昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

読書:伊坂幸太郎2(ネタバレ注意!)

2006-05-27 11:25:53 | 読書
すみません。最初見たとき「オーデュポン」だと思ってました。
さて、今回はネタばれ含みの内容ですので『オーデュボンの祈り』と『ラッシュライフ』を新鮮な気持ちで読みたい方はスルーしてください。
(以下、白文字で記載。読みたい方は反転して下さい)

一読した感想。私は『ラッシュライフ』を先に呼んだので、過去エピソード等のボリュームの配分バランスが悪いなあ、と思いました。まあ、こちらは『ラッシュ』ほど各エピソードの前後やら関連そのもので楽しむ構成にはなっていないので、これはこれで良いのでしょう。
 もう一つは、途中が少し退屈。『ラッシュ~』もそうでしたが、後半、物語が収束するまでに読みつなげるための何かが少し欲しい。(贅沢か?)
意外だったのは、カカシが喋るしくみまで設定してあったこと。これは、あえて書く事によってリアリティが増すわけではないので、作者の意図としては、荻島のファンタジー性を高めようとしているのか、あるいは薄めようとしているのか、わかりづらい。
 快感のポイント。『ラッシュ~』は、豊田が断るところ。次点が、京子が真相を知ったところ。『オーデュボン~』は、城山が声をかけた人物が桜であったところ。(撃たれたところじゃないところがポイント)
 両者に共通する演出は、真面目で美しい女性が危機にさらされている、ということと、それが未然に防がれるところ。ものすごく悪意的な人物を出すことで、スリルとカタルシスを演出するのは同一手法。作者の宗教観については別項で。
 ところで、静香が桜に撃たれるっていう轟の危惧は、まったく心配いらない類のものだろうか?なんか、撃たれるラストを想像してしまい、頭から離れない^ ^;。伊藤は『ラッシュ』でも登場人物の科白中に出てくるので、生きて仙台に帰ってきたことが分かるけれど、静香は?
 作劇的には、そんな不条理ラストもありのような気がしますが。それじゃ賞は取れないでしょうね、きっと。

 読後感はさわやかです。ですが、なんか小骨がひっかかります。これも『ラッシュ』と同じですね。
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