ナラ枯れ 粘りの駆除

2012-10-27 12:52:20 | 創 creation
西山森林整備推進協議会の会員が順次、木から粘着シートをはがした 豊かな森林が広がる長岡京市西部の西山で5月、ナラ枯れ被害の原因のカシノナガキクイムシ(カシナガ)を捕獲するため試験的に樹木に巻き付けられた粘着シートをはがす作業が今月16日あった。相当数捕獲できた木もあり、関係者は今後分析を重ねて、効果を検証する。

 粘着シートによる捕獲実験を進めているのは、長岡京市や森林ボランティア団体、企業などでつくる「西山森林整備推進協議会」。

 「ごきぶりホイホイ」で知られるアース製薬が開発した「かしながホイホイ」という粘着シート(縦30センチ、横1メートル)を木の幹に粘着面を内側にして巻き付け、他の木に移ろうと穴から出てきたカシナガを捕らえる仕組みだ。5月下旬に西山全域(約800ヘクタール)の樹木150本に約1500枚のシートを巻き付けた。

 16日は、協議会に参加する長岡京市里山再生市民フォーラムの会員ら7人が西山のキャンプ場にあるコナラ2本、クヌギ1本に巻き付けられたシートをはがしてチェックした。

粘着シートで捕獲されたカシナガ。指先周辺に10匹ほど見える=いずれも長岡京市 ざっと目視したところ、まだ生きているクヌギのシートには10センチ四方当たり数匹しかいなかったが、枯死していた2本のコナラでは、約2平方メートルのシートに約800匹、もう一本の約1・3平方メートルのシートに約4千匹のカシナガが捕獲された。また、市農林振興課が9日に別の地点で枯死したシラカシ3本に巻いたシートを点検したところ、10センチ四方当たり約200匹が捕獲されていた。

 カシナガは体長約5ミリの甲虫。協議会によると、枯死した1本分(1立方メートル)当たりに平均3万~5万匹侵入しているといわれる。府内のナラ枯れ被害は最初に北部で確認されたが、ここ数年は南部に広がりつつあるという。長岡京市では一昨年に約150本、昨年は約450本、今年は推計1千本のコナラやカシなどが枯れているという。

 今回の調査結果について市農林振興課は「ごく一部なので何とも言えない。生きている木はカシナガが侵入しても樹液や水分で撃退しているようだが、枯死した木からは多く見つかった。中には、シートのすき間から逃げ出したものもいたようだ。さらに点検箇所を広げて、効果を確認したい」としている。

 協議会は11月中旬までに150本すべてをチェックし、年内に調査結果をまとめ、来年の総会で報告する予定だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿