東北本線,東海道本線沿線 全線全駅歩き旅のブログ

旧東北本線と田沢湖線,花輪線,釜石線,八戸線,山田線、北上線、東海道本線、奈良線、大船渡線沿線歩き旅の記録。

31日目 向山駅ー野辺地駅

2012年07月15日 | 東北本線 八戸駅~青森駅

31日目

2012年06月24日(日)曇り時々小雨

向山駅ー三沢駅5.5Kmー小川原駅8Kmー上北町駅4.2Kmー乙供駅7.4Kmー千曳駅7.2Kmー野辺地駅7.4Km 合計約 39.7Km

「東北本線に沿って歩く旅」も足掛け3年、日数は一ヶ月にもなってしまった。

総延長距離は740キロなので、1日あたり30キロメートル歩けば25日で走破できる計算なのだが、怠け者のなのでなかなか進まない。

ある人のブログでは東京から盛岡までを11日間で走破したとあった。
なんと1日あたり50キロ近くも歩いているのだ、若い人らしいがそれにしても驚かされる。

江戸時代の参勤交代のときは弘前から江戸まで20日前後で歩いているらしい。
これもハイスピードでの歩きだ。途中の宿泊費用を節約するために急いだらしい。

まあ、わたしの旅は急ぐ必要がない。
お金は無いが時間だけは充分にある、貧乏には慣れているし毎日がキャンプ生活でもまったく苦にならない性格である。

さて、

昨夜は午後8時には寝たものだから朝の5時には目が覚めてしまった。

公園のトイレで顔を洗って向山駅まで車で移動する。

途中コンビニに寄って朝食用のサンドイッチを買う。飲み物は自宅から持ってきた缶コーヒーだ。
この缶コーヒーも特売で一個50円の物だが、わたしは味にはうるさくないしブランドも気にしない性格だ。

午前6時20分に向山駅前に車を停めて歩き出す。

雨は降っていないがどんよりとした曇り空である。

途中見た畑のグラディーションが美しかったのでパチリ。



三沢市に入るととたんにアメリカの雰囲気が出てくる。



回りがひろびろとしているということもあるのだが、ところどころにある米軍関係者用と思われる住宅や、案内標識とか看板がほかの町とは違うのだ。



米軍関係者用思われる住宅には”F1234”というような番号が貼ってある。

日本では住宅やビルに番号をつけるということはない。
”○○町○丁目○番地”といように土地そのものに番号を付けるが、アメリカでは道路名と建物に番号をつけて表すらしい。
”○○通りS123"といった感じだろうか。
通りの右側が偶数番号左側が奇数番号だから、通りにそって建物の番号を探していけばたどり着けるのだ、実に合理的である。



日本の場合はその土地のエライ人のいるところから番号を振っていくらしい。
県庁の住所が中央1番地1号とか、村の村長宅が1丁目1番地でそこからずっと離れたところにある村の助役の自宅が2丁目1番地とかになってしまうこともあったらしい。

そのように地番を振っていくと4丁目3番地の右隣が8丁目9番地になってしまったりするわけだ。
事実わたしの家のある住所と同じ地番の住所は5キロも離れていて、その間に別な町名があるのだ、連続していないのである。

いくら米軍基地があるとはいえここは日本だからアメリカ式の住居表示は米軍関係者用住宅のみだろうとは思うが。


そのようなところは貸家案内板も英語表記だけである。
アメリカ人が住んでいる住宅は庭を見るとすぐわかる。

必ずバーベキューセットがあるのだ。

と、基地のある町ならではの風景を見ながら三沢駅へと向かう。

レトロな雰囲気のスクールゾーンの標識。



その昔は小学生も学帽、胸に名札をつけて通学したものだった。

マンホールの蓋には「しもだ」とある、ここは三沢市ではないのかな?



やっと三沢駅が見えてきた。



線路の向こうに見えるのは三沢の小牧温泉だ。



わたしも過去に何度か来たことがある。
ものすごく広大な敷地のなかには温水プールと一度に千人が入れるという浴場があった。
浴場には人工の温泉の滝があるのだった。

ホテルの内部も広くて夜中に廊下を歩いて部屋へ戻るときなどは、広すぎるのでちょっと不気味にも思えるほどだった。

駅南側の踏切を渡る。



この線路は使われていないようですっかり錆び付いてた。
この線路は閉鎖されていたのだった。



この線路は十和田観光電鉄の路線だったはずである。
たしかに以前見たときも古い車両がゴトゴトと走っていた。乗客は少なかったのだが。

青い森鉄道(旧JR)の三沢駅の隣に十和田観光電鉄の駅がある。



出札口の上には今年(2012年)3月31日で十和田市ー三沢間の電車の運転は終了したと張り紙があった。
地方の私鉄が消えていくのは寂しいが仕方の無いことだろう。

手書きの運賃表は貴重な記録として残してほしいものだ。







待合室はこんな感じ、木製の窓枠とねじ込み式の鍵。





わたしが高校生の頃の駅はこんな雰囲気だった。
半世紀前にタイムスリップできる世界がここにはあった。

一部でいいから何らかの形でこの駅舎と電車を残してほしいものだ。

さて青い森鉄道の駅へ立ち寄る。
時刻は7時10分だ。

空港の町らしく駅前にはこんなモニュメントがある。



そして郵便ポストの上にも、さらに階段にも。





これは2011年にMiss Veedolという飛行機の飛行を記念したものだそうだ。

駅のベンチでコンビニで買ったサンドイッチで朝食にする。



米軍関係者の利用も多いのだろう。

案内には英語が併記してある。





朝食を終えて歩き出す。

駅近くのバス停にもしっかりと英語表記がある。



マンホールの蓋も三沢ではなくMISAWAの表示だ。



三沢市の商店街にはアーケードがある。



これは積雪が多いので歩行者のためである。


途切れてしまっている線路があった。



これは三沢基地へ通じる線路だったのだが使われなくなったので切ってしまったのだった。

公共工事の看板にも英語が併記されているのには少々驚いた。



県道8号を北上する。基地にほどちかい民家の庭になんと旅客機のコンコルドがあった。



それもかなり大きくて全長10メートル以上はありそうなものだ。
このお宅のご主人はかなりの航空ファンなのだろう、庭にはコンコルド以外にも航空機や空港で使われていた機材が展示? してあった。



このコンコルドはかなり良く出来ていて、そのままどこかの航空博物館に展示できるほどの出来ばえである。

このコンコルドはGoogle Earthでも見ることが出来るのだ。





三沢を後にして県道8号をひたすら歩く。

青い森鉄道(旧東北本線)はこの県道に平行して走っている。
道幅は狭いが道路はまっすぐで車はスピードを出している。
車が来ると脇の草地に避けながら歩くのでさっぱり前に進まない。

しかもこの道路は緩やかなアップダウンがあり、歩くとかなり疲れるのだった。
緩やかな登り坂がだらだら続いて、こんどは同じような下り坂になる。
車で走るなら快適だろうが、歩くとなるとふくらはぎと足首に負担がかかるのだ。
ふくらはぎと足首にサロンパスを貼ってなんとかしのぐ。

東北町へと入った。



小川原湖へ遊びに行く車だろうか、車が切れ目無く走っていく。



午前10時、小川原駅に到着。
駅名のよみは「こがわら」である。

だが近くの湖の名前は「おがわらこ」である。
道の駅の読み方も「おがわら」になっている。

なぜ同じ読み方に統一しなかったのだろうか。





小川原駅の写真を撮って歩き出す。



青森県は有名な温泉地がいくつもあるが、それ以外にもこのような小さな温泉があちこちにある。



しかも入浴料が350円~450円ほどと安いのもうれしいことだ。




小川原湖が近くなってきた。



「道の駅おがわら湖」には11時に到着した。



ここで20分間の休憩をする。
道の駅には産直施設がある。
みると大根が一本100円と安かったのだが、ここで大根を買って背負っていくのはしんどいので買わない。

次は上北町駅である。道の駅からは程近い。





駅前のバス停。誰が書いたのだろうか達筆である。



上北町駅前広場。どうやらこれは上北という漢字をあらわしているようだ。





11時40分に上北町駅に到着。



駅前のアーチには「湖といで湯の里」と書いてある、うーん納得。



この駅は駅員さんがいる駅だった。



駅舎の中には習字が張り出してあったりで、地域の交流の場でもあるようだ。



「秋まつり」とか「砂あそび」「花火大会」はよいとしても「名産佃煮」に苦笑い。



お店の看板を書かされたのだろうか。

駅舎の中のベンチもプラットホームに架かる屋根もよい雰囲気を残している駅であった。



駅を後にして歩いていくと八甲温泉というのがあり隣がドライブインになっている。



時刻はちょうど12時、昼食の時間である。
コンビニ弁当よりはマシではと思い、このドライブインで昼食とする。



店内は30年前そのままといった感じだ。
おそらく価格も20年以上変えていないのではないだろうか。
おばあさんがふたりでやっているようだ。

親子丼550円を注文する。

どうやら隣の八甲温泉とつながっているようで、湯治客の食事の場にもなっているようである。



アルミ製のお盆がなんとも時代を感じさせる。
味は薄味だったから老人向けなのかも知れないな。
うーん、わたしは老人だからこれでいいのだ。

カウンターの上には今は懐かしいテレホンカードも残っていた。
冷蔵庫にはスーパーマーケットのチラシがマグネットで貼ってあったりするので、田舎のおばあちゃんの家にいるような気分になれる。

食事を終えて左手に線路を見ながら歩き出す。

七戸町へと入る。



小川原湖を過ぎてから急に交通量が少なくなった、やはりあのたくさんの車はレジャーに行く車だったようだ。

歩いていくとまた東北町へと入っていく。東北町から七戸町へ入りそしてまた東北町だ。
どうやら町の境界が入り組んでいるようだ。

乙供駅が近くなってきてた。
もう駅に着いたと喜んだがこの跨線橋は駅ではなかった、歩行者のためのものだった。





しばらく行き午後2時10分に乙供駅に到着。



小さな駅だがここも駅員さんがいる。待合室はこざっぱりしている。





駅の写真を撮っただけで歩き出す。

あいかわらず右足の甲が痛い、そして左足のふくらはぎも痛くなってきたが我慢我慢である。
どうやら靴に問題があるようだ、足が靴の中で動くのだ。
別の靴は少々きつくて前回歩いたときには小指の爪が割れてしまった、そこで今回はゆったり目の靴にしたのだ。厚めのソックスを履いてくればよかったなと思う。

県道8号は道が狭いうえに道路の両側から樹木の枝や雑草がはみ出している。
カーブのあるところでは対向する車が葉が邪魔で歩行者に気づいてくれない。
ひやりとする場面も何度かあった。
車のほうもこのような道に歩行者がいるとは思っていないのだ。



「日本中央の碑」発見の地というのがあった。



ここで「日本中央」と書かれた石碑が発見されたということだが、いまでも樹木に覆われジャングルのようなところになぜそのような石碑を建てたのだろうか。



だが古代日本を代表する「三内丸山遺跡」が同じ青森県にあることを考えれば、その昔はこの地も”日本の中心”であったかもしれないのだが。


あいかわらずゆるいアップダウンの続く道を歩く。

線路は見えないが左手の林の中を電車が走っている音が聞こえる。



突然道路下に駅が見えた「千曳駅」だ。午後3時50分だった。
千曳駅は県道8号線の道路と交差する位置に駅が造られているのだ。

駅というものは人家の多いところに造るのが普通だが、この駅の周りには人家がまったく見当たらなかった。
しかも道路にはまったく駅の案内標識が無かったので、車で来たなら気づかずに通り過ぎてしまっただろう。

たまたま道路の左側を歩いていたから駅を見つけたのだ、右側を歩いていたなら気づかなかったかもしれない。



待合室とプラットホームだけの駅である。



向かい側のプラットホームに移動するには坂を登って県道へ出て橋を渡って行かなければならない。
ある意味でずいぶんと合理的な構造である、わざわざ線路を跨ぐ高架橋を造らなくて済むのだから。
舗装もされていないただの砂利道である。



いったいなぜこんな人家の無いところに駅を造ったのだろうと不思議に思った。
だが駅の写真を撮ってしばらく歩いていくと、ぽつぽつと民家が見えてきた。

民家が点在するところから駅までは距離があるが、線路は千曳駅の近くでトンネルになる。
人家のあるところはトンネルの上に位置しているし、ここが交通に便利だから駅を作ったというわけだ。

あと5キロで野辺地町だ。
ここからはなだらかな下り坂が続く。
すでに午後4時半だがまだ陽は高い。

午後5時、国道4号との交差点まで来た。



やっと今日の目的駅である野辺地駅への標識があらわれた。もうすこしだ。



野辺地駅が見えてきた。



午後5時半に野辺地駅に到着。



朝の6時半から11時間かかったことになる。
途中でなんどか休憩を取ったがそれでも9時間以上は歩き続けた。さすがに疲れてしまった。

今日24日は野辺地港で「常夜塔フェスタ」という祭りがあるそうだ。
だが祭り見物はいつか別の機会にしよう。

これは駅前にある「常夜灯」




青い森鉄道に乗って向山駅まで戻る。



トラックに隠れてよく見えないが「日本最古の鉄道防雪林」とある。

運賃は890円とかなり高い。



徒歩では11時間もかかったのだが電車はたった30分で向山駅に運んでくれた。実にあっけない。



お腹も空いたがまずは汗を流して着替えたい。

ここはどこにでも温泉があってしかも入浴料が安いのがありがたい。入浴料は300円だった。



さて夕食と思ったが食堂が見当たらない。

時間も遅いし真っ暗だからインスタントラーメンを作るのも億劫だ。

さいわいスーパーマーケットがあり、寿司のパックが閉店前なので3割引だったから買い物かごに入れた。
そうしてから惣菜を物色していると、店員さんが出てきて寿司の残りのパックに半額のシールを貼りだしたではないか、すぐにレジに向かわなくて良かった。

わたしは3割引きのパックを棚に戻し、半額のシールが貼られた寿司を買い物カゴに入れてレジへと向かったのだった。

今夜は浅虫温泉の道の駅に車を停めることにした。
広い駐車場で意外と静かだ。
すでに午後10時である、半額のお寿司を食べたらあとは寝るだけ。



















コメント
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