サツキは窓の外の風景を眺めながら、さっき歌っていたビートルズの「アイ・フィール・ファイン」という歌を口づさみはじめた。合唱部の女子も言ってたがサツキの歌声は本当に綺麗だ。思わず聞き入ってしまう。でも、洋楽は意味が分からないからピンとこない。だから僕はサツキをちょっと試すつもりで、
「なぁ。その歌ってどんな意味なんだよ。」
と、聞いたみた。でも、サツキは予想通りに、
「これ? え~っと。あの子はとても優しい。最高に幸せなんだ・・・。」
よどみなくさらさらと翻訳して行くサツキは、余裕で進学校に通える学力の持ち主だったが、お父さんやお母さんに負担をかけたくないからと言って、僕と同じ町内の都立高校へ入学していた。もちろん成績は優秀なんだけれど、こんなことまで知っているのには驚きだった。
「・・・って感じかな? 訳しちゃうと詩は軽いんだけど、リズムのいい曲だからつい歌ってしまうんだよ。」
「へぇえ。すごいな。およびでない。こりゃまた失礼いたしました!!」
そう言っておどけると、「あ~それはわかる!!」と、言って楽しそうに笑っていた。
その様子を見て僕は思わず、「しあわせだなぁ~。」呟いてしまうと、
「えっ。なにが? 」
と、聞いてきた。思わず口に出した言葉だったから、どう返事をしていいかわからない。たから、「ああっ。なんでもない。なんでもない。ひとりごと。」と、言ってその場を取り繕うと、
「変な寛太。」そう言ってまた笑った。
それでも、サツキの歌う曲、というかサツキが好きな曲が好きになり始めていたから、
「あのさ。そのビートルズと言う人の曲。俺も歌いたいから歌詞を書いてくれないか? 」
と、頼んでみると「いいよ。英文でいい? 」と、あっさりと聞き返してきたから、
「おっおう。頼んでいいかな。でも、読み方をカタカナでふってほしいんだけど・・・。」
と、焦りながら答えると、
「No problem. you can count on me. !!」
と、答えた。なんてかっこいいんだろう。と思いながら「ありがとう。たのむね。」とお辞儀をした。
二人の時間が流れる。これは今しかない。そう思った僕は勇気を出して告白しようとすると、次のバス停が見えてきてサツキの友達の松下さんが僕らを見つけて手を振っているのが見えた。サツキも松下さんに手を振りかえす。僕は完全にタイミングを逃して言葉を飲み込んだ。
「なぁ。その歌ってどんな意味なんだよ。」
と、聞いたみた。でも、サツキは予想通りに、
「これ? え~っと。あの子はとても優しい。最高に幸せなんだ・・・。」
よどみなくさらさらと翻訳して行くサツキは、余裕で進学校に通える学力の持ち主だったが、お父さんやお母さんに負担をかけたくないからと言って、僕と同じ町内の都立高校へ入学していた。もちろん成績は優秀なんだけれど、こんなことまで知っているのには驚きだった。
「・・・って感じかな? 訳しちゃうと詩は軽いんだけど、リズムのいい曲だからつい歌ってしまうんだよ。」
「へぇえ。すごいな。およびでない。こりゃまた失礼いたしました!!」
そう言っておどけると、「あ~それはわかる!!」と、言って楽しそうに笑っていた。
その様子を見て僕は思わず、「しあわせだなぁ~。」呟いてしまうと、
「えっ。なにが? 」
と、聞いてきた。思わず口に出した言葉だったから、どう返事をしていいかわからない。たから、「ああっ。なんでもない。なんでもない。ひとりごと。」と、言ってその場を取り繕うと、
「変な寛太。」そう言ってまた笑った。
それでも、サツキの歌う曲、というかサツキが好きな曲が好きになり始めていたから、
「あのさ。そのビートルズと言う人の曲。俺も歌いたいから歌詞を書いてくれないか? 」
と、頼んでみると「いいよ。英文でいい? 」と、あっさりと聞き返してきたから、
「おっおう。頼んでいいかな。でも、読み方をカタカナでふってほしいんだけど・・・。」
と、焦りながら答えると、
「No problem. you can count on me. !!」
と、答えた。なんてかっこいいんだろう。と思いながら「ありがとう。たのむね。」とお辞儀をした。
二人の時間が流れる。これは今しかない。そう思った僕は勇気を出して告白しようとすると、次のバス停が見えてきてサツキの友達の松下さんが僕らを見つけて手を振っているのが見えた。サツキも松下さんに手を振りかえす。僕は完全にタイミングを逃して言葉を飲み込んだ。