家族の不幸や仕事のごたごたが続いて、仕切り直したはずのみかんの丘の作業がずっと停滞している。と言っても誰かのせいではなく、歳を重ねれば必ず訪れるエポック、一里塚のようなものだと思う。それでも竹取庵の工事を放置していては自分の存在意義が失われるような気がして、追い立てられるように丘に上がる。やっていることは内装の続き。星の撮影の所まで届いていない。
ところで、去年から今年に掛けての気候は異常だ。丘の植物がそれをはっきりと現わしている。
今年の春に丘に上がった時、丘一帯で毛虫が大量発生していた。その毛虫を駆除する間もなく今度はハナムグリなどの害虫の増加。それを反映したのか、今年はみかんがほとんど花を付けなかった。これほどの不作は今まで経験したことが無い。
かろうじて花の咲いたみかんの木に小さな実が付いている。しかしその実も害虫にやられているものが多い。実の付いていない木は新芽を伸ばしていた。そうだ、その方が賢明かも知れない。今年の冬は、みかんの丘のみかんは期待できない。体も仕事も星の活動も、このみかんの木たちと同様に立て直しの時期という事なのだろうか。