猛暑の中、京都国立近代美術館「横山大観」。最終日になってしまいましたがでかけました。町は暑さの為か人の流れは何時もと違い少ないです。
明治、大正、昭和と分類されての展示。
明治時代 輪郭線を描かずに、濃淡やぼかしで空気や光を表現する「朦朧体(もうろうたい)」を描くがあまり認められなかったようです。
大正12年の「生々流転」は3回に分けての巻き替えで最終の章。トイレにまで持ち込んだと言われる下絵画帳の展示。全長40メートル超。日本一長い画巻に水の一生の物語を描く。スタートは山間に湧く雲。雲が一粒の滴となり、地に落ちて流れはじめる。川は周囲の山々や動物、人々の生活を潤しながら次第に川幅を増し、やがて海へと流れ込む。荒れ狂う海には龍が躍り、水はついに雲となって天へと昇る。そして物語は振り出しに戻る。大観の水墨技法のすべてがここに注ぎ込まれています。
昭和には昭山に因む十題」内覧会で既に全点が完売し、1点2万5千円の売り上げ総額50万円は、陸海軍にそれぞれ25万円ずつ献納されて軍用機「大観機」となったそうです。富士山などの日本固有のモチーフを多く手がけた。この時代の代表作である「夜桜」と「紅葉」は前期だったので鑑賞できませんでしたが、とても見応えある展覧会です。
昼食を挟んで相国寺承天閣美術館に移動。
米国サンタフェ在住のリー・ダークス氏は、空軍士官として日本に駐留したのを契機に日本文化に関心を持ち、浮世絵版画の名品を収集。浮世絵の祖・菱川師宣、美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽、そして葛飾北斎や歌川広重など代表的な浮世絵師の優品のみを集めたダークス氏のコレクション。保管状態が良く色鮮やかに残っていました。もちろん伊藤若冲による水墨画の傑作である重要文化財「鹿苑寺大書院障壁画」の一部を常設展示も楽しみましたよ。
オペラも、楽しかったことでしょう。
そうそう、7月31日から8月5日まで、西宮市立北口ギャラリー第一展示室で、浦川先生の「西宮造形研究会展」があります。
水、土、日の午後はおられるようですし、ぜひ、見に行ってあげて下さい。