このあいだのカウンセリングで、どうした流れからか忘れちゃったけど、久しぶりにその名前を口にしたのです。
吉見佑子さん。
私が「こういう文章を書く人になりたい」と初めて強く願った、そのお手本になった人なんだよ、という話をしました。
吉見さんの本は、もう処分してしまって家にはないと思っていました。私は、本というものに執着がなく、たまってゆくそれらに耐えきれずに古本屋に持ってったり古紙として資源回収に出しちゃったりしてきたからです。
でも、私がものを書くきっかけとなった本たちを、いくら私でも、そんなに簡単に処分するだろうか、ひょっとしたら…?と、今朝ふと思い立って、本棚を探してみたのでした。
すると、やっぱり。出てきました、吉見さんの著作4冊。
そのうちの、『ペパーミントは涙の味がする』『東京ゆきずりライフ』の2冊を手にとって、私はリビングのお気に入りスペースに寝転がって、しばし読みふけっていました。
懐かしいその語り口調、昔なじんだ文章が、そこにありました。
でも。
今日一日、どっぷりこの世界に浸かっていようと決めていたのに、もう気がすんでしまい、私はなんだか中途半端に不安定な気分で寝そべって、これを書いています。
私は、私が思っていた以上に、変わっていた。
歳をとっても、容貌や体力が衰えても、心は30年前と何も変わっていない、少女のままだと思い込んでいたのに、そうじゃなかった。
あんなに自分をシンクロさせてた彼女の文章は、今の私には照れくさく、遠いものになっていました。
古道具屋さんで懐かしく気に入って買った大好きなタイプのはずの置物が、家に帰って飾ろうと思ってみたらどうも今の部屋にはしっくりなじまない、そんな戸惑いを、今、感じています。
当たり前だよ、と笑うでしょうか。
私には、ずっとずっと大切にしてきた世界だった。自分がまだそこに、その中にいると思っていた。
でも、気づいたらいつの間にか、その外側を歩いていた。
それが大人になったっていうことだよ、と人は言うでしょうか。
いろんなことがあったんだよ。同じじゃいられない。変わっていくのが当たり前なんだよ。
自分をなだめてみました。
でも、やっぱり私には衝撃だったのです。自分が自分でなくなったような、不信感に揺らぎました。
過去の自分を、遠く遠く、感じてしまいました。
私はもう、私じゃないの? 私の思ってた私じゃないの?
遠い遠い、少女の自分。
それに比べて、私はなんだか汚れてしまったような気がして、悲しい気持ちになっています。
いつも純粋でありたいと思ってきた私が、煤けてしまったような、それを見てしまったような、寂しい気持ちでいます。
それでも、こうして、書くことは私に残っている。
吉見さんの文章とは違うけれど、違う世界のものになってしまったかもしれないけれど、吉見さんからの贈り物は別の形になって私の中で生きている。今の私を、生かしている。不思議だけれど。
それは果たして抜け殻なのだろうか?
今の私にはわからない。
ただこうして、言葉をつむいでいくことが、今の私にできることのすべて。
これを失いたくない。それだけの気持ちでいます。
今の私で、これで、いいんだよね? このままの私で生きていても、いいんだよね?
今の私の言葉で書いていても、それで許されるんだよね。
懐かしいはずのものたちが、私の足場をぐらつかせる。そのたび、不安定になる。
私はうまく大人になれなかったのかもしれません。今でも、大人と子どもの間を、ゆらゆらさまよっているのかもしれません。
これからまた、ペネロペのDVDを見ようと思います。それから、チョコレートを少し食べようっと。
今日は買い出しにも行かず、ずっと家で過ごします。外は暑そう。生協のお兄さんが、滝のように汗をかいて配達に来てくれました。
ではまたね。
気が向いたら、コメントくださいませ。
ちょっと心細くなっているタラでした。
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ブログ読んでくださり、こうしてコメントを書いてくださって、どうもありがとうございます。
吉見佑子さん、Twitterやっていらっしゃるんですね。そこから辿っていただいての偶然の出逢い、不思議な気持ちと嬉しい気持ちが入り混じって、胸が温かくなりました。
本当にありがとうございます。
吉見さんのTwitter、探してみますね。
ハムスター、3匹もいたんですか。それぞれに個性があって可愛かったでしょうね。いろんな子がいるよね。
うちは一度には2匹しか飼ったことない…今は1匹だけ。この子で5匹めになるかなあ。それぞれに可愛い子たちで、いっぱい癒されました。
またお話聞かせてくださいね。待っています。
サラさんもぬいぐるみが好きなんですね!車の中がかわいいだろうなあ。仕事に行くのに励みになりますね。
サラさんは犬が大好きなんだね。私は実家で昔、マルチーズを飼っていました。犬って賢いよね。人間といい友達になれると思います。
私は今はハムスターを飼ってます。ハムスターは賢くないんだけど、見てると飽きません。動物っていいですよね。
ビッグバードのぬいぐるみさんが訴えてきてたの、わかります。ぬいぐるみでも、目が合って、「この子だ!」って運命を感じることがあります。だから、今うちにいるたくさんのぬいぐるみ・お人形さんたちは、ご縁があってうちに来てくれた大切な家族なんです。
また来てくださいね。待っいてます。おやすみなさい。
自分の変化に切なく寂しくなる気持ち、私だけじゃないんだなと思って救われました。
くまのジョンジーくん、大切にしているんですね。
悲しい時、寂しい時、ぬいぐるみさんたちは優しいですよね。私もぬいぐるみさんたちに癒されています。
いつかお会いできたら、ジョンジーくんにも是非会わせてくださいね。
また来てくださいね、お待ちしています。
どうぞお大事にね。
ペネロペのDVD届いたんですね。 クリスマスのお話、涼しそう。
Tシャツに着替えたペネロペも、涼しい~って言ってるかも。
昔馴染んでいたものに、違和感を感じること、私もあります。
変わってしまった自分が、悲しいような、
やっぱり変化しているんだなと、少しせつなく・・・
いつまでも、あの頃の私ではないんだなって、実感させられる瞬間が、
ちょっと怖くもあります。
でも、変わっていて、当たり前なんだよな・・・って。
うちは、わんこを飼っているので、
ぬいぐるみは、みんな、遊びの標的にされてしまいます。
その中でも、ずっと守り続けているのが、くまのジョンジーくん。
子供が生まれる前に、baby gapのお店で買ったのです。
名前は、私がつけたので、ほんとはなんていう熊さんなのかな?
辛いときも、悲しいときも、いつも一緒にいる、ジョンジーくんです。