硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

振り返ってみたけれども。

2023-12-31 22:30:05 | 日記
今年も何とか乗り切った。
すべての事が上手くいかない。そんな年だった。
行動と言葉を尽くしても、状況は好転せず、生きる意味を考える日々だった。
生きる事に意味はない。生きていること自体に意味があるのだから。
理屈は分かっているのだけれど、気持ちが付いてこない。
そんな日々だった。

大人になれば、煩わしい事から逃れる事が出来ると思っていたが、いざ大人になってみると、一層煩わしくなってしまっていた。どこで選択を間違えたのだろうかと何度も振り返ってみたが、選択しなかった道を想像すると、今の道が最善だったと思えてくる。
そんな日々だった。

戦争や内戦で苦しんでいる人が沢山いる。その人たちから比べれば、とても幸せである。
幸せであるはずなのに、なぜかもやもやしてしまっている。
それでも、生きていかねばならないと感じるのはなぜだろう。
そんなことを想う日々だった。

きっと、来年も、こんな調子で生きてゆくのだろうと思う。


今年もお付き合いいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

グレート・ジャーニー

2023-12-30 21:30:39 | 日記
職業柄、様々な人に出会う。そして、時頼会話が弾む。
人と話す事はあまり得意ではないけれど、話の波長が合う人とは、楽しい会話になったりもする。
そんな中で、今年、一番印象深く記憶に残った人との対話を細心の注意を払いつつ、ここに留めておこうと思う。

その人は成人女性の既婚者である。しかし、容姿から日本人ではない事は分かったので、「どちらからみえたのですか? 」と問うと「ブラジルです」と穏やかに答えた。
すぐに合点がいったので、会話の続きで「ブラジル人なんですか? 」と問うてみると「ブラジル人ではないです。純粋なブラジル人て、あまりいないんですよ」ときっぱり。

日本から出た事のない者の感覚は、彼女のような人のアイデンティティを推し量る事を怠ってしまう。これは愚門だと気づき、「そうですよね。歴史をさかのぼれば、スペインとポルトガルに侵略されたのですものね」と返事をすると、彼女は向日葵のような笑顔をたたえ自身のルーツを語りだした。

彼女の祖父は黒人で、アフリカからフランスへ移住し、さらにブラジルへ渡ってきたのだという。そして、ブラジルで知り合った女性と結婚。子供を産み育てた。
その子は大人になると、日本から移住してきた人の子供と出会い、結婚。それが彼女のご両親で、彼女が3歳の時、豊かさを求めて先人の伝手を辿って来日したのだという。

その頃の彼女はまだ記憶が鮮明でなく、ブラジルでの生活は全く覚えておらず、大人になってからブラジルを訪れた時には、帰郷というより観光だったといい、生活してゆくなら「やっぱり日本がいい」と言って微笑んだ。

現在の彼女は素敵な日本人の男性と知り合い(初めて出逢った時、「私はこの人と結婚するんだ」と思ったそうである。なんて素敵なエピソードなんだろうと感激した)結婚し、妊娠が分かった時、旦那さんに「おじいさんが黒人だから、遺伝で黒人の子供が生まれるかもしれないよ」と告げると、寛容な旦那さんは「いいんじゃない」と答えたという。(お子さんは彼女の遺伝を強く引き継いでいた。)
それを聞いて、出逢うべき人に巡り合えたんだなと思ったが、それでも、生活様式や文化の違いに違和感を覚えるはずであるし、旦那さんは良くても旦那さんのご両親はどう思っているのだろうかと思い「旦那さんのご両親は戸惑いませんでしたか? 」と尋ねると、旦那さんのご両親も、オープンマインドの方でむしろ歓迎されたのだという。
閉鎖的な田舎町の感覚に縛られてきた僕は、驚きと、自分の視野の狭さを恥じ入るとともに、旦那さんのご両親も、日本の違う土地からこの地にやってきて、一から生活の基盤を作られたのだろうなと思った。

さらに驚くべきことは、彼女は日本人よりも上手く日本語を話し、ご両親とはポルトガル語で対話し、ポルトガル語の夢を見るマインドを持っているので、同郷のコミュニティでは通訳を買って出ているのだという。

ほんとうに素敵な女性である。

話はされなかったけれども、幾多の困難にであったであろうことは想像に難しくない。
しかし、彼女はそれ以上にバイタリティの溢れる人だった。

そんな彼女の大きな愛に包まれている幼子も、いつか、きっと国境を越えてゆく人になるのだろうなと思った。



メリー・クリスマス。

2023-12-24 17:57:33 | 日記
主イエスが弟子と最後の晩餐を摂られていた際、つぎのように話された。

「人々はあなたがたを会堂から追放するでしょう。事実、あなたがたを殺す者がみな、そうする事で自分の神に奉仕しているのだと思う時が来ます。彼らがこういう事を行うのは、父をもわたしをも知らないからです。」

どうか、どうか平和な世が訪れますように。

誰も宣言しないのは何故?

2023-12-14 21:38:26 | 日記
ここの所イスラエルとハマスとの紛争が毎日報道されている。

その中では市井の人々が傷つき、命を落とす様子が映し出されている。
SNSや専門誌では、論客がどちらに非があるかという議論を展開している。

どちらに非があるのか。
なぜ、そのような二元論的な話になるのか不思議である。
双方とも、心から平和に暮らしていたいと願っている人々を巻き込んでいるのに。

「どちらにも非がある」と、どうして誰も言わないのであろうか。