宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

ベールの向こうのランデブー

2014年05月12日 12時34分20秒 | 

大工仕事をしている最中、空の青みは薄くなったり濃くなったりを繰り返していた。そして迎えた日暮れ。これほど雲が濃いとさすがに惑星の表面は狙えない。海の上には月齢12の月が掛かっていた。その月の神アルテミスをエスコートするように、左後ろに控えているのは軍神マルスだ。そう言えばこの戦の神はついこの前まで、月の下に見えるおとめ座のα星スピカの隣りに居た。なんとも移り気な神様だが、それも「惑星」と言う名の由来の一つなのかも知れない。

二人の表情は雲に阻まれて良く分からない。しかし、ベールの向こうの密会は何かしら怪しい雰囲気が漂う。月の神アルテミスは見ている間にもどんどん東に移動して、家に帰った時には軍神を通り過ぎていた。火星は今地球への最接近を終えて、一日およそ67万6000キロという猛スピードで遠ざかっている。次に近づくのは2年先だ。

ところで、今日の大工仕事は東側の軒を支える桁受けの取り付けと防腐剤の塗布。空を撮る頃には体中がクレオソート臭かった。カメラに影響がなければいいのだが。次の休みまでには窓サッシが一つ届く予定だ。

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姿を現したサソリ

2014年05月05日 00時07分39秒 | 

望遠鏡を使った惑星の拡大撮影は本当に久しぶりだった。撮影用のアタッチメントやアイピースをどこに置いたかのか、それすら憶えていない。竹取庵の階段を上がったり下りたりで小一時間が過ぎてしまった。そのため火星の撮影を終えて時計を見ると午前0時が迫ろうとしている。南の空にはサソリが姿を現し始めていた。サソリの爪の先で輝いているのは、今日のもう一つのターゲットになるはずだった土星だ。
撮ろうかな。少し迷ったが、昼間の仕事の疲れも手伝って、これ以上撮影を続けると運転が怪しくなりそうだ。悔しいけれど帰る事にしよう。地球に最も近づく「衝」は先月末に終わったが、この星の離れ方はゆっくりとしている。まだしばらくは大丈夫だろう。

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ターゲットは火星

2014年05月04日 00時12分19秒 | 

空全体を薄い靄が覆っている。こんな日に星雲を狙ってもいい結果は出ない。だから撮影するのは初めから惑星と決めていた。と言っても、狙えたはずの木星はもう沈んでいる。残る対象は目の前の火星と後から昇って来た土星だ。火星は今おとめ座に居てα星スピカと並んでいた。地球との距離は9750万6400キロメートル。地球への接近を終えて少しずつ遠ざかっている。それでも明るさはマイナス1.1等級だ。一等星スピカを軽く凌いでいた。ただ視直径は14秒と、1度の240分の1しかない。何とか鮮明に撮りたくて、初め45センチかぐや姫で狙おうと思ったが、いろんな不具合をまだ修復出来ていない。やむなくいつも通りの8センチフローライト屈折を使うことにした。

この望遠鏡は焦点距離が600mmだ。惑星を狙うのにけっして有利な道具ではない。5ミリのアイピースにレンズを外した大きいほうのカメラを繋ぐ「拡大法」で撮影するのだが、ピントがなかなか合わない。手回しは難しい。電動フォーカスが要るなあ。あれ、赤道儀のコントローラーはどこに行った?そうブツブツ言いながら20枚ほど撮影。その画像の中から比較的鮮明で歪みの少ないもの6枚を選んで重ね合わせたのがこれだ。カメラ感度は3200に設定している。

穏やかに見える空でも、惑星を拡大して撮影すると結構ムニョムニョと動いている。それを沢山重ね合わせると、確かに撮像版の粒子は消えるが、同時に微妙な模様も薄れてしまう。よほど良い画像でない限りこの程度に留めたほうが良策のような気がする。

この火星。8センチで撮影した割には良い出来だと思う。

僕の惑星の画像は、一般の天体写真と違って地球と同じように北極側を上にしています。この表示が正しいと堅く信じているからです。天文ファンのみなさん、悪しからず。

 

           

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星空に逢いたくて

2014年05月03日 05時28分10秒 | 

今年のゴールデンウィークは真ん中に3日平日が有る。11日に及ぶ長い連休の期間で、晴れるのはこの平日の後半2日間だけだと天気予報は告げていた。冗談じゃない。それではせっかくの大型連休に、一日も星空が拝めなくなるではないか。何がなんでも今夜は丘に上がらなくては。そう決めたのが平日3日目の昼休みだった。

仕事が終わって家に帰る頃、空はかなりの雲に覆われていた。しかし夕焼けに染まるその雲の向こうに、きっと晴れ間が広がっていると信じてカメラを用意する。出発に手間取ってしまい、丘に着いたのは午後9時過ぎだった。昨日からの靄が気になっていたが、車の外に出てみると意外に星がたくさん見える。北斗の針がまもなく子午線に差し掛かろうとしていた。今夜の標的の一つだった木星は、すでに西の街明かりに埋もれようとしている。

星。久々のみかんの丘の星空。風もほとんど無く、惑星を撮るのにはまずまずのコンディションだと思えた。

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北斗が昇る

2014年02月28日 00時02分16秒 | 

塵に煙る星空に手こずるうち、時計の針は午後9時を回っていた。明日はもちろん仕事だし、これ以上頑張っても成果は得られない。もう帰ろう。北の空を見ると春を告げる星座おおぐま座が昇っていた。広く知られている北斗七星はこのおおぐま座の後ろ半分だ。ひしゃくの柄は熊のしっぽにあたるが、こんなしっぽの長い熊は見た事が無い。そう言えば隣りのこぐまも長いしっぽを持っている。ひょっとすると古代ギリシャの熊はみんなしっぽが長かったのかも知れない。こぐまはどこかと探したが、しっぽの先、北極星がかろうじて見えるだけで、そのほとんどは塵に埋もれていた。

みんな、ありがとう。また来るね。今度は塵の無い澄んだ夜に。

 

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塵にまみれた狩人

2014年02月27日 00時13分26秒 | 

なかなかうまく行かない魚眼撮影に手こずっているうちに日は次第に暮れて行った。観測デッキに上がったものの、さて何を撮ろうかな。靄の中で選べる被写体は限られる。星雲はとても無理だろう。また頭上に輝く木星も、以前土星で失敗したような泥だらけの画像になる気がする。そこで無難に真南に居るオリオンを狙う事にした。

赤道儀に載せたカメラ雲台に大きいほうのカメラを取り付け、レンズをワイドいっぱいの28㎜にして「荒くれの狩人」に向けた。魚眼の画像ではまだ南中していなかったこの星座が、カメラを向けたときには真南より少し西に傾いている。西にある街明かりを受けて、星座の右半分が赤い。
どうかな。カメラ感度1600、絞り3.5、露出3分。モニターに現れた画像は真っ白。これではだめだ。露出を3分の1に縮めて撮り直し、画像処理をかなり加えたのが上の写真だ。これではまるで、塵にまみれた狩人のブロマイド。プライドの高いオリオンはきっとこの写真をお気に召さないだろう。

それでもと、試しにカメラを8センチ屈折に繋いで炎星雲を撮ってみた。露出5分でやっぱり真っ白。仕方なく、露出4分と3分の写真を画像処理して重ねたのがこの写真だ。

頑張って画像処理してみても、元画像に無い星雲は浮き出て来ない。澄み切った空なら15分シャッターを開いてもかぶらないと思うと寂しくなる。これでは炎も消え入りそうだ。せっかくの月の無い夜なのに。

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魚眼で見た空

2014年02月26日 00時17分03秒 | 

変わったレンズがたまたま手に入った。「ウルトラワイドコンバーター」つまり、カメラの前にくっつけると、画角180度の景色が撮れる『魚眼コンバージョンレンズ』だ。元々は監視用ビデオカメラの前に付けて不審者を見張るものらしい。しかし、せっかく僕のところにやって来たのだ。星を撮らない手は無い。ただ明らかに口径が違う。どう繋げばいいのか分からない。とりあえず小さいほうのカメラの標準ズームの保護フィルターを外し、その上に載せてみた。

それで撮ったのが上の写真だ。後から分かったのだが、これではレンズの凸面同士が直に触れ、ゴロゴロと動いて位置が定まらない。結果画面の右側(西側)がボケてしまった。これはこれからの課題だが、上手く行けばみかんの丘の満天の星空が撮れるかもしれない。ただ、テスト撮影した今夜の空は、日暮れ直後の事も有って一面に霞が掛かり、星がはっきり見えるのは頭の上だけだった。それに、2分半の露出では魚眼でも星が流れる。もっと高感度にして露出時間を短縮する必要が有る。

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平日の贅沢

2014年01月24日 01時59分04秒 | 

先週末は休む暇が無かった。そこで少し贅沢をして週も半ばの今日代休を取る事にした。溜まっていた家の用事を済ませたため、丘に上がったのは午後2時。まあいいか。せっかくもらった休み。寒さも緩んでいた。何でもいいから星の写真を撮りたい。そんないい加減な気持ちも有って車には一式入ったカメラバッグが載っている。

 

竹取庵の増築部分の工事を少し進めたところで日が暮れて、さて何を撮ろうかと見回したが、期待したほど空が冴えない。何となく靄が有るのだ。ただ東の空だけは比較的抜けが良く、おなじみの冬星座が姿を見せていた。にぎやかな星たちを眺めているうちにふと、先日試した日周運動動画が撮りたくなった。
大きいほうのカメラを三脚に取り付け、ズームレンズの焦点距離を28ミリにセット。みかん畑の東の端に運んで、落葉を振った高木の枝越しに星たちを狙う。仕上がりを想像しながら、カメラ感度1600、露出18秒、撮影間隔は30秒とした。今日はインターバルタイマーを持って来ている。撮影のほうはカメラに任せて、ぼんやり星を眺めたり、竹取庵に入ってコーヒーを飲んだりと、ゆったりした時を過ごした。やがて予定の30分が経ち、カメラは60枚の写真を撮り終えて沈黙した。その画像を帰って処理したのがこれだ。

 

 

画像の色数が少ないため、枝や幹の細かいディテールが出ていない。本当は最低でも幅1000ピクセル色数256でアップしたかった。しかしそれでは10メガバイト近くにもなり、ここにアップできる限界の4メガバイトを大きく超えてしまう。仕方なく幅850ピクセル、色数128とした。これでも3.7メガバイトだ。







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冬星座にお別れ

2014年01月07日 00時06分03秒 | 

葉をふるった枯木立の向こうに冬の星座が昇る。時刻は7時半になろうとしていた。いい加減の思い付きで畑の中に1時間以上もじっとしていると、氷点下とまではいかないみかんの丘でも芯まで冷えてくる。今日は星を撮る予定が無かった。だから防寒の用意はほとんどして来ていない。自業自得。この写真を撮って終わりとした。これから冬の星座が被写体になる。この季節の空にはいくつか宿題が残っている。頑張ろうかな。体は寒くても気持ちは暖か。正月明けの忙しさも、しばらくは凌げそうだ。

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旅人は杉の木の向こう

2013年12月08日 00時47分38秒 | 

期待のアイソン彗星は太陽への接近で砕けて融けてしまった。しかし、ぼんやりとした塵の尾だけは見られるかも知れない。そんな淡い期待があった。また、そのすぐ脇でもう一つ明るさを増しているほうき星がある。ラブジョイ彗星だ。
パソコンの天体シミュレーターを開いて二つの彗星の位置を確認した。アイソン彗星の名残は今へび座にいる。曙の薄暮の中だ。これでは見えるかどうか分からない。しかしラブジョイ彗星はかんむり座の10度ほど北。こちらはもう昇っている。空はまだ暗いから、これなら狙えるかも知れないぞ。うしかい座のアークトゥールスを頼りにかんむり座を探そうとして唖然とした。求める空の旅人は高い木立の向こうなのだ。

竹取庵の東には、みかんの風よけのために植えられた杉の木がある。見晴らしのいいみかんの丘で、数少ない障害物の一つだ。かんむり座は事も有ろうにその木にすっぽり隠れていた。選りによってなぜあそこ…
小型の赤道儀を組み立てて見える所まで移動しようかとも考えた。しかし、そんな俄仕立てがうまくいくとは思えない。待とう。それしか無い。ただ、夜は次第に明けてゆく。すでに東の山の端はぼんやり明るかった。焦る気持ちを抑えながら待つことおよそ50分。杉の木のてっぺんの右端にかんむり座のα星アルフェッカが見えた。10センチの双眼鏡をその左に向ける。見えた。ようやく求めるほうき星がみかんの丘に現れた。急いで赤道儀に取り付けていた大きいほうのカメラに火を入れる。焦点距離100ミリ、カメラ感度3200、絞り解放の4、露出40秒。何とか捉えた空の旅人。

杉の上の薄明るい空でしっかりと尾を引いている。この後ズームいっぱいの300ミリで撮影したが、ガサガサと構図をいじっているうちにフォーカスリングが動いたらしい。帰って拡大してみるとピントがぼけていた。

このズームレンズはかなりの安物で、リングがすぐに動いてしまう。やれやれ、毎回ピントを合わせるのは基本中の基本。この彗星の撮影も宿題になってしまった。

後片付けの最中に夜が明ける。明け行く空でアイソン彗星を探したが、結局どこに居るか確認できなかった。

 

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星屑のイルミネーション

2013年12月07日 12時29分09秒 | 

寝坊してはもったいない。昨夜見た気圧配置がそう教えてくれていた。午前3時にセットした携帯の目覚ましで目を醒まし、用意しておいたカメラバッグを手に車に乗る。みかんの丘に着いたのは4時過ぎだった。

車から出て息を呑む。雲一つ無い空に冬の星座と春の星座が同居していた。少し西を冬の天の川が下っている。満天に散りばめられた星屑のイルミネーション。それは人が作ったどんな電飾よりも美しく、自然だ。

茫然と眺めているうちに涙がにじむ。やがて我に返って竹取庵の鍵を開けた。ここで時間を食っている暇は無い。今日は二つのほうき星を捉えに来たのだ。観測デッキに上がって屋根を開け、赤道儀に火を入れた。

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あれから一週間

2013年11月23日 11時47分26秒 | 

アイソン彗星をなんとか捉えてから一週間が経った。明け方の空はおおむね晴れていたが、未明の撮影だけに平日は仕事に支障が出る。焦る気持ちを抑えて待った一週間。今朝も午前4時前に家を出て、丘に到着したのは5時前だった。ほうき星はこの一週間に太陽に大きく近づいていて、水平線から顔を出すのは午前5時半を過ぎる。いくら日の出が遅くなったとはいえ撮れるだろうか。そんな不安を持ちながら竹取庵の屋根を開けた。

 

上の写真は午前5時26分。まだ彗星は昇っていない。今朝は左に水星を従えて登場する手はずになっている。双眼鏡をのぞきながらヒロインのお出ましを待った。赤道儀のカメラマウントには300ミリの望遠を取り付けた小さい方のカメラが待機している。

午前4時35分、向こうの丘の上に明けの明星が姿を現す。その星を頼りに双眼鏡でほうき星を探した。空はもうずいぶん明るくなっていた。アイソン彗星は難なく見つけたものの、バックの明るさのせいで尾が確認できない。ダメだろうか、そう思いながら小さいカメラで狙ってみる。もちろんファインダーでは何も見えない。カメラ感度1600、絞り5.6、露出15秒。とりあえずシャッターを切って、モニターに映る画像を見て画角を決めた。

 

 

撮影はほぼ1分間隔。1枚撮るごとに空が明るくなってゆく。上の写真は2番目に撮影したものを画像処理したもの。長い尾が右上に伸びている。もっときつく加工したもので確認すると、尾はトリミングしたこの画角をはみ出していた。コマと呼ばれる彗星の核を取り巻くガスも、先週に比べて倍以上に成長している。20センチの望遠鏡に取り付けていた大きいほうのカメラは真っ白け。予想はしていたが成果を得られなかった。

 

一旦帰宅して仮眠の後みかんの丘に戻って大工仕事をした。しかし、どうしても画像が気になって夕方早々に帰宅。朝撮影した8枚を合成したものがこれだ。

 

 


合成は彗星の核を基準にやってみた。8枚撮影するのに要した時間は5分。その間にほうき星はこれだけ動いたことになる。太陽最接近まであと6日。もう撮影は出来ないだろう。無事通過して華麗な姿を見せてくれることを祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夜明け前の出会い

2013年11月16日 19時49分41秒 | 

携帯の目覚ましベルが鳴ったのが午前4時。みかんの丘に到着したのが午前4時50分。アイソン彗星の居るおとめ座はもう昇っていた。急いで竹取庵の屋根を開ける。パソコンを開いてシミュレーターで位置を確認し、10センチの双眼鏡を向けた。場所はα星スピカの少し上だ。

いた!思ったよりはっきり見える。尾も確認できた。これなら写る。ただ、望遠鏡を使う自信は無かった。セットしているうちに夜が明けてしまう。
大きい方のカメラを赤道儀に取り付け、とりあえずレンズを28ミリにしてカメラ感度2000、絞り3.5露出45秒としてみる。この後何度か露出を変えて写してみたが、空がだんだん明るくなってきて、結局最初に撮った5時20分のものが一番はっきりしている。

続いてズームいっぱいの135ミリで撮影。カメラ感度は同じく2000、絞りは開放の5.6、露出45秒。ファインダーでは見えないため、ほぼあてずっぽうで狙ってみたが、

近くの星を頼りに割り出した明るさは4等、尾の長さは1度にかなり迫る46分。月の直径の1.5倍だ。太陽に最接近するのが今月29日。どこまで明るくなるのだろう。どうぞ壊れませんように。
祈りながらあれこれ撮影してるうちに空が本当に明るくなってしまった。これからが楽しみ。ただ、明け方と言うのは眠いのが辛い。

 

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おとぎの国の星たち

2013年10月10日 00時05分47秒 | 

今夜ここまで撮影した星空は全部で6枚。露出時間の平均を見ると13分になっていた。メモリーカードへの転送時間は露光時間とほぼ同じだから、カメラは2時間半以上も孤軍奮闘していたことになる。お疲れ様。時計の針は午後10時をかなり回っていた。最後に日周運動を撮っておこうか。もう少し頑張れるかな。バッテリーの残量を見ながらカメラに聞いてみた。何をいまさら。撮る事に決めてるくせに。カメラが笑う。

それならと彼を赤道儀から下ろしてワイドレンズに付け替えた。焦点距離10ミリ。絞り値を開放の5にしてカメラ感度400露出12分としてみる。やっぱり物足らない。そこでレンズを対角線魚眼に替えてみた。カメラ感度を200に落とし、露出20分。
撮影を終わると時刻は11時に近かった。もう帰ろう。明日は仕事。小さいほうのカメラを助手席に置いて画像処理と転送作業をさせ、他の道具を片づけて屋根を閉めた。帰る道中ふとカメラを見るとモニターの灯が消えている。あれ、処理が終わったのかな。スイッチを入れ直してみたがうんともすんとも言わない。本当に電池が切れてしまったのだ。データの保存まで電池が持たなかったかな。そう思いながら帰ってメモリーカードをパソコンに入れてみると…

カメラは画像処理を終え、カードにデータを保存したあとこと切れていた。お疲れ様。頑張ったね。君にも予備のバッテリーを買ってやらなければ。小さいほうのカメラEOSkissX4が最後にものにしたのが上の写真だ。カメラの設定にもよるが、透明度の高い空では星の色が驚くほど出る。まるでおとぎの国の星空だ。

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極上の星空

2013年10月08日 20時12分14秒 | 

カメラを二台用意し、それぞれの役割を決めて撮影準備に掛かった。ところが、大きい方のカメラのスイッチを入れた途端「コンパクトフラッシュが入っていません」と言う警告。えっ、まさか。このカメラ用にバッテリーを2つフルチャージして来たのに。そう言えばメモリーカードを確認しなかった。ああ失敗!
仕方が無い。今夜は小さい方のカメラに頑張ってもらおう。
と言うわけで急きょ計画を変更。大きい方のカメラのレンズを小さいカメラに取り付け、赤道儀に載せ替えて構図を取った。そうこうしているうちに空に散らばっていた雲は次々に消え、午後8時近くには満天の星空に変わった。

今夜の被写体は去年設定を甘く見て失敗したはくちょう座の北アメリカ星雲だ。これ一つに絞って他は撮らない。そう決めていた。天の川は北東から南西に向けて流れている。はくちょう座は本当に真上だ。カメラ感度を800にしてズームレンズをワイドいっぱいの28ミリにセットする。センサーが小さい分画角が狭い。はくちょう座の全景は入らなかった。露出5分でこの星座を取り巻く光りのさざ波がなんとか捉えられた。天の川はデネブのあたりで左右2本に分かれる。その分岐点に有るのが北アメリカ星雲だ。

カメラが頑張っている間、最近手に入れた道具で星空を楽しむ事にした。口径10センチの双眼鏡。もちろん中古だが、定評有る光学系の切れ味はなかなかだ。

球状星団、散光星雲、渦巻銀河。思いつく対象を次々に視野に入れながら気が付いた。今夜は星が瞬かない。月齢1。月の出を心配しなくていい。しかも透明度が高くて気流が安定している。これこそ本当に極上の星空だ。ああ、最高。独りで喜ぶ僕の脇でカメラは真剣に空を狙っていた。

 

 

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