明け方激しい雨音で目が覚めました。
夜が明けてからも雨は降ったり止んだりで少し小寒い気温です。
昨日は試し掘りしたジャガイモを茹でて食べるつもりでした。
茹でたジャガイモにバターをつけて食べるのが大好きなんです。
ところが肝心のバターが一欠片しか残っていません。
あらまどうしましょう。
注文は済ませてあります。
発送済みのメールも受け取ったのに
現物がまだ配達されていません。
今日には届くと思っていたのに残念。
バターをケチりながら食べるしかありません。
日も暮れてジャガイモを茹で始めたその時に、
玄関から声がかかりました。
バターが届いたのです。
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今夜の食卓の楽しみが一気に倍増しました。
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掘りたてのジャガイモに遠慮なくバターをつけていただけます。
ああよかった。
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昨日はジャガイモとバター、トマトとオニオンのサラダ、玄米ご飯を詰めたイカでした。
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最近、我が家ではバターを替えました。
グラスフェドバターにしたのです。
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一キロです。
残りの分はカットして冷凍庫に入れました。
これは混合飼料を与えず草だけ食べて育った牛から絞った牛乳を使って
作ったバターです。
この少し黄色がかったバターを知ってから
今までのあの白いバターがバターとは思えなくなりました。
この前来た友人も普段バターは食べないけれど
このバターは美味しいって喜んで食べていましたよ。
本来牛は草を食べる動物ですよね。
でも現代の経済を追求する世の中では
リサイクルのために食肉になる以外の骨や内臓まで乾燥させて粉にして
牛に食べさせています。
犬猫のカリカリと呼ばれる乾燥の餌だって
元々はそれまで廃棄していた動物の残骸を
なんとか再利用できないかという
経済的な理由から開発されたものなのです。
牛に関していえばその脳みそまで乾燥粉砕して
与えていたのが一時期大騒ぎになった
狂牛病の原因なのでした。
人間側の都合で知らないうちに共食いさせられていたという話です。
かわいそうな動物たちの命は人間のためにあるという勝手な社会が出来上がっています。
そんな環境下で作られるミルク加工品ですから
その昔のんびりと草を食んで育った牛から出るミルクとは
成分も当然違うはずです。
今まで何も知らずに、
与えられた〇〇のバターしか知らなかった私ですが、
実際にグラスフェドバターを食べてその美味しさに感動しています。
バターってこんなに美味しかったのだ
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それで思い出したのがインドでのこと。
インドの旅はほとんどの場合長期滞在型と決めています。
その年もラジャスタン州のジョドプールの街に二ヶ月くらい滞在しました。
毎日出かける場所の近くに小さなお寺がありいつもその前を通り
一人のインド人男性と顔見知りになったのです。
その人は鉄道に努める傍
そのお寺を守っています。
お寺というより祠に近い小さな建物ですがいつも綺麗に掃き清められていて
神聖な場所であることが感じられました。
二月の間度々顔を合わせ、親しく会話をするようになっていたので
私たちが街を離れる時にはとても寂しがっていました。
帰る前に食事に招待してくれたのですが、彼の家まで行く時間が作れませんでした。
すると彼はある日の夕方にこのお寺に来ることを約束させ、
私たちに彼のお勧めを用意して待っていてくれたのです。
それはこの街で一番美味しいベーカリーで焼いた
イギリスパンと一番美味しい手つくりのバターでした。
食事を招待できない代わりに是非とも街で一番美味しいパンを食べてもらいたい、
と彼はそういうのです。
彼の差し出した
そのパンの上にはたっぷり厚切りのバターが乗ってました。
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流行り流に言えば
「半端ない」バターの厚さです。
その頃世の中ではバターは悪党として有名でした。
だから
こんなに食べていいのかい?
と一瞬迷ったのを覚えています。
でもね、それがとっても美味しかったのです。
バターをたっぷりと食べる、という習慣のない日本人の私は
バターは塗るもので食べるものではありませんでした。
値段も高いし・・・ね
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生まれて初めてバターを「食べる」感覚を味わい
その美味しい脂が口の中でパンと混じる衝撃の味に感激しました。
バターって旨い。
生まれて初めてそう思った瞬間でした。
でもそれ以来バターの厚切りは経験していません。
日本の〇〇バターではそんな気になりませんの。
値段も高いしね。
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でも最近グラスフェドバターに替えてから
バターをたっぷり塗って楽しむようになりました。
摂取量も油脂の種類によって異なります。
美味しいバターと出会えたことは最近の喜びの一つとなってます。
さ、美味しいバターで朝食をとって参りましょうか。