『ジョゼフ・フーシェ』シュテファン・ツワイク著
(高橋・秋山訳)岩波文庫
「有徳と不徳との間に差別を設けず、人間の意志の価値と情熱の強度だけをはかる…」
この世の中を実際に動かしている人間はいったいどのような種類の人間なのだろう。
こうした疑問が湧き起こってきた時期があった。
その頃読んだのが、ガルブレイスの『権力の解剖』やこの特異な伝記である。
しかし、ツワイク(ツヴァイク)のこの本の苦い味わいが分かるようになるには、
しばらく後に再読する必要があった。
「すぐれた人物、純粋な観念の持主が、決定的な役割を演ずることはまれであって、
はるかに価値は劣るが、さばくことのより巧みな人間、
すなわち黒幕の人物が決定権を握っている」
という一節は、この本のテーマを語っており、
私の政治的軽信を戒めてくれた。
(高橋・秋山訳)岩波文庫
「有徳と不徳との間に差別を設けず、人間の意志の価値と情熱の強度だけをはかる…」
この世の中を実際に動かしている人間はいったいどのような種類の人間なのだろう。
こうした疑問が湧き起こってきた時期があった。
その頃読んだのが、ガルブレイスの『権力の解剖』やこの特異な伝記である。
しかし、ツワイク(ツヴァイク)のこの本の苦い味わいが分かるようになるには、
しばらく後に再読する必要があった。
「すぐれた人物、純粋な観念の持主が、決定的な役割を演ずることはまれであって、
はるかに価値は劣るが、さばくことのより巧みな人間、
すなわち黒幕の人物が決定権を握っている」
という一節は、この本のテーマを語っており、
私の政治的軽信を戒めてくれた。