文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

■千葉県内の里山の現状とは何か。改めて検証を加えてみます。(9)

2009-07-08 20:56:56 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
2009-6-23
千葉の里山が石炭産業と同じ立場に

 里山を美化して話をすることはいくらでもできます。
個人的には、素晴らしい手入れされた里山を各地で見てきています。
 しかし、日本の庭園のモデルの一つとして見ていくと、なりわいの場としてあったとしても、それが有料の公園として、その大変な手入れをカバーできる場所でしょうか。
 所有者である農家の方々の甚大なご参加をいただけないと、NPOや市民だけの力では継続しての維持管理は、とても大変だろうなと考えています。
ともかく、そのような恵まれた個所はとても少なく、その多くがNPO法人や市民によって維持管理されていると場だと聞くと、頭が下がるだけでなく、その永続的な努力をどのようにして補っていられるのが心配になる。
 まさに、これが心配の基本です。

 ここまで放置してしまった結果を、再構築することは至難の業であるということ。
事実にいかに直面してうろたえないですむかにかかっています。

1 かっての千葉県の豊かな里山は、40年前に、その前提条件が一気に崩壊してしまって
 現在に至っています。
 いま、千葉の里山からの生態系サービス(里山の恵み)はほとんどない。結果として所有者や管理者が、里山の恵みとして、所得を得ることが出来ない状態が、早や40年以上を経過してしまっています。

2 エネルギー源としての里山の機能
  昭和30年代後半、里山の木材資源(落ち葉、松葉、ほだ木、薪、炭)などは石油に代わって、石炭と同様に一気に切り捨てられてしまいました。
 里山のもっとも重要な現金収入源であり、里山を維持成立させる根底が切り捨てられてしまいました。
それからは、里山を手入れができる根拠が途絶え、手入れをしないことが赤字を減らす最善の策とされてしまいました。
 途端に山が荒れだして、春の筍、旬の春野菜、そして秋のキノコなどの、大切な旬の味も消滅し、都会地への季節の便りも、だんだんと届けられなくなってしまいました。
 大切な都会地のお客先をも失っていくことに

3 さらに追い打ちをかけたのが、初期のダイオキシンたっぷりの除草剤の全国的な利用開始がなされると同時に、千葉県では特に顕著に河川、特に沼地の水草の壊滅的な消滅がおこりました それによる、
 (1) 水草をモク取りとして、秋に収穫し発酵させて、自前で理想的な肥料をつくるための基盤が壊れ自前での農産物を作るに貴重な肥料が絶えた。
 (2) 小魚や、エビ、そしてマシジミやヤマトシジミ等の高付加価値ある漁業の恵みが消えて収入激減を招いてしまいました。里沼、里川部分での生活基盤もことごとく壊れてしまった。 

4 北海道の石炭産業の中心にあった夕張市と同様に、エネルギー革命による没落と、
 農業・水産資源の枯渇を引き起こして、それでも何とか40年間、何とか今まで食いつないできたが、夕張市よりも、ある面では深刻な状況を、さらに通り越していると考えます

5 現象として
 (1)東金市や、木更津市以南、君津などから、山砂の採取ラッシュとなってきている。
  「きなだやま」のごとき、山全体を、国有地を全体壊してしまう。
  千葉銀行総研までもが、最善の政策課題だとの報告書を出す始末
 (2) 千葉県名物の水産物であったはずの小魚の佃煮はほとんど琵琶湖産
  シジミはほとんど島根県の宍道湖産か、琵琶湖さん、あるいは茨城県の涸沼産,
あさりは海外産 
現在、内水面で佃煮用の「モロコ」が全滅状態で、すべて琵琶湖産に皮が硬くて佃煮に使えない「タモロコ」に変わってしまっている。
 (3) アクアラインの通年800円化で、誰が喜ぶか。
 神奈川県側では残土・産廃業者。 日帰りでバスツアーを組める観光業者。
 千葉県側では山砂採取業者と、内陸部の高額所得者(神奈川県でお買い物)とまで、言われています。

荒尾稔 minoruarao@tml.co.jp
 * あくまで、この意見は荒尾の個人的な意見であります。

 

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