すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

「ZOOKEEPER」

2007年07月11日 | 漫画・本
    「ZOOKEEPER」青木幸子 講談社

コマ動物園の新米飼育員・楠野香也は実は不思議な力を持っている。
それは目で温度の違いを感知することが出来るという事。香也の瞳の赤外線感知能力を見破ったのはコマ動物園のクマ園長のみ、一癖も二癖もありそうなクマ園長の下、香也はこの動物園でどう動物達と接していくのか・・・。


昔「獣医さん」になるのが夢でした。なんか動物が大好きで、いつも近くにいれたらいいな~という安直な考えのみだったのですが(笑)その後、漫画の影響で「考古学者になりたいな~」と思ってもみましたが、獣医さんになるにしても、考古学者になるにしても勉強が出来て国立レベルの大学に入れないと知り、そうそうに諦めました(←早っ!!・爆)

今でも動物が大好きで、引っ掻かれようと噛まれようとついつい触れる動物がいるとしょうこりなくナデナデしたくなったり、博物館や動物園、水族館とかも見るのも大好きだったりします。
そんな私ですから「動物園を舞台にした漫画」があると知って、さっそく購入したのがこの漫画。

「ZOOKEEPER」の名の通り、動物園を維持管理する人々=飼育員を目指す一人の女性が主人公なのですが、この主人公、温度差を視覚で捉えることが出来るという特殊な能力の持ち主。でもその能力に頼りきったストーリー展開をしていないトコがいいんです。

発売されたばかりの3巻では

絶滅が危惧されているのに、人間の生活圏に営巣するようになった「オオワシ」
最速の哺乳類として進化しながらも、走ることが出来ない檻で暮らす「チーター」
そして何処の動物園の人気者なのにも関わらず、謎が多く繁殖が難しい「象」

3つの動物を取り扱っていますが、野生動物として、自然の中で生きることが彼らにとって最も特性を出す生き方なのに、動物園と言う保護の中に入れた途端、その特性を維持する事が難しくなる現実のジレンマの巻となっています

もともとは全ての自然において、彼ら動物達の生活圏であったのを、人間という種がイニシアチブをとったが故に、沢山の動物達が生活の場を片隅へと追いやられている現実がある中、今の動物園が抱えている問題や「形態展示」や「行動展示」が動物達に与える意味、そしてこれからの動物園がどういう未来へ進むべきか等々・・・動物達の数々のウンチクも披露しながら、色んな意味で問いかけが多い感じがする漫画です。

動物や動物園を見るのが好きな方、是非お薦め!違った角度で楽しめますよ~


主人公・香也の不思議な力もさることながら、この作品で一番の曲者はクマ園長さんのように思えますね。

香也にとって良き理解者なのか?それともただの利己主義者か?そんなグレイゾーンにいるクマ園長が発する言葉の中にこの漫画の重要なトコが潜んでいるように思えてなりません

動物園というトコロの存在の意義はなんなのでしよう?

種としての特性の保存と繁殖?
それとも学術的な生態調査?
それとも庶民的なレベルからの動物に対する情操教育の場?

4巻以降で香也が見つけ出す答えとそれに対するクマ園長の反応に期待です