2020年1月3日、NHKテレビBS-1「中国の“素顔”を探して」を放映していた。その放映の中で、8年前に北京に住んでいたNHKアナウンサーが、現在の中国との違いなどを放映していた。
「天安門事件」以降の中国は、多数の監視カメラが設置され、個人の自由が奪われているらしい。30年前、著名な米国の経済学者フリードマンが中国を訪ずれて、次のような言葉を残した。「自由が無ければ、経済は発展しない」と。
また、著名な経済学者ガルブレイスは、著書『ゆたかな社会』の中で、社会が豊かになるにつれて、企業が積極的に宣伝や販売術によって欲望や消費を作りだすと言っていた。
高度資本主義の消費はそのようなものであるが、日本経済が曲がり角に来ているのは、それが原因のひとつかも知れないと思った。
ところで、2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以降、中国は『世界の工場』と呼ばれるようになり、2010年には日本のGDPを抜いて世界第二位の経済大国になった。輸出の増大に加え国内消費も旺盛になり、各国の企業が中国で商品を売り、中国は世界の工場から『世界の消費市場』に変貌を遂げている。
中国は、他の国々が出来なかった経済成長を約20年でやり遂げて、世界第二位の強国になった。 消費が増加し過去に比べて豊かな社会が出来上がり、中流層人口も世界最大で、総じて、中国人は最高指導者を尊敬しているらしい。14億人の国家を統治し、生活水準を上げるには指導・調整力等が必要で、一方で、自由や寛容が犠牲になっていることも事実である
テレビは、日本と同じく格差が拡大し夢破れて北京から故郷に戻る若い女性のことも放映していた。番組の最後には、中国に批判的な29歳になる天才作家に対して、NHKアナウンサーがインタビューしていた。
「これからの中国はどうような国になり、作家としてのあなたの役割は何かと・・・・」。
平和と人の幸せを一義に、政治・経済・環境・国際関係など、国造りはなんと難しいものかと思った。
「十勝の活性化を考える会」会員
注) 消費
生活のために必要な物資・用役(サービス)を費消することが消費であり、それらの購入のために貨幣を支出することは消費支出とよばれる。消費と消費支出とはかならずしも一致しない。たとえば、テレビを買うために支出した金額(消費支出)はただちに全額消費されるわけではなく、それを使って得られる用役がその耐用期間中に消費される。
いま経済を循環として、すなわち、生産→分配→消費(および貯蓄)としてとらえると、消費および消費支出は二つの意味で生産に還流する。第一に、消費は労働力の再生産過程である。人は労働によって使い果たした労働力を、食べる、飲む、着る、眠るという消費過程を通じて再生産する。さらには次代の労働力の再生産のために、結婚し、子供を生み、扶養する。こうして消費は生産に還流する。第二に費支出は貨幣の支出であり、貨幣は消費財需要として生産者に還流する。
(出典:日本大百科全書「ニッポニカ」)