お客さまを招いて一週間たった竹取庵。継続して整備を続けなければ劣化が起こる。改めて感じながら上がった今日のみかんの丘は青空が広がっていた。海を挟んで小豆島がきれいだ。この写真を撮るために竹取庵の北側に上がってみると、以前切り倒された杉の木の切り株が、さらに切られて低くなっていた。娘さんに聞くと、切株を足場にして鹿が柵の内外を行ったり来たりするので、娘さんのご主人がもう一度切ったと言う。
そうか、鹿がここで飛び跳ねるのか。鹿が。ふふ。想像してしまい、娘さんご夫婦には申し訳ないがちょっと楽しくなった。ここに入るという事は竹取庵の傍にも来るという事だ。いつか会えるかな。ただ、鹿たちはみかんを食べに来る。それも食べるとなると根こそぎだ。それは勘弁してもらいたい。
今年のみかんたちは、この猛暑の中で頑張って沢山実を付けている。
どうかそのまま色付かせて欲しい。過去にはせっかく色付いたみかんをイノシシにすっかり食べられて、しかも地面まで掘り起こされた事がある。
この丘のみかんは甘い。おそらく元々の土壌と、おじさんおばさん、そして娘さんご夫婦の土づくりの努力の賜物だ。それだけに動物たちに狙われやすい。おじさんに知り合った当時、みかんを狙うカラスを撃退するためにおじさんが百均の手鏡をあちこちにぶら下げていたのを思い出す。
そんな動物たちが来にくくするためにも、竹取庵に灯りを灯さなくては。と言う訳で今日も観測デッキの工事を進めることにした。
そう、デッキは来客のためにここまで床を張っていた。
これを今日はさらに進めようと、来る途中で買い込んだ材料をデッキに運んだが、海風を受けるはずの観測デッキも予想を超える暑さ。仕事を終えた翌日の体にはかなり堪えた。そこで床貼りは一枚だけにして、前から気になっていたデッキ北側の照明の取り付けをすることにする。と言っても、40Wの蛍光灯を屋根裏に取り付けるだけ。配線工事は後ほどという事で、不甲斐無いが午後の5時前には終わってしまった。本当は赤道儀に新しいシステムを取り付けるつもりだったが、こちらの方は準備不足で手が付けられない。まあ良いか。これからはかなり頻繁に来られると思う。みんな待ってろよ。と機材に言い聞かせて、開いた妻から外を見た。
絶好の撮影日和にみえるが、今日はカメラを持って来ていないし、作業的にもそこまで辿り着けない。悔しい思いで傍にある双眼鏡に目を遣った。せめてこれで海でも撮るか。双眼鏡の接眼部にスマホのレンズを重ねて撮ったのがこれ。
この写真が今日の唯一の成果だ。そして、今日はここまでとした。
西日に照らされた竹取庵は、作業の復活を喜んでいるように思える。
本当に長い間放置していた竹取庵。次は外装の防虫防腐処理もしなくては。スズメバチに巣を作られるとこちらの命に関わる。頑張って通おうと思いながら丘を後にした。
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