今日のテーマは趣味の読書です。
趣味は読書が若いときからの定番です。
読書が好きといっても
何冊読んだと読破数を数えるような読書家では有りません。
気に入れば何度でも読み返すタイプの読書です。
同じ本を何度も読み返すのが好き。
もう一度詠みたいを思う本が私にとっての良書で、
ハウツーものはキライです。
文学書好きともいえます。
何しろ古典文学が一番好きなジャンルですからね。
その上長編好きで分厚い本程詠みがいが有ると喜びました。
中でも二度繰り返して読みたい本は長いのが多いです。
読み返したい気持ちを抱えながらその長さがためらいを生むので実際長編で読み返したのは少ないですね。
その点、日本人作家の中でも特に私が尊敬する作家芥川龍之介の作品は
短編ばかりで読み返しやすい所がいいです。
少し前に芥川賞で話題になった芸人の方は太宰治の大ファンらしいですね。
私は大の芥川ファンです。
今回のシルバーウィーク中、
久しぶりにまた芥川の短編を幾つか読み返しました。
何度読み返しても、
彼の言葉の選び方のセンスと知識の豊富さと創造力の大きさに感嘆します。
素晴らしい文章です。
今回読んだ短編集の中に「蜜柑」と云う話が有りますが、
ストーリーはとてもシンプル。
時代は大正時代でしょうか。
芥川が生きた時代だと思います。
有る男が空っぽの列車の二等車に乗って出発を待っていました。
すると薄暗い車内に一人の少女が乗り込んで来ます。
少女は三等の切符を握りしめています。
その人は彼女の値踏みをします。
どうも奉公に行く田舎の娘の様です。
三等の切符なのに二等車に乗っているのはどういう訳でしょう。
少女は汽車が動き出すとその人の横に座席を移し、窓を開けます。
折しも汽車はトンネルの中に入り開け放たれた窓から煤が入り込んで男の顔を汚します。
不快な気分で尚も観察する男。
トンネルを出た汽車が山陰を後にし平地にさしかかったその時、
娘は手提げ袋の中から蜜柑を取り出しました。
と同時に、
開けた土地の踏切の向こうに薄汚れた子供達が立っているのが見えてきました。
すると娘はいきなり汽車の窓から手にした蜜柑をその子供達に向かって思いっきり投げたのです。
一つ、二つ、三つと大きく弧を描いて落ちていく蜜柑。
夕日に怪しく光る蜜柑の色と少女の顔を見比べて、
男の中で少女に対する気持ちが変わっていきます。
目の前の少女がただの少女から家族を思い別れの悲しみを胸に抱いた人間として、
彼の目の前に存在していました。
奉公に出る娘と恐らく弟達であろう姉弟の別れの情が
ただ乗り合わせただけの男の心を暖かくする、
そんな情景を描いただけの短編です。
話の骨子はとても単純で有りながら心を動かされます。
この辺り芥川は本当に表現が巧みですよね。
この人の小説は本当に何度読んでも面白い。
思いがけず本当に久しぶりに小説と云う物を詠みましたがやっぱり芥川でした。
ますます尊敬しますね。
今回読んだ作品の中では「偸盗」と云う作品がスゴかった。
それについてはまた話す機会が有るかもしれません。
お楽しみに。
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趣味は読書が若いときからの定番です。
読書が好きといっても
何冊読んだと読破数を数えるような読書家では有りません。
気に入れば何度でも読み返すタイプの読書です。
同じ本を何度も読み返すのが好き。
もう一度詠みたいを思う本が私にとっての良書で、
ハウツーものはキライです。
文学書好きともいえます。
何しろ古典文学が一番好きなジャンルですからね。
その上長編好きで分厚い本程詠みがいが有ると喜びました。
中でも二度繰り返して読みたい本は長いのが多いです。
読み返したい気持ちを抱えながらその長さがためらいを生むので実際長編で読み返したのは少ないですね。
その点、日本人作家の中でも特に私が尊敬する作家芥川龍之介の作品は
短編ばかりで読み返しやすい所がいいです。
少し前に芥川賞で話題になった芸人の方は太宰治の大ファンらしいですね。
私は大の芥川ファンです。
今回のシルバーウィーク中、
久しぶりにまた芥川の短編を幾つか読み返しました。
何度読み返しても、
彼の言葉の選び方のセンスと知識の豊富さと創造力の大きさに感嘆します。
素晴らしい文章です。
今回読んだ短編集の中に「蜜柑」と云う話が有りますが、
ストーリーはとてもシンプル。
時代は大正時代でしょうか。
芥川が生きた時代だと思います。
有る男が空っぽの列車の二等車に乗って出発を待っていました。
すると薄暗い車内に一人の少女が乗り込んで来ます。
少女は三等の切符を握りしめています。
その人は彼女の値踏みをします。
どうも奉公に行く田舎の娘の様です。
三等の切符なのに二等車に乗っているのはどういう訳でしょう。
少女は汽車が動き出すとその人の横に座席を移し、窓を開けます。
折しも汽車はトンネルの中に入り開け放たれた窓から煤が入り込んで男の顔を汚します。
不快な気分で尚も観察する男。
トンネルを出た汽車が山陰を後にし平地にさしかかったその時、
娘は手提げ袋の中から蜜柑を取り出しました。
と同時に、
開けた土地の踏切の向こうに薄汚れた子供達が立っているのが見えてきました。
すると娘はいきなり汽車の窓から手にした蜜柑をその子供達に向かって思いっきり投げたのです。
一つ、二つ、三つと大きく弧を描いて落ちていく蜜柑。
夕日に怪しく光る蜜柑の色と少女の顔を見比べて、
男の中で少女に対する気持ちが変わっていきます。
目の前の少女がただの少女から家族を思い別れの悲しみを胸に抱いた人間として、
彼の目の前に存在していました。
奉公に出る娘と恐らく弟達であろう姉弟の別れの情が
ただ乗り合わせただけの男の心を暖かくする、
そんな情景を描いただけの短編です。
話の骨子はとても単純で有りながら心を動かされます。
この辺り芥川は本当に表現が巧みですよね。
この人の小説は本当に何度読んでも面白い。
思いがけず本当に久しぶりに小説と云う物を詠みましたがやっぱり芥川でした。
ますます尊敬しますね。
今回読んだ作品の中では「偸盗」と云う作品がスゴかった。
それについてはまた話す機会が有るかもしれません。
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