なんだかようやく本当の秋が来たような気がする。太平洋にはまた新しい台風が二つも出来ているけれど、ここ数日の空を見てそう思う。
この秋三度目の三連休の初日、真っ青な空に魅かれてみかんの丘に上がった。月齢は7.5だから星の撮影は難しいが、せっかくの深まる秋に丘に上がらない手は無い。明るいうちに残っていた竹取庵の柱の溝切りとほぞ穴掘りを終え、日暮れを待たずに観測デッキの屋根を開いた。
澄んだ空の南東に上弦の月が掛かっている。島影も美しい。沖では漁船がカキ筏の準備を始めていた。この筏が丘から見た海を埋める頃、季節が冬に移ってゆく。双眼鏡でその様子を眺めているうちに空は明みを失っていった。
空気が澄んでいるせいか、まだ半分の月が目に眩しい。それなのに辺りに星が瞬き始めている。これなら天の川も見えるかな。そう思いながら双眼鏡で月を堪能する。そうだ、今日丘に上がった証拠に月を撮っておこう。
かぐや姫はまだメンテナンス中。赤道儀に載せている20センチに小さいカメラを取り付けた。こいつもまだ調整中だが月くらいは撮れるだろう。
デッキを時折つむじ風が舞う。「風の音にぞ驚かれぬる」という歌を思い出した。あれは初秋を詠んだ和歌だ。仲秋を過ごして月を迎えるこの丘には季節違いだが、今年の異常な気候には何となくしっくりくる気がした。
目にはさやかに見えねども・・・季節は必ず廻って来ますね。
望遠鏡達が、早くメンテナンスしてもらえますように・・・。
お月さまにお祈りします(笑)