ふざけるにもほどがある。この子は私をバカにしてるのかとも思ったが、感情的になってはいけないと自戒し、
「バカ言っているんじゃありません。ふざけが過ぎると担任の先生に報告しますよ。」
と、牽制し自制を求めた。しかし、彼は一向に引こうとしなかった。
「僕は至って真面目です。もし、先生に恋人がいらっしゃるのなら、先生の事を潔く諦める事が出来るから、恥を忍んで窺っているのです」
「どういうことなの? 」
要領が掴めず只々困惑していると、彼は意を決して語彙を強めた。
「水野さんの事が好きなのです。初めて会った時からずっとなのです。永遠に秘めておこうとも思いましたが、気持ちを抑える事ができなくなってしまったのです。」
真っ直ぐな目で私を見つめる。異性から好きと言われている。冗談以外の何物でもない。
今までなら。
彼は、膝の上に拳を作り、私の返事を待っている。
「・・・噓でしょ。」
「嘘ではありません。」
「・・・私のどこがいいの。」
「全てです。」
迷いのない返事に、私は無力だった。長い年月を費やした堅牢無比な城壁を、彼は打ち破るつもりなのか。
「バカを言わないで。怒るわよ。」
「なぜ、怒られなければいけないのですか? 僕は先生の事が好きなだけなのです。」
「いい加減にしなさい! 」
「いい加減ではありません。」
彼は勢いよくベッドから立ち上がると、緊張した面持ちで一歩踏み出し、私をじっと見つめた。
「バカ言っているんじゃありません。ふざけが過ぎると担任の先生に報告しますよ。」
と、牽制し自制を求めた。しかし、彼は一向に引こうとしなかった。
「僕は至って真面目です。もし、先生に恋人がいらっしゃるのなら、先生の事を潔く諦める事が出来るから、恥を忍んで窺っているのです」
「どういうことなの? 」
要領が掴めず只々困惑していると、彼は意を決して語彙を強めた。
「水野さんの事が好きなのです。初めて会った時からずっとなのです。永遠に秘めておこうとも思いましたが、気持ちを抑える事ができなくなってしまったのです。」
真っ直ぐな目で私を見つめる。異性から好きと言われている。冗談以外の何物でもない。
今までなら。
彼は、膝の上に拳を作り、私の返事を待っている。
「・・・噓でしょ。」
「嘘ではありません。」
「・・・私のどこがいいの。」
「全てです。」
迷いのない返事に、私は無力だった。長い年月を費やした堅牢無比な城壁を、彼は打ち破るつもりなのか。
「バカを言わないで。怒るわよ。」
「なぜ、怒られなければいけないのですか? 僕は先生の事が好きなだけなのです。」
「いい加減にしなさい! 」
「いい加減ではありません。」
彼は勢いよくベッドから立ち上がると、緊張した面持ちで一歩踏み出し、私をじっと見つめた。