2019年3月 東海道本線に沿って歩く旅
2日目・2019年(平成31年)3月28日(木曜日) 川崎駅 ―> 鶴見駅 3.5Km
今では旧型になってしまったカプセルホテルの内部。
午前5時に起きてチェックアウトする。
早朝だというのに人通りが多い。大都会は24時間眠らないのだ。
まず川崎駅へ行き駅前を見て回る。
大きな岩が積み重ねてある。いったいなにがあったのだろう。
「希望」というモニュメント?彫刻?の美術作品のようだ。
大きな岩の重みで希望がつぶされそう・・・ということを表しているのだろうか。
現代アートはわたしにはよくわからない。
その隣にはこれ。
こういう美術作品もわたしにはわからない、単に美術的なセンスがないだけだろうけど。
川崎市のマンホールの蓋はカラフルである。
歌手坂本九さんの石碑もあった。坂本九さんは川崎市の出身だったのか。
男が柱の鏡に向かって何か言っている。
鏡に映る自分に話しかけているのだった。都会にはいろんな人がいるものだ。
その様子をずーっと見ていたわたしもヘンな人に違いない。
川崎駅を後にして歩き出す。
ずいぶんと壁が錆でしまったビルがあった。
だがよく見るとわざわざ錆びているように見せているデザインなのだった。
これなら将来本当に錆で汚れても分からないわけだな。
このマンホールの絵柄は川崎市の花、ツツジだろう。
川崎急行八町畷駅近くには松尾芭蕉の句碑があった。
JRではないけれど電車が来るとついシャッターを押してしまう。
このあたりも細い路地があちこちにある。
鶴見市場駅付近。
春なのか秋なのか判然としない商店街の飾りを撮影。
これは一年中飾ってあるんだろうな。
まだ肌寒い日が続いているが花は春を運んできている。
路地の奥に神社が見えたので行ってみると。
市場の一里塚跡だった。
ところどころに道祖神がある。
旧東海道を歩く人のために道路上にも案内のプレートがある。
鶴見川を渡る。
快晴とは言えないが風もなく歩くには快適な日だ。
公園でひと休み。
昨夜コンビニで買ったパンで朝食にする。
わたしが桜の写真を撮っていたら公園の掃除をしていたおじさんが話しかけてきた。
「桜を撮影してるの? 桜ってなんかうすぼんやりしてるよねえ」
「はぁ・・そういえばそうですねぇ」
日本人は桜が好きだ。
赤、黄色など鮮やかな色でなく、はっきりしないところが日本人の性格に合うのだろう。
♪さくら、さくら・・・かすみか雲か・・♪
霞なのか雲なのか判然としないところを愛でるのだ。
花の香りもほぼない。
ぱっと咲いてぱっと散る。
こんなところも日本人の好みである。
太平洋戦争末期に特攻兵器として「桜花」というがあった。
爆弾に隊員が乗って突っ込んでいくという、とんでもない兵器だ。
“桜のように散る”というのがよいこととされた時代だったのだ。
なにごとも明確にしないで「うすぼんやり」と曖昧にしておくというのも日本人である。
意見をはっきり言わず「その件は前向きに検討させていただきます」みたいな表現をする。
わたしもたったいま「はぁ・・そうですねぇ」と曖昧な返事をしたばかりだけど。
これらも桜を日本人が好む理由ではないだろうか。
パンを5分で食べ終えて歩き出す。
最近は駅にも公園にもゴミ箱を置いてない。
ゴミをバックパックに入れたまま持ち歩くことになってしまう。
公園の隣にはこんな銅像?美術作品?が立っていた。
宇宙人なのかそれとも・・
わたしがひらめいたのは山形県上山市の奇祭「加勢鳥」(かせどり)だ。
【写真は山形観光ポータルから借用】
江戸時代から伝わるお祭りとのことだが、なんとそっくりではないか。
もしかして川崎市と上山市は姉妹都市なのか。
すこし行くとこんどは鶴見神社前に通りかかった。
社殿の前の賽銭箱を見ると真っ赤な鶴丸マークが描いてある。
日本航空はこのデザインを借りたのだろうか。
かなり似てはいるが神社の登録商標ではないだろうしなあ。
などなど神社の前でアホなことを考えてしまった。
鶴見駅前に到着。