された象徴という存在を、再びいいように利用しようとする人達を、国政に立たせてはならない。
願わくば、新しい年も、穏やかで平和な時代であってほしいと思う。
おじいちゃんが青年になる事には、選択肢のない中での最善の選択として、志願して予科練に入隊し、特別攻撃隊の隊員として、訓練を受け、いつか順番が回ってくると思いつつ、多くの先輩を見送る事となった。
天皇陛下の為に命をささげるといった、無慈悲な思想を作り上げた人たちがいるという事実は無効にならず、逃げられぬ世襲という生きづらさ、自身の選択によって、起ったわけではない戦争責任という重荷を背負いつつ、平成の天皇は、国民に寄り添い、国の為に祈り、内外を回り、人々の心を暖められ、博愛の精神を示された。
沢山の人と接するのだから、想像を絶するご苦労も多々あったはずである。
年号が変わっても、不安定な国際情勢は変わらないし、政治もどこを目指しているのか分からない。天災はいつどこにやってくるかもわからないし、いつか貧しい生活を強いられなければならなくなるかもしれない。それでも、私達は生きていかねばならない。
しかし、どんなに貧しくなろうとも、ご苦労を重ねられて確立された象徴という存在を、再びいいように利用しようとする人達を、国政に立たせてはならない。
願わくば、新しい年も、穏やかで平和な時代であってほしいと思う。