目指せ華麗な七十代!

旧mandalaflowerからタイトルを替えました。今から始まる七十代をより華麗に生きる覚悟です。

マジパンとアーモンドスライスのパン

2020-07-17 | グルメ

火曜日は大雨警報が発令されるほどの日でした。

気温も低く

出かける前にパンの生地を仕掛けて行くにはちょうど良い日だったのです。

いつものパンと、もう一つ卵と牛乳を入れたのと、

二種類を用意して病院へ行きました。

 

今覚えたてのシナモンロールのレシピが気にいって

今度はアーモンドとマジパンを入れた菓子パンを作ろうと思ったのです。

 

帰ってくると両方とも良い加減に膨らんでいました。

今度の菓子パンでは

一つ試してみたい方法がありました。

長い話になってしまうかもしれませんが、

それはインド旅行をしている時に知り合って

親子の契りを結んだインド人の母の教えなんです。

教えと言ったってコウコウこうですよ、と言って教えられたわけではなく、

 

インドのお母さんが毎日やって居たことを思い出しただけなんです。

 

私のインドのお父さんは歯がありません。

出会った時すでに八十を過ぎていましたがとても元気なのに

歯は一本もありませんでした。

お父さんに出会った事で人間は歯がなくても元気に暮らせる、

と知りました。

 

歯がないお父さんが何を食べていたのかをお話ししましょう。

お父さんは毎日お母さんが作るチャパティを食べていました。

ダルという豆のカレースープと焼き立てのチャパティです。

毎日食べても飽きない美味しさを何度もご馳走になりました。

この経験から

別に毎日違うものを食べる必要性も無い、と知りました。

私が今回注目したのは

お母さんの作る、

歯のないお父さんの為のチャパティの作り方です。

突然、記憶の引き出しから飛び出したみたいに

急に思い出しました。

 

 

チャパティというのはインドの人が一般的に食べている

小麦粉を練ってそれを薄く伸ばして焼いたヒラ焼きのパンの様なものです。

毎日それを食べてますから、まあそれが日本人にとってのご飯と同じ位置づけですね。

そのチャパティですが、一番素朴なパンの一種と言って良いでしょう。

普通はパン生地の様なのを薄く伸ばしてそのまま焼くだけ。

酵母は使わず粉と塩と水だけの薄焼きパン。

日本のインドレストランでは、ナンが置いてあるのが普通ですが

インドではナンは普通あまり食べません。

普通の食事はチャパティとかローティ、同じものですけどね。

冷めると固くなってしまうのでインドの人は焼き立てのチャパティを食べてますよ。

焼き立てはめっちゃ美味しいのです。

でもそれだと歯のない人にはちょっと固くて噛むのが大変なんですよ。

パンの皮だけって感じだからね。

なので

お母さんは歯のない人のためにある工夫をしました。

パン生地を伸ばしてはバターを塗り、畳んでまた伸ばし

またバターを塗って畳むことを何度か繰り返したのです。

こうすると生地と生地の合間に油の隙間ができて

サクサクのパイの様な感触のチャパティができるのです。

原理はパイの作り方と同じですよね。

小難しいどこかのパティシェのように

バターをちいさくちぎって、とか

冷蔵庫で寝かせて、とか

 

細かいこと言わない、

ただ伸ばしてバターを塗るだけでふわふわサクサクの柔らかなチャパティができるのです。

初めて見た時は魔法かと思いました。

自分が食べているチャパティと同じ生地で

こんなに違うものを作り出すってスゴイ。

コレはお母さんが考えたことなのか

それともインド版おばあちゃんの知恵袋みたいな物なのか。

それはわかりません。

で、す、が

そのように作るチャパティを他ではみたことがありません。

さすがの私もそうあちこちで毎日夕飯をご馳走になるような付き合いはしておりません。

家族となった嘉があればこその経験でした。

何はともあれ、

今日は、久しぶりにそのことを思い出し、

あのインドのお母さんのテクニックをパンの生地に応用してみよう

思いついたのです。

私はバターの代わりにココナッツオイルを使いました。

 

菓子パン用の生地を延ばしてオイルを塗り、畳んではまたオイルと、

三回繰り返しマジパンとスライスアーモンドを入れて

二百度のオーブンで焼成。

自分の脳内ではサクサクとしたパイ風に焼き上がる予定でした。

 

焼き上がったパンはほぼ想定通り。

ちょっと焼き過ぎかも。

 

でもそれが素朴な味わいとなってます。

昔どこかでこんな食感のお菓子を食べた事がある、

そんな懐かしい味なんです。

溶き卵でお化粧もせず、焼きっぱなしのスッピンちゃん。

そう呼びたくなるような

素な味わい。

 

こういう食感、昔食べた事があるって

妙に懐かしくなる出来上がりでした☆

 

 

 

 

コメント
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