仕事に追われ追われて日々が過ぎ、どうしているのかとみかんの丘のおばさんが電話をしてくるくらい行けていない。いや、行く事が出来ない。その仕事にようやく区切りが付いて家に帰り、寝床に入ったもののなかなか寝られない。仕方なく起き出して、猫と一緒に庭に出た昨日の午前2時。
えっ…
びっくりするくらい綺麗な星空。あの台風が塵も埃もみんな拭い去ったのだろうか、これほど透明度の高い星空を自宅で見上げた事は久しくなかった。寝る前は確か雲だらけだったと思うのに。
誕生日。そう、昨日は僕の誕生日だった。僕が生まれたのは9月6日の午前3時だという。それに合わせて空が晴れたのだろうか。ふふふ、なんとなく母ちゃんのにおいがする。これは母ちゃんの僕への誕生日プレゼントかな。そうだろうな、そんな気がする。どうしてこの時刻が分かったんだろう。ちょっぴり悲しいけれど嬉しかった。
街中の、建物の屋根と電線に区切られた秋の星空。その中にもアンドロメダとペガサスが織りなす秋の矩形がちゃんとあり、傍でプレイアデスの七姉妹が踊っている。、雄牛は角を振り立て、ペルセウスはメデューサの首を掲げていた。一段と明るく輝くのは木星だ。ずいぶんご無沙汰だね、星たちが笑う。そうだね、僕は一体どうしちゃったんだろう。僕は僕に戻らなくちゃ。
今月は12日が中秋の名月。今年こそ正真正銘の満月だという、でも、行こうかな、この星空に招かれて。僕が僕に戻るために。
有難うすぐに訂正しました。
正解は12日です。
カレンダーに十五夜って書いてある…。