伸びすぎを防ぐ「しん止め」 <たけのこの四季・5月>

2018-04-15 09:44:29 | 木 plants

 京都府乙訓地域は、高い品質を誇る「京たけのこ」の産地で知られ、その独特な栽培法は他の地域には見られない。年間を通じて行われるタケノコ栽培を写真で切り取り、紹介する。

 天に突き刺すよう真っすぐに伸びた若竹。農家の柴田光貢さん(75)=向日市物集女町=が、腕に力を込めて前後に竹を揺らすと、先端は鞭(むち)のように大きくしなり、「バキッ」という音とともに、地面に落ちてきた。

 タケノコ農家がこの時期行っているのが、「しん止め」と呼ばれる作業だ。今春生えてきた、これから親竹になる青竹の先端を、根元を揺すって折り取る。伸びすぎて枝や葉が生い茂り、風などで倒れるのを防ぐとともに、太陽の光がたっぷり地表に注ぐようにするためだ。

 柴田さんは、若竹に枝が1~2本出た頃にしん止めをするよう、父親や祖父らから言われてきた。早いと竹が柔らか過ぎ、遅いと固くなるため、うまく折れずちょうどいい高さにならない。力加減にも経験と勘が必要という。

 「今の若竹は1日40~50センチ伸びる。毎日見に来ないと、折るタイミングを逃してしまう」と柴田さん。タケノコの収穫が終わった後も、竹林に足を運び、若竹の成長に日々目を光らせている。【2017年5月20日掲載】

【 2018年04月10日 11時53分 】



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