綺麗な青空が朝から広がっていた。雲もほとんど無かった。こんな日は夜まで晴れるかと言うと、そうは行かない事くらい分かっていた。それでも、今日行かなければもう星を撮ろうという思いが薄らいでしまう。そんな強迫観念にも似た気持ちでカメラバッグを持った。家を出たのは午後4時半。丘に着くと、目の前は確かに青空だが、西の方からゆっくりと薄雲が迫っていた。気象衛星の画像によると大陸から雲の細い触手がこちらに向かって延びようとしている。
観測デッキの蜂の巣騒動はまだ収まっていなかったが、蜂そのものはもう居ない。床に転がっている死骸に注意しながらデッキの南端に辿りついて屋根を開けた。思ったより雲が少ない。しばらく待っているとぼんやりと天の川も見え始めた。
透明度が今一つなだけに左程期待はしていないが、それでも星を撮りに丘に上がったのは7月下旬以来。3か月近くも前の話だ。なんとか星らしいものを撮らなくては。それに今日は新しいカメラも持って来ている。そのテストも兼ねていた。
上の写真はあのコンデジ、CANON G7Xの上に魚眼アタッチメントを載せて撮っている。冗談のようなものだが、それにしても周辺の収差が激しすぎる。暮れまでには何とか本物の円周魚眼を手に入れたいものだ。